最強のFラン冒険者

なつめ猫

迷宮入り口にて


「プラチナプレート!?」

以前、俺が情報収集した受付のお姉さんは提示した冒険者ギルド仮免許証を見て大層驚いてる。

「そんなに珍しいのですか?」

質問しながらも意地悪な内容だとは思った。
クランカスから聞いた限りでは王族専用の冒険者ギルドカードらしいのだ。

「――――――はい。王家が所持しています8枚のうちの1枚のカードになります。海爵位の方で無いとお持ちできませんので……」

なるほど、グランカスは総督府が1枚づつ所有してる冒険者ギルド王家カードを俺に貸してくれたのか、そりゃ驚くか?

「それでは郊外の迷宮への立ち入りは問題ないですか?」

まぁ問題はないはずなのだが何かあったら困るし一応聞いておくとしよう。
俺に聞かれた受付の女性は俺と動向してるレオナ、アリーシャ、パステルへ視線を向けると……。

「はい、問題ありません。以前、お伝えしたとおりにギルドの規約に沿って活動してください」

「わかりました」

俺はそれだけ言うと、以前泊まったことのある宿屋に泊まることにした。
出てきた執事の方は以前とは違っていて初老を超えたあたりだった。
部屋は俺が一部屋、ほかの3人は3人で一部屋を借りた。護衛のために、俺と同じ部屋に泊まるなど行っていたが衛星都市エルノのこのホテルは以前も騎士達が詰め掛けてきた時に騎士達が入らないように対応してくれたので問題ないと断った。

「さてと……」

解析が使えるようになってから気がついた点がある。
俺のステータスにはこの世界特有のレベルに関する項目がない。しかもこの世界に来る前は、全ステータスが1と書かれていたのに、初めて解析の魔術を使ったときにステータスが向上していたのだ。
そしてこの船旅で気になったこと。

「解析!」

name:ユウティーシア・フォン・シュトロハイム(草薙雄哉くさなぎゆうや
HP:82/82(50000000000/50000000000)※身体強化時のみ
MP:17/17(19999000000/20000000000)※身体強化時のみ使用が可能
STR:8(40000000)※身体強化時のみ消費魔力量に応じて変化
DEX:14(40000000)※身体強化時のみ消費魔力量に応じて変化
CON:11(40000000)※身体強化時のみ消費魔力量に応じて変化
WIS:2(40000000)※身体強化時のみ消費魔力量に応じて変化
INT:163(40000000)※封印中
CHA:40000000

成長促進LV99 生活魔法I LV99 生活魔法 II LV99 生活魔法 III LV99 解析魔法∞ 回復魔法LV99

船旅後のステータスが、以前よりも全体的に大幅に上昇している。これはおそらく大変な船旅でステータスが鍛えられ成長促進の効果も踏まえた結果だと予想できる。
つまり、なんらかの行動をすればステータスがあがって強くなるはず。
というか俺だけレベルが無いからそうじゃないと困る。
そうと決まったらまずは腕立て伏せからだな。

――――――

―――翌日、俺は全身筋肉痛だった。
そしてステータスはSTR-1だった。解せん。

「クサナギ様、大丈夫ですか?」

アリーシャが心配してくれるが、俺は郊外の遺跡にいくにもかなり辛かった。肉体強化すると疲労してる筋肉まで強化されてしまうから痛みがハンパないのだ。

「え、ええ……」

しかもヒールでは直らないようでヒール万能説も怪しくなってきた。まぁ筋肉痛の原因はいまだに解明されてないらしいから俺が想像できないのは治せないから仕方ないといえば仕方ないのだが。

「そろそろ迷宮入り口だな?」

俺の前を歩いてるパステルがボソッと喋っていたが我慢して身体強化魔術を使ってる俺としては注意力が散漫になっていて聞き取ることはできなかった。それでも先頭が止まれば後を追って歩いていた俺の歩みも止まるわけで……。

「どうしたんですか?」

俺は顔を上げて3人に聞きながらも前方に大きな地下へと伸びる階段のある入り口を見つけた。

「これが迷宮ですか……」

ゲームで見るようなダンジョン入り口のようではなくレンガ作りの階段がずっと地の底まで続いてるような立派な物であった。とくに獣や魔物と言ったような声は聞こえないしそんな感じもしない。

「それでは入りますね」

レオナが俺に確認を取ってきたので了解と頷く。

「あっ!?」

レオナが煉瓦作りの階段を降りようとしたところでローブを着て杖を持った男性と男性の戦士風な人が3人階段を上がってきた。筋肉の盛り上がりがすごくハゲてる男の人は一人の女性を背負っていた。
事案か?事案なのか?

「すまない、君たちも冒険に来たのか?」

ハゲがパステルに声をかけた。俺はそれを見ながら解析の魔術で女性の容態をチェックしていく。

class:冒険者
name:クレメンテ
Level:31
 HP:5
 MP:2
 STR:24
 DEX:20
 CON:15
 WIS:8
 INT:11
 CHA:7

弓 剣術 

ふむ……。この解析は他人の最大HPが見れないのがネックだよな。
それよりもHPがやばいことになってないか?ほらHP4になったし……。

「回復できる人間はいないか??ポーションがあれば良い値で買わせてくれ」

「それなら、下級ポーションを金貨5枚で……」

なんかパステルが、商談を始めたようだがもうクレメンテさんHP3しかないんだけど……。まさか?二人とも相手のステータスが見れないからまだ余裕があるとか思ってる?
俺は近づいていき、女性に手を当てるとヒールをする。そうするとHPが270まで回復した。
少しすると女性が身じろぎしたので背負っていたハゲが驚き女性を草の上に横にする。そして傷口があったと思われる腹部をチェックしていくが俺がヒールをしたのだからどこにも怪我などあるわけが無い。

「「「傷が、塞がってる!?」」」

そりゃヒールすれば塞がるだろうよ。何をそんなに驚いてるのか理解不能だ。

「それでは私たちは先に進ますので無理を為さらないくださいね」

パステルが商談の邪魔をされたと怒ってるようだったが人が困ってるのだ、ヒール程度問題ないだろう。
さて、まずはこの階段を降りて1階から探索だな。












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