中二病の異世界生活 ~魔族に崇拝されてます~
どうやら平和な朝らしい
朝が来た。ドグマは小鳥がさえずる声で目を覚ます。朝チュンである。事後ではない。ここは草原のど真ん中であるはずなのに小鳥がいるというのも気にしてはいけない。必須出演なのだ。
「すー、すー」
アリスはドグマに抱き付いて寝ている。とても幸せそうな寝顔だ。天使である。ドグマが重度の中二病でなければKOされていただろう。ドグマの脳内メモリーにはムービーが保存されていく。
「むにゅぅ。どくま、しゃま?」
10分ほどしてアリスが目を覚ました。見飽きないのは解るが見すぎである。まだ呂律が回っていない。大天使だったか。ドグマは寝ぼけ眼を擦るアリスをムービーで収める。冷静な判断である。
「ようやく目覚めたか。着替えよ。服はそこにある」
起き上がったドグマが示す先には昨日の夜までは無かったタンスがある。いつの間に作ったのか。三人称神視点でも気づけなかった。
「みゅぅ」
同じく起き上がったアリスが眠たそうに万歳をする。アリスは朝に弱いようだ。瞼がほとんど閉じている。今にも眠りそうだ。むしろ寝ている。
それにしてもこの万歳はどういう意味だろうか。ドグマにして欲しいオーラを漂わせている。事案ではない。きっと着替えさせて欲しいのだろう。無防備な少女の服を着替えさせる親族ではない中学生男子。事案だった。
「ッ!?」
流石のドグマでも言葉が詰まる。そして無言でタンスから服を取り出す。純白に輝くワンピースだ。もちろんアリスにピッタリのサイズだ。採寸はしていない。目測である。今のドグマは何でもできるのかもしれない。
「着替えておけ。我は下階で待っている」
あろうことかドグマはアリスの膝の上にワンピースを置いて部屋を出た。YESロリータNOタッチは守られたが、ドグマに勇気が無いことが証明された。
一階に降りたドグマは椅子に座る。しかしすぐに立ち上がり、そわそわし始める。まるで留守番をさせた子供が心配で落ち着かない保護者のようだ。
「転装、アズベルク」
ドグマは一日も経てば見慣れた漆黒の鎧を纏う。漆黒の鎧を装着したドグマがしっくりとするのはなぜだろうか。
思えばアリスは、普通に格好よく、魔王と間違われるような鎧を身につけ漆黒の馬に跨がるドグマに命を救われ、さらには死んだはずの兄さえも救われたのである。アリス視点では白馬の王子様ならぬ黒馬の魔王様である。これほど好感を得るのも当然と言えば当然か。
「ふぁぁあ。ドグマさまおはよー」
欠伸をしながら階段を降りてくるアリス。どう着くずせば左腕が襟元から出るのか教えて欲しい。そのせいでどことは言わないが見えてしまいそうである。少なくとも左脇は見えている。ギリギリである。この姿だけで事案である。なぜインナーを用意しなかったのか。
「其処で止まれ。そう、其処だ」
「ふにゅ?」
ドグマに止まれと言われて、戸惑いながらも立ち止まるアリス。まだ眠いのか目がほとんど閉じている。無防備すぎる。ドグマが勇気が無いウブな中学生で本当によかった。紳士はNOタッチでなければならない。
ドグマは素早くアリスの着ているワンピースを整える。しかしこれだと左腕を通す時に見えてしまう。どことは言わないが。本当にどのように着くずしたらこうなるのだろう。
ドグマはアリスの左腕に手を添えワンピースの左肩口の紐を持つと、目を固く閉じた。どうやら絶対に見ないつもりらしい。とても正しいことだ。その影響で神視点でもどことは言わないが見えなくなるというのを除かなくても正しい。非常に正しい。
ドグマは目を閉じているというのにアリスは正しくワンピースを着た形となった。心の目で見えているとしたら全紳士と全犯罪者予備軍が許さない。片や裏切りものを成敗する意味で。片や抜け駆けを成敗する意味で。
「これでよいか」
ドグマは一言呟くと冷蔵庫からタオルを取り出す。湿っていて少し湯気が立っているタオルだ。イメージとしては水に浸してレンジでチンしたタオルのイメージだ。冷蔵庫から出てきたことにはもう驚かない。
「みゅ、にゅ、むゅう」
ドグマがタオルでアリスの顔を丁寧に拭く。タオルが動くたびに極楽顔で声を出すアリスが正に天使である。癒しオーラを垂れ流しにしている。紳士増産装置と書いて天使と読む。
「食事を取るぞ。席につけ」
「はーい!」
タオルで拭かれたことにより眠気が覚めたのか、アリスが元気いっぱいに返事をする。天真爛漫だ。笑顔が眩しい。ドグマの脳内メモリーに画像で保存された。
ドグマはトテトテと小走りで椅子に座るアリスを見守ると、冷蔵庫にタオルを戻し朝食を取り出した。目玉焼きを乗せたパンとじゃがいものスープ。所謂ラピュ○パンとポトフである。
取り出した朝食をテーブルに並べ、ドグマもアリスの向かいに座る。
「いただきます!」
アリスが両手を合わせて言った。ドグマの昨晩の命に感謝を捧ぐを真似することもない。せめて中二病が感染せずに天使のまま育つことを願う。
「死せる者よ、我が贄となり、力となれ」
言葉が圧倒的に違う。どう考えても感謝を捧いでいない。上から目線である。なぜ変えたのか
「では戴こうか」
ドグマはアリスに声をかける。アリスは既に食べ始めている。目玉焼きから食べるという外道かつ王道なことはしていない。とても美味しそうに食べている。笑顔で目が眩みそうである。
「……」
ドグマは幸せそうに食べるアリスを脳内メモリーにムービーで保存しながら食べ始めた。パンを食べながら少女をガン見する漆黒の鎧の男。恐怖である。
「すー、すー」
アリスはドグマに抱き付いて寝ている。とても幸せそうな寝顔だ。天使である。ドグマが重度の中二病でなければKOされていただろう。ドグマの脳内メモリーにはムービーが保存されていく。
「むにゅぅ。どくま、しゃま?」
10分ほどしてアリスが目を覚ました。見飽きないのは解るが見すぎである。まだ呂律が回っていない。大天使だったか。ドグマは寝ぼけ眼を擦るアリスをムービーで収める。冷静な判断である。
「ようやく目覚めたか。着替えよ。服はそこにある」
起き上がったドグマが示す先には昨日の夜までは無かったタンスがある。いつの間に作ったのか。三人称神視点でも気づけなかった。
「みゅぅ」
同じく起き上がったアリスが眠たそうに万歳をする。アリスは朝に弱いようだ。瞼がほとんど閉じている。今にも眠りそうだ。むしろ寝ている。
それにしてもこの万歳はどういう意味だろうか。ドグマにして欲しいオーラを漂わせている。事案ではない。きっと着替えさせて欲しいのだろう。無防備な少女の服を着替えさせる親族ではない中学生男子。事案だった。
「ッ!?」
流石のドグマでも言葉が詰まる。そして無言でタンスから服を取り出す。純白に輝くワンピースだ。もちろんアリスにピッタリのサイズだ。採寸はしていない。目測である。今のドグマは何でもできるのかもしれない。
「着替えておけ。我は下階で待っている」
あろうことかドグマはアリスの膝の上にワンピースを置いて部屋を出た。YESロリータNOタッチは守られたが、ドグマに勇気が無いことが証明された。
一階に降りたドグマは椅子に座る。しかしすぐに立ち上がり、そわそわし始める。まるで留守番をさせた子供が心配で落ち着かない保護者のようだ。
「転装、アズベルク」
ドグマは一日も経てば見慣れた漆黒の鎧を纏う。漆黒の鎧を装着したドグマがしっくりとするのはなぜだろうか。
思えばアリスは、普通に格好よく、魔王と間違われるような鎧を身につけ漆黒の馬に跨がるドグマに命を救われ、さらには死んだはずの兄さえも救われたのである。アリス視点では白馬の王子様ならぬ黒馬の魔王様である。これほど好感を得るのも当然と言えば当然か。
「ふぁぁあ。ドグマさまおはよー」
欠伸をしながら階段を降りてくるアリス。どう着くずせば左腕が襟元から出るのか教えて欲しい。そのせいでどことは言わないが見えてしまいそうである。少なくとも左脇は見えている。ギリギリである。この姿だけで事案である。なぜインナーを用意しなかったのか。
「其処で止まれ。そう、其処だ」
「ふにゅ?」
ドグマに止まれと言われて、戸惑いながらも立ち止まるアリス。まだ眠いのか目がほとんど閉じている。無防備すぎる。ドグマが勇気が無いウブな中学生で本当によかった。紳士はNOタッチでなければならない。
ドグマは素早くアリスの着ているワンピースを整える。しかしこれだと左腕を通す時に見えてしまう。どことは言わないが。本当にどのように着くずしたらこうなるのだろう。
ドグマはアリスの左腕に手を添えワンピースの左肩口の紐を持つと、目を固く閉じた。どうやら絶対に見ないつもりらしい。とても正しいことだ。その影響で神視点でもどことは言わないが見えなくなるというのを除かなくても正しい。非常に正しい。
ドグマは目を閉じているというのにアリスは正しくワンピースを着た形となった。心の目で見えているとしたら全紳士と全犯罪者予備軍が許さない。片や裏切りものを成敗する意味で。片や抜け駆けを成敗する意味で。
「これでよいか」
ドグマは一言呟くと冷蔵庫からタオルを取り出す。湿っていて少し湯気が立っているタオルだ。イメージとしては水に浸してレンジでチンしたタオルのイメージだ。冷蔵庫から出てきたことにはもう驚かない。
「みゅ、にゅ、むゅう」
ドグマがタオルでアリスの顔を丁寧に拭く。タオルが動くたびに極楽顔で声を出すアリスが正に天使である。癒しオーラを垂れ流しにしている。紳士増産装置と書いて天使と読む。
「食事を取るぞ。席につけ」
「はーい!」
タオルで拭かれたことにより眠気が覚めたのか、アリスが元気いっぱいに返事をする。天真爛漫だ。笑顔が眩しい。ドグマの脳内メモリーに画像で保存された。
ドグマはトテトテと小走りで椅子に座るアリスを見守ると、冷蔵庫にタオルを戻し朝食を取り出した。目玉焼きを乗せたパンとじゃがいものスープ。所謂ラピュ○パンとポトフである。
取り出した朝食をテーブルに並べ、ドグマもアリスの向かいに座る。
「いただきます!」
アリスが両手を合わせて言った。ドグマの昨晩の命に感謝を捧ぐを真似することもない。せめて中二病が感染せずに天使のまま育つことを願う。
「死せる者よ、我が贄となり、力となれ」
言葉が圧倒的に違う。どう考えても感謝を捧いでいない。上から目線である。なぜ変えたのか
「では戴こうか」
ドグマはアリスに声をかける。アリスは既に食べ始めている。目玉焼きから食べるという外道かつ王道なことはしていない。とても美味しそうに食べている。笑顔で目が眩みそうである。
「……」
ドグマは幸せそうに食べるアリスを脳内メモリーにムービーで保存しながら食べ始めた。パンを食べながら少女をガン見する漆黒の鎧の男。恐怖である。
コメント