TSカリスマライフ! ―カリスマスキルを貰ったので、新しい私は好きに生きることにする。―

夕月かなで

第24話 年越しと眠気

 年越し。
 それはあっという間に終わってしまった一年の最後を締めくくる、全国共通のイベントです。
 家の近くに小さなお寺があるので、家の中に居ても除夜の鐘が聞こえるのでより年越しというイベントが身近に感じられるのかもしれません。
 そんな年末の鐘の音を聞きながら、私はテレビで流れる笑うとお仕置きされてしまう番組を皆と一緒に見ています。

 ということで本日は大団円です!
 去年までは私の家族と花ちゃんの家族で集まって年越しと初詣をしていたのですが、今年はそこに愛ちゃんと湖月ちゃんの家族も加わっています。
 リビングでは私たち子供がテレビを見ては話をしては笑い、お父さんたちは庭にある椅子とテーブルで酒盛り、お母さんたちはダイニングで年越し蕎麦を作っています。
 手伝うとは言ったのですが、今日はお母さん皆でやるから大丈夫と断られてしまいました。
 お父さんたちは寒いのかバーベキューで肉を焼きながら酒盛りです。

「千佳ちゃん! 私こんな年越し初めてや!」
「あいも千佳ちゃんと一緒に年越し出来て嬉しい!」

 炬燵に入って笑う湖月ちゃんと愛ちゃん。
 誘ってみて良かったよ!

「うん、私も皆と一緒で嬉しいよ。勿論、メグちゃんも花ちゃんもね?」
「お姉ちゃんといっしょー!」
「ねぇねー!」

 いつも通りに飛びついてくる妹二人を愛でていると、ダイニングから年越し蕎麦の良い出汁の匂いが漂ってきました。
 どうやら完成したみたいです。
 飲み物はいいとして、お菓子を広げてるから片付けないとね。

「はーい皆片付けるよー」
「え~」
「えーじゃない湖月ちゃん。片付けないと怒るよ?」
「やる! やらせてください!」
「はなもお片付けするー!」

 蕎麦を置くためにテーブルの上を掃除していきましょう。
 ……それにしても皆が食べるお菓子はチョコとかグミばっかりですね。
 私がお父さんたちの所から奪ってきたチータラは誰も食べませんでした。
 美味しいのになぁ。寂しい。

「よし、片付けはこんなものかな。じゃあメグちゃんと花ちゃん、お父さんたち呼んできてくれる?」
「うん!」
「あい!」

 顔を赤くして肩を組む上機嫌なお父さんたちと、まるで現役の学生のようなきゃぴきゃぴした雰囲気を醸し出している若々しいお母さんたちも揃い、皆で年越し蕎麦を食べます。
 うむ! 相変わらずお母さんのご飯は美味しいです!
 どうやら最近では私のお母さんが、花ちゃん愛ちゃん湖月ちゃんのお母さんたちにも料理を教えているみたいで、特製レシピはそれぞれの家庭で好評なようです。
 むぅ、舌が肥えてしまいそうで心配ですね。

「ごちそうさま」

 美味しい蕎麦を食べ終わったら、名残惜しみつつもテレビを消して炬燵から出ます。
 皆が風邪を引かないようにマフラーを巻いてあげて、お母さんたちから一人一つカイロも手渡されました。
 完全防備でいざ、初詣へ!
 ……って外さむっ!? よくお父さんたち外で酒盛りしてたね!?



 近所にある小さい神社でも初詣や祭りの日には地域の人が多く集まります。
 まだ年は越していないけれど三十人ほどの列へと並び、白い息を吐き出しながら新年を待ちましょう。

「はふぅ、おねぇちゃんー」
「うん? メグちゃん頑張って、もうすぐ年越しだからね?」
「うん……頑張るぅー」

 まだ幼い私たちにとって十二時前という時間帯は少々厳しいところがあります。
 花ちゃんは既に花ちゃんパパに抱っこしてもらって寝ているし、愛ちゃんは私の手を握ったままもう片方の手で目を擦っています。
 そして湖月ちゃんだけは未だテンションを維持している元気な子です。

「なんや皆お子様やな~! 私は全然ねむないで!」
「さすが湖月ちゃんだね。愛ちゃんが眠たそうだから、支えていてくれる?」
「分かったで!」

 愛ちゃんを挟み込むようにして湖月ちゃんに移動してもらい他愛も無い話をしていると、この地区の会長さんらしき人が拡声器でカウントダウンを始めました。
 それに合わせて、私たちもカウントダウンしましょう!
 ……いや、話をしている内にメグちゃんも愛ちゃんも私の腕に抱き着いてまま寝ちゃったんだけど。
 流石に二人分の体重はきつかったのでメグちゃんをお父さんに託し、愛ちゃんは愛ちゃんパパに託しました。

「ごー!」
「よん!」
「さん!」
「にー!」
「いち!」
「ハッピーニューイヤーやー!」

 無事に起きていた私と湖月ちゃんは両手を上げて新年を祝います。
 そして向かい会い、一つお辞儀をしてご挨拶。

「あけましておめでとう!」

 今年もよろしくね、湖月ちゃん。
 寝ちゃってるけど皆もね。

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