TSカリスマライフ! ―カリスマスキルを貰ったので、新しい私は好きに生きることにする。―
第27話 制服と成長と涙
学校が始まって時が経ち、二月の末になってくるとメグちゃんと花ちゃんの入学準備が佳境に差し掛かってきました。
ランドセルに始まり、水糊や鋏などが入ったお道具箱や可愛いキャラクターが描かれた鉛筆や消しゴムが揃い、今日は制服屋さんに採寸に来ています。
あ、私の小学校は制服がある点から分かる通り、実は小中高一貫の私立学校だったりします。
とは言ってもお金持ちが通ったり、お受験戦争を抜けた戦士たちが通う訳ではなく、この学校の理事長が実業家さんで地域貢献の為に経営しているそうです。
なので学費も公立とそこまで変わらない、理事長様さまな学園です。
去年、そんな学校の制服を購入する時こんな疑問が生まれました。
小学生は直ぐに大きくなるので、頻繁に買い替えないといけないのでは? と。
私がうんうん唸っていると、いつでも適正なサイズの制服に取替えてくれるサービス付きという話をお母さんが教えてくれました。
私立ってすごい。理事長には足を向けて寝られないね!
いや、何処に住んでるか知らないけど。
「――お姉ちゃん、どうですか!」
「ねぇねー! どー?」
制服屋さんの更衣スペースで、初めての制服に身を包んだメグちゃんと花ちゃんが一回転してスカートを翻しました。
凄く似合ってる! 天使すぎるよぉ!!
「うん、凄く可愛いよ! 二人ともこれで私とお揃いだね」
「うん!」
「ねぇねといっしょ!」
「うわっと、いきなり抱きついたら危ないでしょ? まぁ私だからいいけど」
「お姉ちゃんだからだよ!」
褒めたら嬉しそうに笑いながら抱き付いてくる二人は、お姉ちゃんの自慢な可愛い妹です。
「そっか、ありがとう。じゃあご褒美にナデナデだ!」
「んー!」
「ふにゃ〜」
私が撫でるとメグちゃんも花ちゃんも目を細めて、気持ちよさそうな表情を浮かべます。
魔性の手が自分のことながら恐ろしい!
「二人はほんとに好きだね、ナデナデ」
「お姉ちゃんのナデナデは気持ちいいもん! お父さんは痛いもん!」
「あ、ありがと。それ、お父さんに言っちゃ駄目だよ?」
「? わかった!」
お父さん泣いちゃうからね!
「うん、メグちゃんはいい子だね」
「えへへー」
「ねぇね! はなもいい子!」
「うんそうだね、花ちゃんもいい子だよ」
「えっへー!」
「――恵ちゃん、花ちゃん、ちょっとこっちに来てくれるかな?」
二人の天使とイチャついていると、女性の制服屋さんが二人を呼びます。
どうやらまだ丈の採寸が出来ていなかったみたいで、二人は名残惜しそうに私から離れていきました。
……ごめんね制服屋さん。
私の手から天使を奪ったことで思わず一瞬睨んじゃったよ。
私が心の中で反省している間に採寸も終わり、制服はまた後日受け取ることに。
私服に戻った二人が再び私に抱き付いてきたのですがが、心苦しく思いながら説得して離れてもらいます。
なんたって今からは私の採寸だからね!
「お願いします!」
制服屋さんと着替えように仕切られたカーテンの中に入って、私は服を脱いでいく。
この制服屋さんはとても仕事に拘りを持っているので、かなり本格的に採寸をして一番近い制服から調整してくれるのです。
体を這っていくメジャーにこそばゆさを感じながら、採寸は進んでいきます。
……あ、あの。せ、制服屋さん?
バ、バストは如何ほどに?
……さいですか。
特に変わりなし、と。ぐすん。
それから数分で採寸が終わり、私たちは人仕事終えてにこやかに笑っている制服屋さんに笑顔でお別れを言って帰路に着きました。
その日できた大きな、とても大きな心の傷は、二人の天使が癒してくれます。
ら、来年でまだ小学二年生だし! まだまだ成長するもん!
すっかり前世が男だったことも忘れかけている私でした。
そして後日。私が学校から帰ってくると、新品制服姿の二人に出迎えられました。
「お姉ちゃん、どうですか!」
「うん、可愛いよ」
「ねぇねー! どー?」
「うん、花ちゃんも可愛いね」
「えへへ、そうだ! お姉ちゃんも制服だし、写真撮ろっ?」
「いいね! お母さん、カメラお願いー!」
なんだかこの前もこんなやり取りしたな、と既視感を覚えながらもお母さんを呼びます。
以前お父さんと一緒にお母さんにカメラの使い方を教え込んでおいて良かった。
……お母さんは機械に滅法弱く、お父さんの話では結婚当初は炊飯器も碌に使えなかったらしいです。
何でもお爺ちゃんの家では竃でご飯を炊いていたとか。
すごいなお爺ちゃんの家。竈あるのか。
ともあれたっぷり教え込んだ結果、お母さんもカメラを扱えるようになったのでお願いします。
後でタイマー撮影してお母さんも入ろうね!
……え? タイマー撮影って何って? あ、うん、そこは私がやるから。
「ねぇねは真ん中!」
「はいはい、ここでいいかな?」
「ん!」
三人お揃いの制服でリビングに並び、二人は私の両腕を抱き込みます。
「お姉ちゃんとお揃い記念だね!」
「そうだね。もうすぐ二人も一緒に学校に行けるね」
「はな楽しみ!」
「私も楽しみーっ!」
「よし! それじゃあ二人ともお母さんの方向いて。笑ってピース!」
「にぃ!」
「にーっ!」
そうして撮れた写真は両家のリビングの写真立て、アルバムの一枚、果てにはリビングに置いてあるパソコンのデスクトップ画像になりました。
いつの間にかお父さんが設定したみたいだけど、初めて見たときは思わず咳き込んでしまいました。
いや、だって天使二人ならともかく私も入ってるし、ちょっと恥ずかしいです。
まぁ両手に華で大変気分がよろしいのでそのままにしてますけどね!
「お姉ちゃん、遊ぼー!」
「ねぇねー! あーそーぼー!」
「はーい、今行くよー」
そう言った私は写真を一瞥してから、私物のアルバムに入れて引き出しに仕舞います。
その写真には満面の笑みを浮かべた三人の少女。
両腕に抱きついた天使に若干照れながらも微笑む、幸せな私。
ありがとう神様。私、凄く幸せだよ。
――そうして四月、遂に五人で学校に通う日がやってきました。
ランドセルに始まり、水糊や鋏などが入ったお道具箱や可愛いキャラクターが描かれた鉛筆や消しゴムが揃い、今日は制服屋さんに採寸に来ています。
あ、私の小学校は制服がある点から分かる通り、実は小中高一貫の私立学校だったりします。
とは言ってもお金持ちが通ったり、お受験戦争を抜けた戦士たちが通う訳ではなく、この学校の理事長が実業家さんで地域貢献の為に経営しているそうです。
なので学費も公立とそこまで変わらない、理事長様さまな学園です。
去年、そんな学校の制服を購入する時こんな疑問が生まれました。
小学生は直ぐに大きくなるので、頻繁に買い替えないといけないのでは? と。
私がうんうん唸っていると、いつでも適正なサイズの制服に取替えてくれるサービス付きという話をお母さんが教えてくれました。
私立ってすごい。理事長には足を向けて寝られないね!
いや、何処に住んでるか知らないけど。
「――お姉ちゃん、どうですか!」
「ねぇねー! どー?」
制服屋さんの更衣スペースで、初めての制服に身を包んだメグちゃんと花ちゃんが一回転してスカートを翻しました。
凄く似合ってる! 天使すぎるよぉ!!
「うん、凄く可愛いよ! 二人ともこれで私とお揃いだね」
「うん!」
「ねぇねといっしょ!」
「うわっと、いきなり抱きついたら危ないでしょ? まぁ私だからいいけど」
「お姉ちゃんだからだよ!」
褒めたら嬉しそうに笑いながら抱き付いてくる二人は、お姉ちゃんの自慢な可愛い妹です。
「そっか、ありがとう。じゃあご褒美にナデナデだ!」
「んー!」
「ふにゃ〜」
私が撫でるとメグちゃんも花ちゃんも目を細めて、気持ちよさそうな表情を浮かべます。
魔性の手が自分のことながら恐ろしい!
「二人はほんとに好きだね、ナデナデ」
「お姉ちゃんのナデナデは気持ちいいもん! お父さんは痛いもん!」
「あ、ありがと。それ、お父さんに言っちゃ駄目だよ?」
「? わかった!」
お父さん泣いちゃうからね!
「うん、メグちゃんはいい子だね」
「えへへー」
「ねぇね! はなもいい子!」
「うんそうだね、花ちゃんもいい子だよ」
「えっへー!」
「――恵ちゃん、花ちゃん、ちょっとこっちに来てくれるかな?」
二人の天使とイチャついていると、女性の制服屋さんが二人を呼びます。
どうやらまだ丈の採寸が出来ていなかったみたいで、二人は名残惜しそうに私から離れていきました。
……ごめんね制服屋さん。
私の手から天使を奪ったことで思わず一瞬睨んじゃったよ。
私が心の中で反省している間に採寸も終わり、制服はまた後日受け取ることに。
私服に戻った二人が再び私に抱き付いてきたのですがが、心苦しく思いながら説得して離れてもらいます。
なんたって今からは私の採寸だからね!
「お願いします!」
制服屋さんと着替えように仕切られたカーテンの中に入って、私は服を脱いでいく。
この制服屋さんはとても仕事に拘りを持っているので、かなり本格的に採寸をして一番近い制服から調整してくれるのです。
体を這っていくメジャーにこそばゆさを感じながら、採寸は進んでいきます。
……あ、あの。せ、制服屋さん?
バ、バストは如何ほどに?
……さいですか。
特に変わりなし、と。ぐすん。
それから数分で採寸が終わり、私たちは人仕事終えてにこやかに笑っている制服屋さんに笑顔でお別れを言って帰路に着きました。
その日できた大きな、とても大きな心の傷は、二人の天使が癒してくれます。
ら、来年でまだ小学二年生だし! まだまだ成長するもん!
すっかり前世が男だったことも忘れかけている私でした。
そして後日。私が学校から帰ってくると、新品制服姿の二人に出迎えられました。
「お姉ちゃん、どうですか!」
「うん、可愛いよ」
「ねぇねー! どー?」
「うん、花ちゃんも可愛いね」
「えへへ、そうだ! お姉ちゃんも制服だし、写真撮ろっ?」
「いいね! お母さん、カメラお願いー!」
なんだかこの前もこんなやり取りしたな、と既視感を覚えながらもお母さんを呼びます。
以前お父さんと一緒にお母さんにカメラの使い方を教え込んでおいて良かった。
……お母さんは機械に滅法弱く、お父さんの話では結婚当初は炊飯器も碌に使えなかったらしいです。
何でもお爺ちゃんの家では竃でご飯を炊いていたとか。
すごいなお爺ちゃんの家。竈あるのか。
ともあれたっぷり教え込んだ結果、お母さんもカメラを扱えるようになったのでお願いします。
後でタイマー撮影してお母さんも入ろうね!
……え? タイマー撮影って何って? あ、うん、そこは私がやるから。
「ねぇねは真ん中!」
「はいはい、ここでいいかな?」
「ん!」
三人お揃いの制服でリビングに並び、二人は私の両腕を抱き込みます。
「お姉ちゃんとお揃い記念だね!」
「そうだね。もうすぐ二人も一緒に学校に行けるね」
「はな楽しみ!」
「私も楽しみーっ!」
「よし! それじゃあ二人ともお母さんの方向いて。笑ってピース!」
「にぃ!」
「にーっ!」
そうして撮れた写真は両家のリビングの写真立て、アルバムの一枚、果てにはリビングに置いてあるパソコンのデスクトップ画像になりました。
いつの間にかお父さんが設定したみたいだけど、初めて見たときは思わず咳き込んでしまいました。
いや、だって天使二人ならともかく私も入ってるし、ちょっと恥ずかしいです。
まぁ両手に華で大変気分がよろしいのでそのままにしてますけどね!
「お姉ちゃん、遊ぼー!」
「ねぇねー! あーそーぼー!」
「はーい、今行くよー」
そう言った私は写真を一瞥してから、私物のアルバムに入れて引き出しに仕舞います。
その写真には満面の笑みを浮かべた三人の少女。
両腕に抱きついた天使に若干照れながらも微笑む、幸せな私。
ありがとう神様。私、凄く幸せだよ。
――そうして四月、遂に五人で学校に通う日がやってきました。
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