最強のFラン冒険者
ヘルバルド国
アルゴ公国から馬車で移動を始めてからすでに2週間が経過しておりそろそろアルゴ公国とヘルバルド国の国境線の境にさしかかろうとしていた。
途中、アルゴ公国内で町や村に立ち寄り休んだりはしていたがかなりの強行軍という事もあり俺やレオナは別として公国陛下が護衛につけてくれた騎士達や馬にかなりの疲れが見られる事から数日は国境を越えた先にあるルゼンドの町で休んだ方がいいと言うことになっていた。
「それにしても転移魔法が私だけには効かないなんてね」
「某が思うには、クサナギ殿の魔力量が某と隔絶してて魔法の影響を受けてないだけかと思いますが?」
ふむ。でも勇者の空間転移武器だと転移出来たんだよな。そう考えると勇者に頼んで移動してもらうのも手だったが、馬車や徒歩や走り以外の移動方法は諸刃の剣だからな。
精神の調停者に聞いた話だと神代系の技術で転移した場合は、神衣を行った人も強制転移させるらしいから、教会復興をしている勇者と聖女を連れてくるわけにはいかないし困ったものだ。
「それにしてもかなり距離があるですね」
「そうみたいです。戦線の前線に到着するまでには早くて2ヶ月は掛かります」
貸し出されてる馬車と騎士がいる以上、やはり体裁が必要だし俺とレオナだけで前線に走って赴くわけにはいかないか。
「クサナギ殿、そんなに心配せずともリメイラール教会よりかなりの数の治療魔法師が現地に派遣されているため、すぐには死人が出るようなことはないという事です」
「そうですか」
俺が考えてたのはそこじゃないんだけどな。そういえば中世時代の戦争では銃などが出てきた時代と比べて人が大量に死ぬような戦争は少ないとどこかの本で読んだ事がある。実際のところ、本当かどうかは知らないが治療魔法師も居るのだ、なるべく最悪の事態は避けておいてほしいものだ。
「そこの馬車止まれ!」
声が聞こえたかと思うと馬車はゆっくりと停車した、馬車の側面から前方を見るとどうやら国境線に到着したようで何十人もの人達や何台もの帆馬車が整列してる姿が見られる。
しばらくすると俺達が乗った馬車は、帆馬車や徒歩の人達と違う門へ誘導されていく。
―――コンコン。
「はい?」
「失礼します」
俺の返事を聞いた一人の騎士が馬車の側面のドアを開けて俺とレオナへ視線を向けたあとドアを閉めた。どうやら王家の馬車でも人物確認はしているようだ。まー厳密に見ると王家の人間じゃないけどな。これが国王とかならフリーパスでいけそうだけど。
10分ほどすると手続きが終わったのか俺とレオナが乗車してる馬車は国境の中を通りぬけヘルバルド国へ入国した。
3時間後、ようやく人の馬車の窓から畑を耕す人の姿が確認できた。作ってるのは地球だと中東で成育されている麦だろうか?農業関係は俺には知識がないから何とも言えないな。それから20分ほどしてようやく城壁が見えてきた。
「クサナギ殿、あれがヘルバルド国の王都につぐ人口を誇る町だそうです」
「そうなんですか」
重厚な石で組み上げられ出来た壁はかなりの圧迫感を与えてくる。
「あれ?そういえば……アルゴ公国の王都には壁がなかったような……」
「天使達に破壊されたようですね。壁には防壁魔術もかけられていてそれで壊されたはずです」
なるほど、つまり俺のせいで町は壁を破壊されたのか。
請求されなくてよかった。
町の壁を破壊された修理費を請求されてたら一生、タダ働き確定だったな。今さながら自分がかなり危険な橋を渡ってることに身を引き締める重いだ。
俺とレオナを乗せた馬車は、町の入り口で手続きを行うと馬車を止めることが出来る高級ホテル前へ停車した。俺達と同行してる騎士の方へ側面のドアを開けてもらった後に、馬車から降りる。
「それではクサナギ様、2日後に出立いたしますのでそれまではこちらのホテルでお休みください」
「わかりました。レオナ参りましょう」
俺は遅れて降りてきたレオナに声をかけるとホテルの中へ足を踏み入れる。騎士達が俺達のために手配してくれた宿はかなり立派な物であり内装まで心配りが行き届いていた。
レオナも驚いていた事からこの中世の時代であってもかなりのランクの高い宿なのだろう。俺達は手ぶらで執事の方の後をついていく。レオナと自分の荷物はアイテムボックスに入れてあるから旅が楽でいい。
「それではこちらのお部屋になります」
俺がまず部屋に入りレオナが送れて入ってくる。部屋の中は広々としており30畳近いリビングのほかに寝室が2つ、バスルームに談話室までついていた。どれだけの事を想定して談話室なんて作ったのだろう。不思議でならない。
「レオナ、湯船に魔法で湯を入れますので順番にお風呂に入りましょう」
そうこの中世の時代、お風呂がとても貴重でめったにないのだ。しかも同行してるのは屈強な男性ばかりで俺もレオナも外でお風呂場を作って裸になってお風呂に入ることが出来ない。とてもストレスが溜まったりするのだ。はやめに、体を洗浄できるような魔術がほしいんだが欲しい魔術に限って手に入らないから難しそうだ。
俺は生活魔法の水と種火でお湯を湯船に入れるとレオナから先に入れることにする。その間に部屋のテラスに出て町の様子をチェックしていくが戦争をしてる国とは思えないほど商人が多いように感じられるし人も多い気がする。
宿の人に案内してもらってるときに聞いた話によると、古い時代にはここ衛星都市ヘルダーはセイレーン連邦の重要な交通の要所だったらしくその名残で今でも人が多いらしく、それを狙って商人も集まってきてるらしい。
「クサナギ殿」
後ろを振り返るとタオルも何も巻いてない裸のレオナがいた。レオナは年齢的に20歳半ばということもあり女性らしい体つきをしているのだが
「レオナ、いくら同姓しかいないと言っても布くらいは巻いて人前に出てください」
ため息を吐きながら俺はレオナに注意する。レオナはかなりの美人なのに無頓着な部分があるから困り者だ。
「レオナ、私も湯浴みをしてきますので出て着たら町へ探索にでかけましょう」
途中、アルゴ公国内で町や村に立ち寄り休んだりはしていたがかなりの強行軍という事もあり俺やレオナは別として公国陛下が護衛につけてくれた騎士達や馬にかなりの疲れが見られる事から数日は国境を越えた先にあるルゼンドの町で休んだ方がいいと言うことになっていた。
「それにしても転移魔法が私だけには効かないなんてね」
「某が思うには、クサナギ殿の魔力量が某と隔絶してて魔法の影響を受けてないだけかと思いますが?」
ふむ。でも勇者の空間転移武器だと転移出来たんだよな。そう考えると勇者に頼んで移動してもらうのも手だったが、馬車や徒歩や走り以外の移動方法は諸刃の剣だからな。
精神の調停者に聞いた話だと神代系の技術で転移した場合は、神衣を行った人も強制転移させるらしいから、教会復興をしている勇者と聖女を連れてくるわけにはいかないし困ったものだ。
「それにしてもかなり距離があるですね」
「そうみたいです。戦線の前線に到着するまでには早くて2ヶ月は掛かります」
貸し出されてる馬車と騎士がいる以上、やはり体裁が必要だし俺とレオナだけで前線に走って赴くわけにはいかないか。
「クサナギ殿、そんなに心配せずともリメイラール教会よりかなりの数の治療魔法師が現地に派遣されているため、すぐには死人が出るようなことはないという事です」
「そうですか」
俺が考えてたのはそこじゃないんだけどな。そういえば中世時代の戦争では銃などが出てきた時代と比べて人が大量に死ぬような戦争は少ないとどこかの本で読んだ事がある。実際のところ、本当かどうかは知らないが治療魔法師も居るのだ、なるべく最悪の事態は避けておいてほしいものだ。
「そこの馬車止まれ!」
声が聞こえたかと思うと馬車はゆっくりと停車した、馬車の側面から前方を見るとどうやら国境線に到着したようで何十人もの人達や何台もの帆馬車が整列してる姿が見られる。
しばらくすると俺達が乗った馬車は、帆馬車や徒歩の人達と違う門へ誘導されていく。
―――コンコン。
「はい?」
「失礼します」
俺の返事を聞いた一人の騎士が馬車の側面のドアを開けて俺とレオナへ視線を向けたあとドアを閉めた。どうやら王家の馬車でも人物確認はしているようだ。まー厳密に見ると王家の人間じゃないけどな。これが国王とかならフリーパスでいけそうだけど。
10分ほどすると手続きが終わったのか俺とレオナが乗車してる馬車は国境の中を通りぬけヘルバルド国へ入国した。
3時間後、ようやく人の馬車の窓から畑を耕す人の姿が確認できた。作ってるのは地球だと中東で成育されている麦だろうか?農業関係は俺には知識がないから何とも言えないな。それから20分ほどしてようやく城壁が見えてきた。
「クサナギ殿、あれがヘルバルド国の王都につぐ人口を誇る町だそうです」
「そうなんですか」
重厚な石で組み上げられ出来た壁はかなりの圧迫感を与えてくる。
「あれ?そういえば……アルゴ公国の王都には壁がなかったような……」
「天使達に破壊されたようですね。壁には防壁魔術もかけられていてそれで壊されたはずです」
なるほど、つまり俺のせいで町は壁を破壊されたのか。
請求されなくてよかった。
町の壁を破壊された修理費を請求されてたら一生、タダ働き確定だったな。今さながら自分がかなり危険な橋を渡ってることに身を引き締める重いだ。
俺とレオナを乗せた馬車は、町の入り口で手続きを行うと馬車を止めることが出来る高級ホテル前へ停車した。俺達と同行してる騎士の方へ側面のドアを開けてもらった後に、馬車から降りる。
「それではクサナギ様、2日後に出立いたしますのでそれまではこちらのホテルでお休みください」
「わかりました。レオナ参りましょう」
俺は遅れて降りてきたレオナに声をかけるとホテルの中へ足を踏み入れる。騎士達が俺達のために手配してくれた宿はかなり立派な物であり内装まで心配りが行き届いていた。
レオナも驚いていた事からこの中世の時代であってもかなりのランクの高い宿なのだろう。俺達は手ぶらで執事の方の後をついていく。レオナと自分の荷物はアイテムボックスに入れてあるから旅が楽でいい。
「それではこちらのお部屋になります」
俺がまず部屋に入りレオナが送れて入ってくる。部屋の中は広々としており30畳近いリビングのほかに寝室が2つ、バスルームに談話室までついていた。どれだけの事を想定して談話室なんて作ったのだろう。不思議でならない。
「レオナ、湯船に魔法で湯を入れますので順番にお風呂に入りましょう」
そうこの中世の時代、お風呂がとても貴重でめったにないのだ。しかも同行してるのは屈強な男性ばかりで俺もレオナも外でお風呂場を作って裸になってお風呂に入ることが出来ない。とてもストレスが溜まったりするのだ。はやめに、体を洗浄できるような魔術がほしいんだが欲しい魔術に限って手に入らないから難しそうだ。
俺は生活魔法の水と種火でお湯を湯船に入れるとレオナから先に入れることにする。その間に部屋のテラスに出て町の様子をチェックしていくが戦争をしてる国とは思えないほど商人が多いように感じられるし人も多い気がする。
宿の人に案内してもらってるときに聞いた話によると、古い時代にはここ衛星都市ヘルダーはセイレーン連邦の重要な交通の要所だったらしくその名残で今でも人が多いらしく、それを狙って商人も集まってきてるらしい。
「クサナギ殿」
後ろを振り返るとタオルも何も巻いてない裸のレオナがいた。レオナは年齢的に20歳半ばということもあり女性らしい体つきをしているのだが
「レオナ、いくら同姓しかいないと言っても布くらいは巻いて人前に出てください」
ため息を吐きながら俺はレオナに注意する。レオナはかなりの美人なのに無頓着な部分があるから困り者だ。
「レオナ、私も湯浴みをしてきますので出て着たら町へ探索にでかけましょう」
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