最強のFラン冒険者
ヤハウェ VS ユウティーシア
私に向けて振り下ろされた白銀の長剣を両手に作り出した蒼穹の小太刀で受け止める。
すると眼下に広がっていた町並みの一部が割けそこに住まう多くの人が消滅していくのが見えた。
「―――ヤハウェ!」
私は、彼女の名前を叫びながら長剣を弾く。
するとヤハウェの長剣は上部に跳ね上げられる。
「何を怒っている?ここは我の神域だと言ったろう?つまりここは我が作り出した領域だ」
私はヤハウェの言葉を聴きながら頭を振る。
「世界はそうかも知れませんが、住んでる人は違います」
私の言葉にヤハウェは嬉々として笑う。
「そうだな、たしかに……貴様の言うとおり……この世界の領域は私の神域だが住まうのは人間だ。だがそれがどうした?」
「―――どうしたですって?」
両手の小太刀を構えながらヤハウェの続く言葉を聴く。
「我が神域に居るのは我を心棒している愚か者だ」
私はヤハウェの言葉を聞いて眉を潜める。
「そもそもおかしいと思った事はないのか?何故、個人がこれほどの力を有してるのかと言う事を。我も貴様もこの世界も一人の男が見果てぬ夢を見た結果に過ぎない。
我も貴様もその男の実験の結果、作られた都合のいい存在に過ぎない。
貴様も見たのだろう?
浅ましい人間の姿を。
誰かを救うために誰かを殺すその傲慢さを。
幸福を求めるが故に他者を傷つけるその愚かさを。
貴様は見てきたのだろう?
理解したのだろう?
なら何故、貴様は我と戦おうとしている?」
「私は……私の知ってる人を守りたい人を守るために戦うためにこの場にいるだけです」
私の言葉にヤハウェは微笑んでくる。
「そう、つまりそう言う事だ。貴様は、自己の欲望のために誰かの理想を壊そうとしてるに過ぎない。我の理想は、この世界を消滅させる事で人が持ちえる欲望、理想、希望、絶望全てを無に帰すことで正も不も何も存在することの無い正常な世界を作ろうと考えている」
ヤハウェの言葉を聞きながら、私は今まで出会った人たちとの光景を思い出した。
「それは違います」
私はヤハウェの言葉に同意することはできない。
「ならどうする?世界をありのままの正史の歴史に作り変えて全てを無かった事にするのか?貴様だけではなく今存在している全ての者が消滅することになるのだぞ?たとえ、そこに存在する者が今と似てると言っても本人でない事には代わりはない。それこそ貴様のエゴではないのか?」
考えないようにしていた。
正史に書き換えた場合、世界はもしかしたらまったく違う世界になるかも知れない。
私はずっとその事が頭に引っかかっていた。
だから指摘される事で理解してしまう。
だから指摘される事で分かってしまう。
「そうだ。結局、貴様も我も己のエゴを他人に押し付けてるに過ぎない。なら、どちらが正しいのか理解できるな?」
「違います」
「何?」
私の言葉にヤハウェは苛立つように疑問を呈してきた。
「たしかに、人はとても傲慢かも知れないし、誰かを傷つける人だっているのは確かです。でも……それでも、人は誰かを労わりやさしく接し自らの行いを省みる事ができる……そんな強さを持っています。全ての破壊して消滅させてその希望を未来を摘みとる事は私は良しとはしません」
「なら貴様は今ある歴史を犠牲にして正史に戻す事が正しいと言うのか?」
私はヤハウェの言葉に頭を振る。
「ならどうするつもりだ?」
「私は、いまある歴史のまま過去を変えて見せます」
私の言葉にヤハウェは呆気に取られた顔を見せた。
「そんな事は不可能だ。歴史は繋がっている。そこからは切り離す事はできない」
ヤハウェの言葉を聞きながら、私は微笑みを返した。
「なるほど……貴様は見つけたのだな?その方法を」
「はい。だから協力して頂けませんか?」
私の言葉にヤハウェは即答してくる。
「それは無理だな。我は人間の低俗さを理解している。人間には希望も何も存在しない、宇宙を消滅させるのは決定事項だ」
そう私に告げながらヤハウェは白銀の長剣を私に向けてくる。
「そうですか。なら戦いは避けられそうにないですね」
私も、蒼穹の小太刀をヤハウェに向ける。
2人の視線が交差する。
互いの力が領域を浸食していく。
ヤハウェから迸るのは多くの信者達から集めた精神エネルギーで編まれた神気。
ユウティーシアから迸るのは心を重ね合わせた結果、生まれた元素たる風の力。
「「神威!!」」
ユウティーシアとヤハウェが発した言葉が木霊すと同時に二人の力が領域を破壊し世界は何も存在しない暗闇に変化した。
「ヤハウェ、貴女も神威を?」
「ああ、この女の体と魂は我の器だ。同調すれば貴様と同じように力を限りなく上げる事は可能だ!」
ヤハウェが一瞬で私の目の前から消えた。
私の目では追いきれない、だけど……。
「―――なんだと!?この速度についてこられるというのか?」
私は小太刀と大刀に変化させ背後からの斬撃を受け止めた。
そして太刀でヤハウェの長剣を弾く。
「どうしてた?我と貴様の力は圧倒的に我の方が上のはずだ。我には何十億もの信者から得られる信仰心があるのだぞ?何故、貴様の力だけで我に対抗することができる?」
私はヤハウェの言葉に頷くことはできない。
「それは違います。私には多くの仲間が力を貸してくれています」
蒼穹の翼を展開させる。
羽ばたき移動する事で距離を縮めると見せかけ転移神術で目の前に移動する。
「―――グッ!?」
目の前に現れた私の蹴りをまともに鎧で受け10メートル程、ヤハウェが後退する。
ヤハウェは私を見ながら口元についてた血を拭い驚愕の眼差しを私に向けてきた。
すると眼下に広がっていた町並みの一部が割けそこに住まう多くの人が消滅していくのが見えた。
「―――ヤハウェ!」
私は、彼女の名前を叫びながら長剣を弾く。
するとヤハウェの長剣は上部に跳ね上げられる。
「何を怒っている?ここは我の神域だと言ったろう?つまりここは我が作り出した領域だ」
私はヤハウェの言葉を聴きながら頭を振る。
「世界はそうかも知れませんが、住んでる人は違います」
私の言葉にヤハウェは嬉々として笑う。
「そうだな、たしかに……貴様の言うとおり……この世界の領域は私の神域だが住まうのは人間だ。だがそれがどうした?」
「―――どうしたですって?」
両手の小太刀を構えながらヤハウェの続く言葉を聴く。
「我が神域に居るのは我を心棒している愚か者だ」
私はヤハウェの言葉を聞いて眉を潜める。
「そもそもおかしいと思った事はないのか?何故、個人がこれほどの力を有してるのかと言う事を。我も貴様もこの世界も一人の男が見果てぬ夢を見た結果に過ぎない。
我も貴様もその男の実験の結果、作られた都合のいい存在に過ぎない。
貴様も見たのだろう?
浅ましい人間の姿を。
誰かを救うために誰かを殺すその傲慢さを。
幸福を求めるが故に他者を傷つけるその愚かさを。
貴様は見てきたのだろう?
理解したのだろう?
なら何故、貴様は我と戦おうとしている?」
「私は……私の知ってる人を守りたい人を守るために戦うためにこの場にいるだけです」
私の言葉にヤハウェは微笑んでくる。
「そう、つまりそう言う事だ。貴様は、自己の欲望のために誰かの理想を壊そうとしてるに過ぎない。我の理想は、この世界を消滅させる事で人が持ちえる欲望、理想、希望、絶望全てを無に帰すことで正も不も何も存在することの無い正常な世界を作ろうと考えている」
ヤハウェの言葉を聞きながら、私は今まで出会った人たちとの光景を思い出した。
「それは違います」
私はヤハウェの言葉に同意することはできない。
「ならどうする?世界をありのままの正史の歴史に作り変えて全てを無かった事にするのか?貴様だけではなく今存在している全ての者が消滅することになるのだぞ?たとえ、そこに存在する者が今と似てると言っても本人でない事には代わりはない。それこそ貴様のエゴではないのか?」
考えないようにしていた。
正史に書き換えた場合、世界はもしかしたらまったく違う世界になるかも知れない。
私はずっとその事が頭に引っかかっていた。
だから指摘される事で理解してしまう。
だから指摘される事で分かってしまう。
「そうだ。結局、貴様も我も己のエゴを他人に押し付けてるに過ぎない。なら、どちらが正しいのか理解できるな?」
「違います」
「何?」
私の言葉にヤハウェは苛立つように疑問を呈してきた。
「たしかに、人はとても傲慢かも知れないし、誰かを傷つける人だっているのは確かです。でも……それでも、人は誰かを労わりやさしく接し自らの行いを省みる事ができる……そんな強さを持っています。全ての破壊して消滅させてその希望を未来を摘みとる事は私は良しとはしません」
「なら貴様は今ある歴史を犠牲にして正史に戻す事が正しいと言うのか?」
私はヤハウェの言葉に頭を振る。
「ならどうするつもりだ?」
「私は、いまある歴史のまま過去を変えて見せます」
私の言葉にヤハウェは呆気に取られた顔を見せた。
「そんな事は不可能だ。歴史は繋がっている。そこからは切り離す事はできない」
ヤハウェの言葉を聞きながら、私は微笑みを返した。
「なるほど……貴様は見つけたのだな?その方法を」
「はい。だから協力して頂けませんか?」
私の言葉にヤハウェは即答してくる。
「それは無理だな。我は人間の低俗さを理解している。人間には希望も何も存在しない、宇宙を消滅させるのは決定事項だ」
そう私に告げながらヤハウェは白銀の長剣を私に向けてくる。
「そうですか。なら戦いは避けられそうにないですね」
私も、蒼穹の小太刀をヤハウェに向ける。
2人の視線が交差する。
互いの力が領域を浸食していく。
ヤハウェから迸るのは多くの信者達から集めた精神エネルギーで編まれた神気。
ユウティーシアから迸るのは心を重ね合わせた結果、生まれた元素たる風の力。
「「神威!!」」
ユウティーシアとヤハウェが発した言葉が木霊すと同時に二人の力が領域を破壊し世界は何も存在しない暗闇に変化した。
「ヤハウェ、貴女も神威を?」
「ああ、この女の体と魂は我の器だ。同調すれば貴様と同じように力を限りなく上げる事は可能だ!」
ヤハウェが一瞬で私の目の前から消えた。
私の目では追いきれない、だけど……。
「―――なんだと!?この速度についてこられるというのか?」
私は小太刀と大刀に変化させ背後からの斬撃を受け止めた。
そして太刀でヤハウェの長剣を弾く。
「どうしてた?我と貴様の力は圧倒的に我の方が上のはずだ。我には何十億もの信者から得られる信仰心があるのだぞ?何故、貴様の力だけで我に対抗することができる?」
私はヤハウェの言葉に頷くことはできない。
「それは違います。私には多くの仲間が力を貸してくれています」
蒼穹の翼を展開させる。
羽ばたき移動する事で距離を縮めると見せかけ転移神術で目の前に移動する。
「―――グッ!?」
目の前に現れた私の蹴りをまともに鎧で受け10メートル程、ヤハウェが後退する。
ヤハウェは私を見ながら口元についてた血を拭い驚愕の眼差しを私に向けてきた。
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