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スクールライフCREATORs

石原レノ

終わり~after story~

「ふぅ〜疲れた。まさかあんなに手伝わされるなんてなぁ、、、」
結局僕の悪い癖が出て、かなりの重労働を引き受けてしまった。まぁこれも部活動の一環だと思えば良いのだが。
「ん?」
ふと後ろから視線を感じた。
振り返ってみると、、、
「あれは、、、」
転校初日、僕が琉歌に連れられて学校案内をしている最中に見かけた狐面の女の子。
その女の子が再び僕の目の前にいる、、、いや、正確には物陰からじっと僕の方をまた見ている。
「、、、、あの―」
僕が声をかけようとしたところで女の子はダッと駆けて行ってしまう。
相変わらず訳の分からない行動に少々困惑をしたのだが、その暇さえも僕にはなかったようだ。
「ねえ、、、」
声がした方へ振り返ると、今度は白髪ロングの女の子が立っており、僕の方を見ていた。
確か、蒼葉と言い争った時に声をかけられた女の子だろう。
女の子は静かに歩み寄り、腕一本分の所で足を止める。
「また、、会ったね」
「う、うん」
「天上君、、、でいいの?」
「え、うん。下の名前でも僕は構わないけど、、君は?」
僕がそう問いかけると、女の子は髪を指先でくるくると絡ませていた。
「私は、、、かなで
「奏、、か。ありがとう!よろしくね!」
「うん、、、よろしく。じゃあ私は行くから、、」
そしてこの前のようにまた何事も無く歩き去っていく。奏は去り際に不意に口を開いたのだった。
「頑張ってね。生徒会も応援してるから」
「え?」
振り返ると、奏は既に背を向けていた。何を言ったのかは定かではないが、僕は気にすることもなく教室へと向かったのだった。

「だからさぁ、美術部が色々と大変なのも分かるんだけどさぁ、どうにかならないかなぁ」
「そ、そんな事言われたって、無理なものは無理ですよ」
教室に戻る道中、僕が不意に足を止めた場所は、『美術室』だった。
聞き覚えがある声とともに、何やら困った感じのトーンで断りを入れている声がする。
「私だって今回の行事を楽しみにしてたんですよ。そんないきなり言われても無理なものは無理です」
「んーーっあーっもう!」
「どうかしたの?」
部活がら、思わず首を突っ込んでしまったわけだが、果たして僕の判断は良かったのだろうか。
美術室の中には琉歌とゆかり、銀髪の女の子が居た。
「先輩、、ちょっと助けてくださいよぉ。もう私どうしたらいいのか」
「その言い方だと私が悪役みたいじゃないですか。まぁそれもそれで暗黒を演じるみたいでアニメとしては良いかもなぁ」
「えーっと、、、これはどういう事かな?」
面倒くさそうにぼやく琉歌。何やらアニメの悪役に憧れを抱く銀髪の女の子。
これは察するに面倒事だろう。
「聞いて下さいよ先輩」
ここからは琉歌から受けた説明を僕流に解説しよう。
近々学校の行事で美術部は作品を出典するらしい。それを売って部活動費を稼ぐそうな。
しかし、学校側のミスで、出典枠がかなり多くなってしまい、やむを得ず美術部には出典を諦めるように説得しに来たらしい。
そして今に至る。
「と、言うわけなんです」
「美術部としてはここで売り込まないと後々困るんですよ。ルウは楽しみにもう何個か仕上げちゃいました」
「ルウ?、、、あ、君の名前だね」
僕がそう言うと、ルウは元気よく頷いた。
「はい!私は華道ルウ(かどう)。日本の父とフランスの母がいます。好きなものは、、アニメですね。あれは外せません」
「ルウちゃんだね。僕は天上瞬。よろしくね」
和やかな自己紹介の最中、不機嫌そうに琉歌が口を挟む。
「ちょっと先輩。私達のこと忘れられたら困ります」
「出典って何処がするの?」
僕は何となく気になったことを問うた。するとゆかりがパラパラっと厚い紙束をめくり出す。
「学校外が15。学校内は6ですね。えーっと、、あれ?」
ピタッとゆかりの手が止まる。不思議そうな顔をして琉歌が割り込んで紙を覗き込むと、、、。
「何で学校内の出典枠に『支援部』があるの?」
「私に言わないで下さいです。支援部の人ならそこにいるじゃないですか」
「え?僕?」
「先輩、この前配られたプリント、ちゃんと目通しましたか?」
「あ、、」
そういえばこの前、部活毎に配られたプリントたる物があった。僕は良く見ることもせずにテキトウに署名して提出したのだが、まさかそれが、、、。
「ルウちゃん」
「何ですか?琉歌さん」
怖い、怖いよこの2人、、、何かニヤニヤしてるんだけど、、、。
「あ、あはは、、」
「せんぱぁーい」
ゆっくりと、不気味な笑みを浮かべながら近づいてくる琉歌とルウ。
僕は意を決して駆け抜けて行った。


「あははっ。それは災難だったね」
「はぁ、僕って運がないよなぁ」
放課後、僕は蒼葉と保健室にいた。先程まで起きた事柄を、蒼葉は楽しそうに聞いてくれた。
「本当に瞬君は優しいんだね」
「僕は良心でやっているだけだよ。蒼葉や翠葉ちゃんを助けたいって思った、、それだけだよ」
「、、、そっか」
「喉乾いたね。飲み物買って来ようか?」
「うん。お願い」
保健室から出て、僕は学校に設置された自動販売機を目指して歩み進む。
冬の寒い風、人肌に触れると誰もが冷感に襲われるだろう。冷たい風、あの時と同じ懐かしいような感覚。
「何だかんだで転校してきて良かったな」
初日はきつかった。多くの目線が僕に降りかかり、精神的に辛かったことを今でも覚えている。
でも、いろんな人と出会った。そして、頼られた。その事実だけでとても心が熱くなる。『支援部』も部員が増えることは無いが、この分じゃこの先も騒がしくなることだろう。
今はまだ見えない先の未来に、僕は心を踊らせていた。
「ただいま、って、、寝ちゃったか」
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僕の転校生活はまだ始まったばかりだ。

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