一般人に魔王をしろと言われても
1-7.チュートリアル、その2
「では主殿、諸々説明の前にワシの名前を付けてくれ。」
すぐに何かの説明が始まるかと思いきや、彼女が言ったのは自分に名前を付けろとの事だった。
「……なにを呆けた顔をしておるか。主従の契約を結んだのだ、そのくらい当然であろう。」
そんなに呆けた顔をしていたか?
だが、さすがにその場に留まるのは危ないと判断されたのか、こちらが相手に名前を付けろと言われ悩んでいるといきなり手を引かれるとふわっとした浮遊感の後、少し離れた場所を移された。
まぁ、確かにあんまりマグマみたいになってる場所にそのままいたくないのは同意するが、今の感覚はいったい?
「あ、ありがとう……。ん~そうだ、ミズホとかどうだ。」
彼女にとっては余程大事なことなんだろう。咄嗟では在るものの相手を見てパッと思いついた言葉がつい出てしまった。
蒼いし。
「うむ……良いな。それで行こう。今日からワシはミズホじゃ。ふむ、ミズホか。」
嬉しかったんだろう。何度も自分の名前を反芻して噛みしめるように呼んでいる。
そこでちょうど合流してきた二人に驚いている様子はなかった。
むしろ、ミズホを見るとこれはごく当然の流れだろうという様子でもある。
「シュウが召喚したのは彼女ですか。種族などは何になるのですか?使用出来るスキル、特殊能力などもあるんでしょう?」
むしろ俺が生きているよりもレーラにとっては召喚された未知の種族であるミズホへの興味は高く、彼女を品定めするかのように周りをうろちょろして彼女の尻尾や髪を触りまくっている。
良いなぁ、俺もあのモッフモフの尻尾触りたい。
「えぇい、鬱陶しいわ!その辺も説明してやる。少し大人しくしておれ、」
さすがに興味の対象として自分の周りを回られたんじゃ堪ったものではないか怒鳴り上げてレーラを追い払うと俺の背後に回ると髪を押さえながら乱された毛並みを直し始める。
それでも説明の方が優先ではあるのか指を櫛のようにしながら髪の毛繕いしつつも喋り始めた。
「まったく……。さて、主殿。先程の端末に召喚というカテゴリがあったじゃろう。そこを確認してみよ、いくつかタグが増えておるじゃろ。」
言われたとおりアプリを開き[召喚]を選んでみると確かに幾つか新しいタグが増えているようだ。
えっと、[進化][召喚履歴][活動体一覧]が増えている。
「それじゃな。まずは進化から説明しようかの。」
ある程度、毛繕いは終わったのか。こちらに振り向いて覗きこむ。
見ている画面が間違っていなかったのもあり彼女は話を進めていく。
「ワシは進化の必要がないのでな。今中を見てもなにも表示されてはおらんが、一部の魔物以外は条件を満たすとこれで上位の個体に進化させることが出来る。」
「一部?ってことはこっちの操作が必要なくても進化するモンスターがいるってことか?」
「そうじゃなぁ……。条件が必要ではあるが蟲種や亜人種なんかではあるが。それは自分で見ると良い、さっさと次へ行くぞ。」
なんとなくこういうゲームで操作が必要なさそうな進化というと思いつくのは確かにそうだが、主に条件があっち系のイメージしか浮かばないぞ……。
ミズホ自体もこの話題についてはあまり好きではないらしく、さっさと先に進めてしまった。
「とは言うても他は特に説明もあるまい。履歴については召喚した魔物の履歴、一覧は自分が召喚し外で活動している魔物の一覧が並んでおる。」
本当に簡単な説明だなぁ、
一応中を確認して見るとどちらも中には[言ノ葉を遣いし者]という名前だけが表示されている
「うむ、後ワシの能力を確認したければ一覧から能力を確認することが出来るでな、見てみると良いぞ。」
「ワタシにもお願いします。見せてください」
シーラも見たかったのか、こっちの反応を見るまでもなく確認してくる。
とはいえ、俺も断る理由もなかったので携帯を覗きこむのを止めはせず操作を進め、ミズホのデータを確認して行く。
名称:言ノ葉を遣いし者
レベル:1
Health:179
MANA:73
AD:32
AR:49
AP:77
MR:64
スキル:言霊
「えっ、これだけ……?」
なにか途轍もない能力やパラメータを持っていてさっきのモンスターを倒したんだと思ったがそうでもなさそうで、シーラの方も首を傾げている。
「レベル1では確かに魔力方面での能力は高くありますが、特殊スキルを持った上位個体程度ですね。ですが原始の蜥蜴竜は……」
のはずだが、実際に倒しているし能力値以上の力も感じる。
ふと、後ろから視線を感じると背後でミズホがニヤニヤと笑みを浮かべていた。
「クククッ、なんでじゃろうなぁ……。主殿、スキルで見たい効果を長押しすると詳細が見れるぞ。」
言霊:このスキルを持った者の"言葉"は事実となる。
効果範囲はレベルに依存する。
効果時間はレベルに依存する。
レベルアップ時のAP上昇値にボーナスを与える。
契約主、同盟者に対して効果は無効となる。
事象に作用するが、運命に対しては作用しない。
発動権はスキルの所持者にのみ与えられる。
「え、なにこれチート?」
「言葉が真実に…、原始の蜥蜴竜を倒したのはこの能力ということですか。」
確かに、なにか起きる前に彼女は一言二言話してから行動してたとは思うがそんな意味があるとは思わなかった。
「話終わった~?そろそろお腹空いたんだけどー」
色々と考えることは多いが横からさすがにそろそろ焦れて来たのか、シーシェが文句を垂れ始めた。
そういえば俺もここに来てからなにか食事した覚えがないな。
ミズホからの説明は一旦切り上げることにしてシーシェの言うとおりご飯を取ることにした……。
すぐに何かの説明が始まるかと思いきや、彼女が言ったのは自分に名前を付けろとの事だった。
「……なにを呆けた顔をしておるか。主従の契約を結んだのだ、そのくらい当然であろう。」
そんなに呆けた顔をしていたか?
だが、さすがにその場に留まるのは危ないと判断されたのか、こちらが相手に名前を付けろと言われ悩んでいるといきなり手を引かれるとふわっとした浮遊感の後、少し離れた場所を移された。
まぁ、確かにあんまりマグマみたいになってる場所にそのままいたくないのは同意するが、今の感覚はいったい?
「あ、ありがとう……。ん~そうだ、ミズホとかどうだ。」
彼女にとっては余程大事なことなんだろう。咄嗟では在るものの相手を見てパッと思いついた言葉がつい出てしまった。
蒼いし。
「うむ……良いな。それで行こう。今日からワシはミズホじゃ。ふむ、ミズホか。」
嬉しかったんだろう。何度も自分の名前を反芻して噛みしめるように呼んでいる。
そこでちょうど合流してきた二人に驚いている様子はなかった。
むしろ、ミズホを見るとこれはごく当然の流れだろうという様子でもある。
「シュウが召喚したのは彼女ですか。種族などは何になるのですか?使用出来るスキル、特殊能力などもあるんでしょう?」
むしろ俺が生きているよりもレーラにとっては召喚された未知の種族であるミズホへの興味は高く、彼女を品定めするかのように周りをうろちょろして彼女の尻尾や髪を触りまくっている。
良いなぁ、俺もあのモッフモフの尻尾触りたい。
「えぇい、鬱陶しいわ!その辺も説明してやる。少し大人しくしておれ、」
さすがに興味の対象として自分の周りを回られたんじゃ堪ったものではないか怒鳴り上げてレーラを追い払うと俺の背後に回ると髪を押さえながら乱された毛並みを直し始める。
それでも説明の方が優先ではあるのか指を櫛のようにしながら髪の毛繕いしつつも喋り始めた。
「まったく……。さて、主殿。先程の端末に召喚というカテゴリがあったじゃろう。そこを確認してみよ、いくつかタグが増えておるじゃろ。」
言われたとおりアプリを開き[召喚]を選んでみると確かに幾つか新しいタグが増えているようだ。
えっと、[進化][召喚履歴][活動体一覧]が増えている。
「それじゃな。まずは進化から説明しようかの。」
ある程度、毛繕いは終わったのか。こちらに振り向いて覗きこむ。
見ている画面が間違っていなかったのもあり彼女は話を進めていく。
「ワシは進化の必要がないのでな。今中を見てもなにも表示されてはおらんが、一部の魔物以外は条件を満たすとこれで上位の個体に進化させることが出来る。」
「一部?ってことはこっちの操作が必要なくても進化するモンスターがいるってことか?」
「そうじゃなぁ……。条件が必要ではあるが蟲種や亜人種なんかではあるが。それは自分で見ると良い、さっさと次へ行くぞ。」
なんとなくこういうゲームで操作が必要なさそうな進化というと思いつくのは確かにそうだが、主に条件があっち系のイメージしか浮かばないぞ……。
ミズホ自体もこの話題についてはあまり好きではないらしく、さっさと先に進めてしまった。
「とは言うても他は特に説明もあるまい。履歴については召喚した魔物の履歴、一覧は自分が召喚し外で活動している魔物の一覧が並んでおる。」
本当に簡単な説明だなぁ、
一応中を確認して見るとどちらも中には[言ノ葉を遣いし者]という名前だけが表示されている
「うむ、後ワシの能力を確認したければ一覧から能力を確認することが出来るでな、見てみると良いぞ。」
「ワタシにもお願いします。見せてください」
シーラも見たかったのか、こっちの反応を見るまでもなく確認してくる。
とはいえ、俺も断る理由もなかったので携帯を覗きこむのを止めはせず操作を進め、ミズホのデータを確認して行く。
名称:言ノ葉を遣いし者
レベル:1
Health:179
MANA:73
AD:32
AR:49
AP:77
MR:64
スキル:言霊
「えっ、これだけ……?」
なにか途轍もない能力やパラメータを持っていてさっきのモンスターを倒したんだと思ったがそうでもなさそうで、シーラの方も首を傾げている。
「レベル1では確かに魔力方面での能力は高くありますが、特殊スキルを持った上位個体程度ですね。ですが原始の蜥蜴竜は……」
のはずだが、実際に倒しているし能力値以上の力も感じる。
ふと、後ろから視線を感じると背後でミズホがニヤニヤと笑みを浮かべていた。
「クククッ、なんでじゃろうなぁ……。主殿、スキルで見たい効果を長押しすると詳細が見れるぞ。」
言霊:このスキルを持った者の"言葉"は事実となる。
効果範囲はレベルに依存する。
効果時間はレベルに依存する。
レベルアップ時のAP上昇値にボーナスを与える。
契約主、同盟者に対して効果は無効となる。
事象に作用するが、運命に対しては作用しない。
発動権はスキルの所持者にのみ与えられる。
「え、なにこれチート?」
「言葉が真実に…、原始の蜥蜴竜を倒したのはこの能力ということですか。」
確かに、なにか起きる前に彼女は一言二言話してから行動してたとは思うがそんな意味があるとは思わなかった。
「話終わった~?そろそろお腹空いたんだけどー」
色々と考えることは多いが横からさすがにそろそろ焦れて来たのか、シーシェが文句を垂れ始めた。
そういえば俺もここに来てからなにか食事した覚えがないな。
ミズホからの説明は一旦切り上げることにしてシーシェの言うとおりご飯を取ることにした……。
「ファンタジー」の人気作品
-
-
3万
-
4.9万
-
-
2.1万
-
7万
-
-
1.3万
-
2.2万
-
-
1.2万
-
4.8万
-
-
1万
-
2.3万
-
-
9,711
-
1.6万
-
-
9,545
-
1.1万
-
-
9,448
-
2.4万
-
-
9,173
-
2.3万
コメント