ヒーローライクヒール(リメイク連載中)
その2・キュリー様
[クロノ]
ヤシュールへと向かう馬車の中、
エリー「クロノさん、随分変わりましたね。」
クロノ「へっ?」
唐突に聞かれた。
クロノ「どういう意味です…?」
エリー「どうも何も、そのままの意味でですよ。この世界に来たばかりの頃とは随分変わりましたよ?」
クロノ「そうですかね…?自分じゃ全然変わった感じはしないですけど…」
エリー「いえ、変わってますよ?大分明るくなりました。」
クロノ「明るく…ですか…。」
エリー「えぇ。まぁ、ハゼットさんが言ってたことなんですけどね。」
クロノ「ハゼットさんか…」
エリーと色々話ながらヤシュールの町に到着。
アリアンテとほぼ同じくらいの大きさの町だ。
宿に荷物を置き、町で聞き込みを開始する。
エリー「その前に、お昼時ですから先にご飯を済ませましょう?」
というわけで、近くの食事処で昼飯にすることにした。
クロノ「どうやって聞き込みをするんです?」
運ばれてきた料理を食べながらエリーに聞く。
エリー「そうですね…やはり、その宗教の信者さんに協会の場所なんかを聞いてみて実際に赴く、というのが一番ですかね。」
クロノ「信者にねぇ…。」
エリー「シーラさんの話だと、ここ最近信者が増えてきたとのことですし、すぐに会えると思いますよ?」
(すぐにねぇ…)
周りを見渡す。
他の客達も普通の、何の変哲も無いただの人にしか見えない。
ふと、近くの席で食事をしていた2人組の男の会話が耳に入る。
男A「そろそろ1ヶ月かぁ…」
男B「何がだ?」
男A「前の生贄が出てから1ヶ月経ったってことだよ!」
男B「あぁ、もうそんなに経ったのか…」
男A「俺のところにもいつか来ちまうのかねぇ。」
男B「大丈夫だって、キュリー様が何とかしてくれる!」
男A「だな!キュリー様なら俺たちをお救いくださるだろう!」
クロノ「聞きました?」
エリー「えぇ。はっきりと。」
クロノ「ホントにすぐに会えちゃいましたね。」
エリー「話を聞いてきてくれませんか?」
クロノ「え、俺が?」
エリー「私、知らない人と話すの苦手で…」
俺だって苦手だよ。
席を立ち、男達の座る席に近づく。
クロノ「あのー、ちょっといいっすか?」
男A「ん?どうしました?」
クロノ「さっき、あなたらの会話が耳に入って…キュリー様ってなんです?」
男B「あんた達、旅の傭兵か何かか?それなら知らなくても仕方ないか。」
男A「キュリー様というのは、この町をお救いくださった英雄であると同時に、神様でもあるのです。」
クロノ「その神様ってのは、比喩とかではなく?」
男A「えぇ。文字通り、神の一柱なのです。」
クロノ「そのキュリー様は、どういう人なの?」
男B「キュリー様は人の心を作った神様なんだ。」
クロノ「人の心を作ったって…なんか他にもそういうのいたはずだけど、同業か何か?」
男A「メンターという神ですね。あんなのとは違います。キュリー様はあのようないるのかいないのかも分からない曖昧な方ではございません!キュリー様はしっかりと姿を現し、私たちをお救いくださったのです!」
姿を現した…か。
クロノ「救ったって何かしたの?」
男B「この町は悪魔に巣食われててな。今でさえ、毎月生贄が必要となっているが、キュリー様がこの町に来られる前までは、毎月どころか毎週ぐらいの頻度で4,5人もの人間が攫われてってたんだ。」
男A「そんな時、空からキュリー様が降臨なされたのです。キュリー様は私たちの悲劇を憐れみ、その力をもって悪魔の力を抑えてくださったのです。」
男B「だが、悪魔の力はあまりにも強力で、キュリー様といえど、封印には至らず、力を抑えるくらいまでにしかいかなかったのさ。それでも毎週4,5人の犠牲者が出る状況から助けてくださったんだ。」
クロノ「じゃあその生贄ってのは、どうやって選ばれるの?」
男A「生贄というのは私達人間が選んでるわけではないです。悪魔が定期的にこの町に自分の力を振り絞って人を攫っていくのです。私たちはそれを生贄と呼んでいるのです。」
なんだ、意外とマトモな感じではあるな。
『言ってることは』だが。
この2人の語り方がまさしく狂信者そのものというか、ぶっちゃけ目がイってる。
クロノ「そのキュリー様の宗教?の教会ってどこにあるの?」
男B「時計塔を少し行った先にあるんだが…」
男A「案内しましょうか?私たちもこの後教会に向かいますし。」
クロノ「そう?そいつはありがたい。じゃあとりあえず、食べ終わるまで待っとくよ。」
エリーの座っている席に戻って、聞いた内容を説明する。
エリー「あら?予想とは違ってマトモな宗教なのでは?」
クロノ「あんまり疑う必要もなかった気もするかな。」
とりあえずは、教会に行ってみることにしよう。
ヤシュールへと向かう馬車の中、
エリー「クロノさん、随分変わりましたね。」
クロノ「へっ?」
唐突に聞かれた。
クロノ「どういう意味です…?」
エリー「どうも何も、そのままの意味でですよ。この世界に来たばかりの頃とは随分変わりましたよ?」
クロノ「そうですかね…?自分じゃ全然変わった感じはしないですけど…」
エリー「いえ、変わってますよ?大分明るくなりました。」
クロノ「明るく…ですか…。」
エリー「えぇ。まぁ、ハゼットさんが言ってたことなんですけどね。」
クロノ「ハゼットさんか…」
エリーと色々話ながらヤシュールの町に到着。
アリアンテとほぼ同じくらいの大きさの町だ。
宿に荷物を置き、町で聞き込みを開始する。
エリー「その前に、お昼時ですから先にご飯を済ませましょう?」
というわけで、近くの食事処で昼飯にすることにした。
クロノ「どうやって聞き込みをするんです?」
運ばれてきた料理を食べながらエリーに聞く。
エリー「そうですね…やはり、その宗教の信者さんに協会の場所なんかを聞いてみて実際に赴く、というのが一番ですかね。」
クロノ「信者にねぇ…。」
エリー「シーラさんの話だと、ここ最近信者が増えてきたとのことですし、すぐに会えると思いますよ?」
(すぐにねぇ…)
周りを見渡す。
他の客達も普通の、何の変哲も無いただの人にしか見えない。
ふと、近くの席で食事をしていた2人組の男の会話が耳に入る。
男A「そろそろ1ヶ月かぁ…」
男B「何がだ?」
男A「前の生贄が出てから1ヶ月経ったってことだよ!」
男B「あぁ、もうそんなに経ったのか…」
男A「俺のところにもいつか来ちまうのかねぇ。」
男B「大丈夫だって、キュリー様が何とかしてくれる!」
男A「だな!キュリー様なら俺たちをお救いくださるだろう!」
クロノ「聞きました?」
エリー「えぇ。はっきりと。」
クロノ「ホントにすぐに会えちゃいましたね。」
エリー「話を聞いてきてくれませんか?」
クロノ「え、俺が?」
エリー「私、知らない人と話すの苦手で…」
俺だって苦手だよ。
席を立ち、男達の座る席に近づく。
クロノ「あのー、ちょっといいっすか?」
男A「ん?どうしました?」
クロノ「さっき、あなたらの会話が耳に入って…キュリー様ってなんです?」
男B「あんた達、旅の傭兵か何かか?それなら知らなくても仕方ないか。」
男A「キュリー様というのは、この町をお救いくださった英雄であると同時に、神様でもあるのです。」
クロノ「その神様ってのは、比喩とかではなく?」
男A「えぇ。文字通り、神の一柱なのです。」
クロノ「そのキュリー様は、どういう人なの?」
男B「キュリー様は人の心を作った神様なんだ。」
クロノ「人の心を作ったって…なんか他にもそういうのいたはずだけど、同業か何か?」
男A「メンターという神ですね。あんなのとは違います。キュリー様はあのようないるのかいないのかも分からない曖昧な方ではございません!キュリー様はしっかりと姿を現し、私たちをお救いくださったのです!」
姿を現した…か。
クロノ「救ったって何かしたの?」
男B「この町は悪魔に巣食われててな。今でさえ、毎月生贄が必要となっているが、キュリー様がこの町に来られる前までは、毎月どころか毎週ぐらいの頻度で4,5人もの人間が攫われてってたんだ。」
男A「そんな時、空からキュリー様が降臨なされたのです。キュリー様は私たちの悲劇を憐れみ、その力をもって悪魔の力を抑えてくださったのです。」
男B「だが、悪魔の力はあまりにも強力で、キュリー様といえど、封印には至らず、力を抑えるくらいまでにしかいかなかったのさ。それでも毎週4,5人の犠牲者が出る状況から助けてくださったんだ。」
クロノ「じゃあその生贄ってのは、どうやって選ばれるの?」
男A「生贄というのは私達人間が選んでるわけではないです。悪魔が定期的にこの町に自分の力を振り絞って人を攫っていくのです。私たちはそれを生贄と呼んでいるのです。」
なんだ、意外とマトモな感じではあるな。
『言ってることは』だが。
この2人の語り方がまさしく狂信者そのものというか、ぶっちゃけ目がイってる。
クロノ「そのキュリー様の宗教?の教会ってどこにあるの?」
男B「時計塔を少し行った先にあるんだが…」
男A「案内しましょうか?私たちもこの後教会に向かいますし。」
クロノ「そう?そいつはありがたい。じゃあとりあえず、食べ終わるまで待っとくよ。」
エリーの座っている席に戻って、聞いた内容を説明する。
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