ヒーローライクヒール(リメイク連載中)
その9・胡散臭い
[クロノ]
クロノ「そ~れ、宅急便だ!」
水面から高く飛び、抱えていたブランをフレアに向かって投げる。
フレア「クロノ‼︎ブラン‼︎」
ブラン「師匠直伝の奥義の1つ‼︎七星桜花・斬開落‼︎」
向かってくる触手に向かって手刀を振りかざす。
その勢いでクラーケンの肩の部分(多分そうだろう)に降りる。
体に降りて、時間差で手刀で切った触手がバラバラに千切れる。
フレア「すげぇ…。」
ブラン「師匠から教わった7つの技のうちの1つだよ。」
ブラン「7つ?」
クロノ「雑談は後‼︎触手来んぞ‼︎」
触手がこちらに向かって迫りかかる。
クロノ「よっと、ほっ、はっ」
触手を避けつつ斬る、避けつつ斬るを繰り返す。
フレア「こいつ、どんだけ触手あんだよ‼︎」
クロノ「確かに‼︎こんだけ来るのは‼︎おかしいな‼︎っと。」
ブラン「2人とも、あれ!」
言われた方を見る。
斬ったはずの触手から新しい触手が生えてきた。
クロノ「おいおい…これじゃあこっちはジリ貧だな…」
フレア「やっぱ本体を潰さなきゃだめってことか!」
ブラン「どうやって潰すの…?」
クロノ「…う~ん……」
考える暇もなく、次々と触手がやってくる。
クロノ「こいつの横顔は斬れないのか?」
フレア「むり!斬れはしたけど、すぐに治っちまう!」
迫る触手を切り裂く。
(ん?なんか微妙な手応えだな今の…)
斬った触手を見る。
やはり触手の中から新しい触手が…
(いや、中からじゃないな。外か?)
他から来た触手を斬る。
やはり中が生まれる前に外から皮だけが先に復活している。
それどころか、斬った部位の中身がなかった。
(皮しか復活していない?つまり、内部は…)
クロノ「面白い案が見つかったかもしれんぞ。」
フレア「面白い案?」
クロノ「ここ頼んだぞ‼︎」
肩からクラーケンの顔の前に向かって飛び降りる。
空中で触手で掴まれる。
(肉食なら口の中に入れるはず!)
触手はクラーケンの口に向かって自分を放り投げる。
口を大きく広げ、待ち構えている。
銃で風の魔力を撃ち、スピードを上げて口の中に突っ込む。
予想外の加速に口を閉じるタイミングが合わなかったようで、歯で押しつぶされる前に喉に入ることができた。
クロノ「よっし、うまくいったか。」
(食道から奥には行く気になれないな…。)
どうしようか悩んでいると、口の中の至る所から触手が生えてきた。
クロノ「こんなところまで生えてくんのかよ…」
だが外の触手に比べて、小さい。
口の中の天井に剣を突き刺す。
クラーケンが大きな雄叫びをあげる。
クロノ「やっぱ中か!」
剣を引き抜く。
(口の中斬っただけじゃああんま意味ないよな…)
やはり食道を通る必要があるか。
覚悟を決め、食道を降りる。
少し広い空間に降りてきた。
明らかにヤバい色の液体。
おそらく、胃だろう。
その辺には魔獣や人間の体の破片が転がっている。
(これが調査の時にやられた人らか。)
向こう側に通路のような物があるが、その途中に大きな胃酸の池がある。
(飛び越えても問題はないが…)
魔獣のヒレを胃酸につけてみる。
しゃぶしゃぶ感覚でつけ、取り出してみると、つけた部分が完全になくなっていた。
クロノ「酸が強いとかいう問題じゃねえだろこれ…」
酸を飛び越え、奥の通路を進む。
通路を少し進むと、明らかに人工の扉が肉壁に取り付けられていた。
クロノ「こりゃまた胡散臭い物に会っちまったな…」
扉には鍵がかかっているが、
クロノ「おぉら‼︎」
それを無視してぶち壊す。
中には梯子が肉壁についていた。かなり上まであるようだ。
クロノ「登ってみるか。」
梯子を登っている最中、突然クラーケンの体が大きく揺れる。
クロノ「なんだなんだ?」
大きな振動が伝わる。
クラーケンが何か苦しんでいるようにも感じる。
クロノ「ブランかフレア辺りがなんかやったのか?」
(切り裂くのではなく、衝撃なら中まで伝わるってことか。まぁ、中に入らないとこんな意味ありげな怪しいものも見つからなかったしな。)
梯子を登りきる。
中には肉壁に囲まれた巨大な広間。
その中心に何やらよくわからない巨大な宝石が肉のチューブのような物で繋がれている。
クロノ「なんなんだこれ。」
宝石に近づこうとすると、先ほどと同じように小さな触手が大量に現れ、邪魔をしてきた。
クロノ「嫌がってるってことは、当たりか。」
ゾンビ騒ぎで森の中で巨大な球根みたいな魔獣に出くわしたのを思い出す。
あの魔獣の後頭部辺りに穴が空いていた所をアクアに射抜いてもらったが、もしかしたらこれと同じものがあいつの中にあって、それを壊したことで倒せたのかもしれない。
(ってことは…)
銃で宝石を撃つ。
宝石は予想以上に固く、少し削れる程度だったが、体内が大きく揺れる。
(当たりだな‼︎)
触手が更に現れ、こちらに襲いかかってくる。
銃を組み合わせ、細長い筒状にする。
爆破の属性を込めた魔力の塊を次々と発射する。
ロケットランチャーというよりは、放射状に進んでいるのでグレネードランチャーだろうか。
(今度ロケランになるよう工夫してみよう。)
13回目のチャレンジで宝石が完全に壊れる。
クラーケンの今回1番大きな叫び声が鳴り響く。
(さて、ゆっくりしてる暇はないな。)
ここは海上。
浮かぶ力を持たなくなったクラーケンはやがて海に沈むだろう。
その前に脱出しなければ。
梯子を降りる。
上がるだけでも長かった梯子も、降りる時はやっぱり長い。
胃にたどり着くと、胃壁から大量の胃液が流れ、池から大量に胃酸が溢れ出ている。
体の表面に魔力でバリアを張り、胃酸に触れてみる。
触れただけで次々と魔力が使われていくのが分かる。
クロノ「さっさと渡ってしまおう。」
ところどころ飛びながら食道の真下にたどり着く。
剣を壁に刺し、登っていく。
真ん中辺りまで登った所で、上から大量の水が入ってくる。
(もう海水が⁉︎くそっ‼︎)
銃に魔力を流し、周りの酸素を吸い込む。そして袋状の魔力に包み、簡易の酸素ボンベを作る。
一瞬で食道が海水で埋まる。
(登りづらい‼︎耐えるので精一杯かよ‼︎)
魔力を全力で使い、流れに全力で対抗する。
なんとか口まで登りきる。
口の中も最早海水まみれだ。完全に海の中だろう。
口から出る。どうやらまだそんなに深い所まではいってないようだ。
上の方で1人泳いでいるのが見える。
海面にたどり着く。
数分ぶりの空気。
簡易の酸素ボンベがあったとはいえ、やはり生の空気は美味い。
クロノ「あぁ‼︎やっぱ生きてるってサイコー。」
フレア「クロノ、やっぱ生きてたか。」
さっき泳いでいたのはフレアだったようだ。腕で気絶したブランを抱えている。
クロノ「あれ?お前、泳げたの?」
フレア「多分あれだ。俺には火事場の馬鹿力というか…。ここぞで力を発揮するタイプの人間だってことなんだよ。」
クロノ「ブランはどうした?」
フレア「お前が食われた後に、ブランが思い切りやつの横顔を殴ったら触手がすごい暴れて邪魔してきてな。その一撃で気絶したんだ。」
クロノ「あぁ、あれはブランの衝撃だったのか。」
シーラ「ブランさぁん‼︎フレアさぁん‼︎クロノさぁん‼︎」
船が近くまで来た。
上からロープが降りてくる。
また登るのか…。もう気力残ってないよ…。
クロノ「そ~れ、宅急便だ!」
水面から高く飛び、抱えていたブランをフレアに向かって投げる。
フレア「クロノ‼︎ブラン‼︎」
ブラン「師匠直伝の奥義の1つ‼︎七星桜花・斬開落‼︎」
向かってくる触手に向かって手刀を振りかざす。
その勢いでクラーケンの肩の部分(多分そうだろう)に降りる。
体に降りて、時間差で手刀で切った触手がバラバラに千切れる。
フレア「すげぇ…。」
ブラン「師匠から教わった7つの技のうちの1つだよ。」
ブラン「7つ?」
クロノ「雑談は後‼︎触手来んぞ‼︎」
触手がこちらに向かって迫りかかる。
クロノ「よっと、ほっ、はっ」
触手を避けつつ斬る、避けつつ斬るを繰り返す。
フレア「こいつ、どんだけ触手あんだよ‼︎」
クロノ「確かに‼︎こんだけ来るのは‼︎おかしいな‼︎っと。」
ブラン「2人とも、あれ!」
言われた方を見る。
斬ったはずの触手から新しい触手が生えてきた。
クロノ「おいおい…これじゃあこっちはジリ貧だな…」
フレア「やっぱ本体を潰さなきゃだめってことか!」
ブラン「どうやって潰すの…?」
クロノ「…う~ん……」
考える暇もなく、次々と触手がやってくる。
クロノ「こいつの横顔は斬れないのか?」
フレア「むり!斬れはしたけど、すぐに治っちまう!」
迫る触手を切り裂く。
(ん?なんか微妙な手応えだな今の…)
斬った触手を見る。
やはり触手の中から新しい触手が…
(いや、中からじゃないな。外か?)
他から来た触手を斬る。
やはり中が生まれる前に外から皮だけが先に復活している。
それどころか、斬った部位の中身がなかった。
(皮しか復活していない?つまり、内部は…)
クロノ「面白い案が見つかったかもしれんぞ。」
フレア「面白い案?」
クロノ「ここ頼んだぞ‼︎」
肩からクラーケンの顔の前に向かって飛び降りる。
空中で触手で掴まれる。
(肉食なら口の中に入れるはず!)
触手はクラーケンの口に向かって自分を放り投げる。
口を大きく広げ、待ち構えている。
銃で風の魔力を撃ち、スピードを上げて口の中に突っ込む。
予想外の加速に口を閉じるタイミングが合わなかったようで、歯で押しつぶされる前に喉に入ることができた。
クロノ「よっし、うまくいったか。」
(食道から奥には行く気になれないな…。)
どうしようか悩んでいると、口の中の至る所から触手が生えてきた。
クロノ「こんなところまで生えてくんのかよ…」
だが外の触手に比べて、小さい。
口の中の天井に剣を突き刺す。
クラーケンが大きな雄叫びをあげる。
クロノ「やっぱ中か!」
剣を引き抜く。
(口の中斬っただけじゃああんま意味ないよな…)
やはり食道を通る必要があるか。
覚悟を決め、食道を降りる。
少し広い空間に降りてきた。
明らかにヤバい色の液体。
おそらく、胃だろう。
その辺には魔獣や人間の体の破片が転がっている。
(これが調査の時にやられた人らか。)
向こう側に通路のような物があるが、その途中に大きな胃酸の池がある。
(飛び越えても問題はないが…)
魔獣のヒレを胃酸につけてみる。
しゃぶしゃぶ感覚でつけ、取り出してみると、つけた部分が完全になくなっていた。
クロノ「酸が強いとかいう問題じゃねえだろこれ…」
酸を飛び越え、奥の通路を進む。
通路を少し進むと、明らかに人工の扉が肉壁に取り付けられていた。
クロノ「こりゃまた胡散臭い物に会っちまったな…」
扉には鍵がかかっているが、
クロノ「おぉら‼︎」
それを無視してぶち壊す。
中には梯子が肉壁についていた。かなり上まであるようだ。
クロノ「登ってみるか。」
梯子を登っている最中、突然クラーケンの体が大きく揺れる。
クロノ「なんだなんだ?」
大きな振動が伝わる。
クラーケンが何か苦しんでいるようにも感じる。
クロノ「ブランかフレア辺りがなんかやったのか?」
(切り裂くのではなく、衝撃なら中まで伝わるってことか。まぁ、中に入らないとこんな意味ありげな怪しいものも見つからなかったしな。)
梯子を登りきる。
中には肉壁に囲まれた巨大な広間。
その中心に何やらよくわからない巨大な宝石が肉のチューブのような物で繋がれている。
クロノ「なんなんだこれ。」
宝石に近づこうとすると、先ほどと同じように小さな触手が大量に現れ、邪魔をしてきた。
クロノ「嫌がってるってことは、当たりか。」
ゾンビ騒ぎで森の中で巨大な球根みたいな魔獣に出くわしたのを思い出す。
あの魔獣の後頭部辺りに穴が空いていた所をアクアに射抜いてもらったが、もしかしたらこれと同じものがあいつの中にあって、それを壊したことで倒せたのかもしれない。
(ってことは…)
銃で宝石を撃つ。
宝石は予想以上に固く、少し削れる程度だったが、体内が大きく揺れる。
(当たりだな‼︎)
触手が更に現れ、こちらに襲いかかってくる。
銃を組み合わせ、細長い筒状にする。
爆破の属性を込めた魔力の塊を次々と発射する。
ロケットランチャーというよりは、放射状に進んでいるのでグレネードランチャーだろうか。
(今度ロケランになるよう工夫してみよう。)
13回目のチャレンジで宝石が完全に壊れる。
クラーケンの今回1番大きな叫び声が鳴り響く。
(さて、ゆっくりしてる暇はないな。)
ここは海上。
浮かぶ力を持たなくなったクラーケンはやがて海に沈むだろう。
その前に脱出しなければ。
梯子を降りる。
上がるだけでも長かった梯子も、降りる時はやっぱり長い。
胃にたどり着くと、胃壁から大量の胃液が流れ、池から大量に胃酸が溢れ出ている。
体の表面に魔力でバリアを張り、胃酸に触れてみる。
触れただけで次々と魔力が使われていくのが分かる。
クロノ「さっさと渡ってしまおう。」
ところどころ飛びながら食道の真下にたどり着く。
剣を壁に刺し、登っていく。
真ん中辺りまで登った所で、上から大量の水が入ってくる。
(もう海水が⁉︎くそっ‼︎)
銃に魔力を流し、周りの酸素を吸い込む。そして袋状の魔力に包み、簡易の酸素ボンベを作る。
一瞬で食道が海水で埋まる。
(登りづらい‼︎耐えるので精一杯かよ‼︎)
魔力を全力で使い、流れに全力で対抗する。
なんとか口まで登りきる。
口の中も最早海水まみれだ。完全に海の中だろう。
口から出る。どうやらまだそんなに深い所まではいってないようだ。
上の方で1人泳いでいるのが見える。
海面にたどり着く。
数分ぶりの空気。
簡易の酸素ボンベがあったとはいえ、やはり生の空気は美味い。
クロノ「あぁ‼︎やっぱ生きてるってサイコー。」
フレア「クロノ、やっぱ生きてたか。」
さっき泳いでいたのはフレアだったようだ。腕で気絶したブランを抱えている。
クロノ「あれ?お前、泳げたの?」
フレア「多分あれだ。俺には火事場の馬鹿力というか…。ここぞで力を発揮するタイプの人間だってことなんだよ。」
クロノ「ブランはどうした?」
フレア「お前が食われた後に、ブランが思い切りやつの横顔を殴ったら触手がすごい暴れて邪魔してきてな。その一撃で気絶したんだ。」
クロノ「あぁ、あれはブランの衝撃だったのか。」
シーラ「ブランさぁん‼︎フレアさぁん‼︎クロノさぁん‼︎」
船が近くまで来た。
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また登るのか…。もう気力残ってないよ…。
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