ヒーローライクヒール(リメイク連載中)

手頃羊

その3・生きてる


[ハゼット]
サシュ・カレハという少女。見た目は顔色が悪い(悪すぎて真っ白だが)だけの普通の少女だが、おそらく感染している。しかし、それでも自我が残っている。
ハゼット「サシュか…。自分が今どうなっているか分かるか?」
サシュ「分からないです…。…でも、外にいるような魔獣と同じになっていってるんじゃないかって…。」
ハゼット「俺の友人にこういう現象に詳しいやつがいる。そいつが言うには、アレらは魔獣ではなく病気のようなものらしい。奴らに噛まれて少し時間が経つと奴らと同じになってしまう病原菌がいるんだそうだ。ああなってしまった奴らのことをゾンビと言う。お前はどこか噛まれたか?」
(見たところは噛まれたような跡は見当たらないが。)
サシュ「噛まれてはないです…けど…。」
ハゼット「けど?」
サシュ「ゾンビの人たちに襲われた時に助けてくれた人がいたんですけど、その人が私を掴んでたゾンビの頭をハンマーで殴った時に血がたくさん出て…少し…飲んじゃったんです…。」
クロノが体液が体に入っただけでも感染の可能性があると言っていた。
それが半分ゾンビの人間を生み出してしまったということか。
ハゼット「その助けてくれたって奴は?」
サシュ「そこに…。」
玄関の方を指差す。
(あぁ、さっきサシュが食べていた奴か…。)
ハゼット「俺と今玄関の方にいる連れはこの村に生存者がいないかを探りに来たんだが…今のところあんたしか見つかっていない。あと1軒調べてない家があるからそこを見たら一旦馬車に戻ろうと思う。ついてこれるか?」
サシュ「え?で、でも私…」
ハゼット「どうした?さっき怪我でもさせちまってたか?」
サシュ「そうじゃなくて…。私…こんな…ゾンビになってしまってるんですよ?ついて行けないです…。」
ハゼット「ついてきたいかきたくないかで言えば?」
サシュ「え?」
ハゼット「あんたがゾンビかどうかは関係ない。あんたが俺たちを襲いたいという気があるかないかだ。襲いたいってんなら俺はさすがにあんたを置いていくさ。だが襲ってしまうけどホントは襲いたくないって言うならついてこい。俺の友人に研究者がいてな。もしかしたら、そいつが何とかできるかもしれん。」
サシュ「あ…えっと…。」
ハゼット「どうしたい?」
サシュ「その…助かるかもしれないなら…。ゾンビになるのが止められなくても…人を襲ってしまうのがなくなるなら…迷惑かけてしまうかもですけど、助けてほしいです!」
ハゼット「よし、それなら助けてやろう。残りはあと1軒だ。それが終わったら、別行動してる仲間を待って俺が来た街に戻る。」

玄関に戻る。
エリー「ハゼットさん。終わりましたか。それで、どういう感じです?」
ハゼット「この子を一旦連れて帰る。そんでクロノとマキノに何とかできないか頼んでみようと思う。」
エリー「ハゼットさんならそういうと思ってました。…名前は?」
エリーがサシュの顔を覗き込む。
サシュ「サシュ……カレハです…。」
エリー「よろしくね、サシュさん。さぁ、行きましょう。」
玄関を出ようとすると、外で大きな音がする。
ドアを思い切り蹴破って開けたような音だ。
ハゼット「なんの音だ?エリー、サシュを頼む。」
サシュをエリーに預けて外に出る。

まだ調べていなかった最後の1軒の家から音がしていたようだ。
中からゾンビが一体出てくる。頭を抑えて苦しそうに歩いている。
普通のゾンビでも変な歩き方をしていたが、頭を抑えながら歩くというやつは初めてだ。
それに…
(なんだ…?なにか嫌な予感がする…。)
気のせいでなければ、ゾンビの筋肉が異常な動きをしている。
だんだん体がの一部が膨らんだり、へこんだりとしてきている。
ゾンビが大きな声で叫び空を仰ぐと、胸の辺りが裂け、中から、いったいその体のどこにそのサイズのものが入っていたんだというほどの大きさのゾンビが出てくる。
部屋の天井にまで届きそうな程の大きさで、物凄い筋肉だ。
ゾンビがこちらを向く。
猛スピードで走って来て顔面めがけてパンチを繰り出してくる。
なんとか横に避ける。
ゆっくりとこちらを向き直る。
フシュー、フシューと大きな吐息がする。
(まさか、進化形態か?厄介だな…。)
エリー「ハゼットさん‼︎」
ハゼット「サシュを連れて馬車に戻ってろ‼︎俺が何とかする‼︎」
普通のゾンビに比べパワーもスピードも桁違いだ。油断するとやられるかもしれんな。

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