中二病の異世界生活 ~魔族に崇拝されてます~
どうやら少女を貰ったらしい
「ドグマ様。ブラックドラゴンから私たちの村を守っていただいただけでなく、負傷した者を治していただき、なんとお礼を申し上げればよいか……。本当にありがとうございます」
ドグマは、頭を垂れたデミデーモンたちに囲まれていた。漆黒の騎士を囲む角と翼が生えた人。怪しげな儀式のようだ。実際は村人総出でドグマに感謝しているだけなのだが。
今ドグマに話しかけたのは、この村の村長だ。豊かな白髪に紫色の捻れた角がよく映える。これで痩せていなければ、魔王と言われても納得できただろう。
頭を垂れるデミデーモンの中には、つい先程まで瀕死の重症だった者もいる。そういったデミデーモンをドグマが片手間に治したのだ。そのためここまで信用され、感謝されているのだろう。治されたデミデーモンは生きたまま地面に沈むという貴重な体験をすることになったが。
「魔族であろう?そう畏まるでない。して、其れ相応の対価は払えるのであろうな?」
ドグマが爆弾を投下した。ドラゴンを勝手に追いかけて行き着いた先で偶然助けただけなのに対価を要求する。ここに鬼畜極まれり。ドグマは善人ではないようだ。
「も、勿論でございますっ。私たちにできる範囲であれば、ドグマ様の望むもの、全て叶えさせて頂きます!」
村長も村長で、助けてもらった手前断ることはできない。決してお人好しだからではない。村長はお人好しかもしれないが。
「なら、遠慮なく言わせて貰う。先程の金髪の少女。其れが我の欲するものだ」
ドグマが更なる爆弾を投下した。この中二病はこの期に及んで何を要求しているのだろうか。たとえ異世界転移でチート能力持ちで村を助けたとしてもそれはない。本当に現代日本人か?まさに鬼畜魔王だ。自称漆黒の覇者だが。いや、漆黒の覇者か。
「そ、その程度で宜しいのですか?」
ここで想定外の反応が来た。村長が驚いた様子で聞き返している。村長だけでなく、他のデミデーモンも驚いている。本当にそれでいいのかといった様子だ。どうやら常識が地球と違いすぎるらしい。
村人の中に紛れている少女本人は、目をキラキラと輝かせている。本望か。
「その程度ではない。その少女の魅力を全て語ってやってもよいのだが、生憎と我はすぐに旅立たなければならない。その少女は渡して貰おうか」
ドグマはロリコン確定だ。短時間しか接していないのに魅力を語れるらしい。更には、ドグマは少女と旅をするつもりらしい。何故少女と旅をするのだろうか。流石に夜の行為までは行わないだろう。ドグマは現代日本人だ。
「ドグマさま!いますぐ私をつれてってください!」
「ア、アリス!?」
少女が自分からついていこうとしている。困惑しているのは少女の母親だけだ。ちなみにこの少女の名前はアリスというらしい。どこの世界にもアリスはいるようだ。
「アリスか、良い名前だな。乗れ」
「うん!」
ドグマの差し出した手を掴んでアリスがカタトロフによじ登る。白いスカートは捲れても重要な部分は隠している。鉄壁のスカートである。魔法だろうか。
ドグマの前にアリスが座った。アリスをドグマが後ろから支えるような形だ。ドグマがアリスをいつでも見れる位置とも言う。
「ドグマ様!アリスをどうか、お願いします!」
「無論だ」
アリスの母親の言葉に、ドグマはたった一言だけ返した。しかし、アリスの母親はそれで安心したようだ。母親としてそれでいいのか。娘が拐われるようなものだぞ。
「それでは、さらばだ」
「バイバイ、おかあさん!」
別れの言葉を言った瞬間、カタトロフが駆け出した。気が早すぎる。
「アリス……。いいお嫁さんになるのよ」
既に豆粒程に小さくなったドグマを見送りながら、アリスの母親はそう呟いた。
……母親としてそれでいいのか?
ドグマは、頭を垂れたデミデーモンたちに囲まれていた。漆黒の騎士を囲む角と翼が生えた人。怪しげな儀式のようだ。実際は村人総出でドグマに感謝しているだけなのだが。
今ドグマに話しかけたのは、この村の村長だ。豊かな白髪に紫色の捻れた角がよく映える。これで痩せていなければ、魔王と言われても納得できただろう。
頭を垂れるデミデーモンの中には、つい先程まで瀕死の重症だった者もいる。そういったデミデーモンをドグマが片手間に治したのだ。そのためここまで信用され、感謝されているのだろう。治されたデミデーモンは生きたまま地面に沈むという貴重な体験をすることになったが。
「魔族であろう?そう畏まるでない。して、其れ相応の対価は払えるのであろうな?」
ドグマが爆弾を投下した。ドラゴンを勝手に追いかけて行き着いた先で偶然助けただけなのに対価を要求する。ここに鬼畜極まれり。ドグマは善人ではないようだ。
「も、勿論でございますっ。私たちにできる範囲であれば、ドグマ様の望むもの、全て叶えさせて頂きます!」
村長も村長で、助けてもらった手前断ることはできない。決してお人好しだからではない。村長はお人好しかもしれないが。
「なら、遠慮なく言わせて貰う。先程の金髪の少女。其れが我の欲するものだ」
ドグマが更なる爆弾を投下した。この中二病はこの期に及んで何を要求しているのだろうか。たとえ異世界転移でチート能力持ちで村を助けたとしてもそれはない。本当に現代日本人か?まさに鬼畜魔王だ。自称漆黒の覇者だが。いや、漆黒の覇者か。
「そ、その程度で宜しいのですか?」
ここで想定外の反応が来た。村長が驚いた様子で聞き返している。村長だけでなく、他のデミデーモンも驚いている。本当にそれでいいのかといった様子だ。どうやら常識が地球と違いすぎるらしい。
村人の中に紛れている少女本人は、目をキラキラと輝かせている。本望か。
「その程度ではない。その少女の魅力を全て語ってやってもよいのだが、生憎と我はすぐに旅立たなければならない。その少女は渡して貰おうか」
ドグマはロリコン確定だ。短時間しか接していないのに魅力を語れるらしい。更には、ドグマは少女と旅をするつもりらしい。何故少女と旅をするのだろうか。流石に夜の行為までは行わないだろう。ドグマは現代日本人だ。
「ドグマさま!いますぐ私をつれてってください!」
「ア、アリス!?」
少女が自分からついていこうとしている。困惑しているのは少女の母親だけだ。ちなみにこの少女の名前はアリスというらしい。どこの世界にもアリスはいるようだ。
「アリスか、良い名前だな。乗れ」
「うん!」
ドグマの差し出した手を掴んでアリスがカタトロフによじ登る。白いスカートは捲れても重要な部分は隠している。鉄壁のスカートである。魔法だろうか。
ドグマの前にアリスが座った。アリスをドグマが後ろから支えるような形だ。ドグマがアリスをいつでも見れる位置とも言う。
「ドグマ様!アリスをどうか、お願いします!」
「無論だ」
アリスの母親の言葉に、ドグマはたった一言だけ返した。しかし、アリスの母親はそれで安心したようだ。母親としてそれでいいのか。娘が拐われるようなものだぞ。
「それでは、さらばだ」
「バイバイ、おかあさん!」
別れの言葉を言った瞬間、カタトロフが駆け出した。気が早すぎる。
「アリス……。いいお嫁さんになるのよ」
既に豆粒程に小さくなったドグマを見送りながら、アリスの母親はそう呟いた。
……母親としてそれでいいのか?
「ファンタジー」の人気作品
-
-
3万
-
4.9万
-
-
2.1万
-
7万
-
-
1.3万
-
2.2万
-
-
1.2万
-
4.8万
-
-
1万
-
2.3万
-
-
9,711
-
1.6万
-
-
9,545
-
1.1万
-
-
9,448
-
2.4万
-
-
9,173
-
2.3万
コメント