ヒーローライクヒール(リメイク連載中)
その1・さらば愛しき元の世界
[クロノ]
1月1日
今日は正月である。
ニュースでは行方不明事件の遺族がどうだの、初詣の参拝者数がどうだのと言っているが、今の自分のニュースはそれどころではない。
せっかくのお正月をインフルエンザで過ごさなければならないのだ。まったく、今の俺なら神社で大凶を余裕で引けるかもしれん。
今行ったらインフルエンザテロになるだろうから行かんが…。
まぁ、時期が時期だし、かかってしまったものは仕方ない。病院にでも行ってくるしかないだろう。
とか考えながら家を出る。
そこそこ古めのアパート。家賃は他と比べてそこそこ安いし、なんだかんだで隣の音も気にならないし、こっちの音も隣には聞こえないようだし、実はいいところなんじゃないかと思える。
(インフルエンザで頭がボーッとしたまま自転車はさすがにヤバいし、歩きで行こう。)
とか思いながら部屋の鍵を閉めると、
???「玄野さん、マスクしてますけど、風邪ですか?」
不意に横から声をかけられる。ビックリしたぜ。
クロノ「あ、香坂さん、おはようございます。いや、ちょっと38度くらいの熱がね…。」
誰がどう見ても完全に熱である。
香坂さんというのは、自分の部屋の隣の人だ。
普通に美人だが、彼氏はいないらしい。
まぁ、オタク趣味があるのが原因の一つなんじゃなかろうか。
彼女の携帯には、いわゆるアキバ系の女の子のストラップがぶら下がっている。
分かる人には分かる類のやつだ。
ちなみに自分はすごくではないがよく分かるタイプの人間だ。彼女はオタク仲間である。もっともオタク系列の会話をしたことはない。
いや、仕方ないだろ。いきなり「このアニメ俺も知ってます!面白いですよね!」とか話しかけたら誰だって引くだろう。
そんなこんなでロクに会話をしたことはない。仲は別に悪くない。
香坂「あぁ~、時期ですかね~。」
クロノ「ね~…。ってわけで病院行ってきます…。」
香坂「気をつけてくださいね。」
はぁ…病院までの道のりが長い…。
たった15分しか歩いてないが、1時間くらいに感じる…。
キツイ…
色々頭の中でブツブツ呟いていたが、ふとポケットに手を入れてみると、財布を忘れていることに気づいた。財布だけじゃない。携帯やらなにやら、何も持たずに来てしまった。
さすがインフルエンザ、ここまで頭をボーッとさせるとは。
来た道を引きかえさなきゃならんのか…。
メンド…
そうやって人気のない道を戻る。
すると…
ブォォォォォンンンン
突然地面が紫色に光る。
(あぁ~、とうとう変なものが…ハハッ、マジワロス…)
笑えない状況だがこう思ってしまうのは性格のせいなんだろうか。
なんか足元に魔法陣的なものまで見えてきたし。
これ本格的にヤバいやつじゃね?主に俺の頭の中とか。
ふと後ろを振り返る。
これが俺にしか見えない幻覚だとして、こんな何もない場所で急に立ち止まる変な男がいるとか思われたくなかったが、誰もいなかった。
しかしまぁ、イヤな予感もしたので魔法陣から出ようとすると…
ちょうど魔法陣と同じくらいの大きさの穴が空いた。
自分はまだ魔法陣の上にいた。何が言いたいかというと…
落ちるしかないだろう。
クロノ「なんでやあああああああぁぁぁぁぁ‼︎………」
これを聞いたヤツはいたんだろうか。
できれば聞いてほしくはないなぁ…。
自分の叫び声を聞かれるのは恥ずかしい。
落ちながら、上の穴が閉じ、空が狭まっていくのが見えた。
(これ俺戻れんのかな…?)
はぁ…泣きそう…。
1月1日
今日は正月である。
ニュースでは行方不明事件の遺族がどうだの、初詣の参拝者数がどうだのと言っているが、今の自分のニュースはそれどころではない。
せっかくのお正月をインフルエンザで過ごさなければならないのだ。まったく、今の俺なら神社で大凶を余裕で引けるかもしれん。
今行ったらインフルエンザテロになるだろうから行かんが…。
まぁ、時期が時期だし、かかってしまったものは仕方ない。病院にでも行ってくるしかないだろう。
とか考えながら家を出る。
そこそこ古めのアパート。家賃は他と比べてそこそこ安いし、なんだかんだで隣の音も気にならないし、こっちの音も隣には聞こえないようだし、実はいいところなんじゃないかと思える。
(インフルエンザで頭がボーッとしたまま自転車はさすがにヤバいし、歩きで行こう。)
とか思いながら部屋の鍵を閉めると、
???「玄野さん、マスクしてますけど、風邪ですか?」
不意に横から声をかけられる。ビックリしたぜ。
クロノ「あ、香坂さん、おはようございます。いや、ちょっと38度くらいの熱がね…。」
誰がどう見ても完全に熱である。
香坂さんというのは、自分の部屋の隣の人だ。
普通に美人だが、彼氏はいないらしい。
まぁ、オタク趣味があるのが原因の一つなんじゃなかろうか。
彼女の携帯には、いわゆるアキバ系の女の子のストラップがぶら下がっている。
分かる人には分かる類のやつだ。
ちなみに自分はすごくではないがよく分かるタイプの人間だ。彼女はオタク仲間である。もっともオタク系列の会話をしたことはない。
いや、仕方ないだろ。いきなり「このアニメ俺も知ってます!面白いですよね!」とか話しかけたら誰だって引くだろう。
そんなこんなでロクに会話をしたことはない。仲は別に悪くない。
香坂「あぁ~、時期ですかね~。」
クロノ「ね~…。ってわけで病院行ってきます…。」
香坂「気をつけてくださいね。」
はぁ…病院までの道のりが長い…。
たった15分しか歩いてないが、1時間くらいに感じる…。
キツイ…
色々頭の中でブツブツ呟いていたが、ふとポケットに手を入れてみると、財布を忘れていることに気づいた。財布だけじゃない。携帯やらなにやら、何も持たずに来てしまった。
さすがインフルエンザ、ここまで頭をボーッとさせるとは。
来た道を引きかえさなきゃならんのか…。
メンド…
そうやって人気のない道を戻る。
すると…
ブォォォォォンンンン
突然地面が紫色に光る。
(あぁ~、とうとう変なものが…ハハッ、マジワロス…)
笑えない状況だがこう思ってしまうのは性格のせいなんだろうか。
なんか足元に魔法陣的なものまで見えてきたし。
これ本格的にヤバいやつじゃね?主に俺の頭の中とか。
ふと後ろを振り返る。
これが俺にしか見えない幻覚だとして、こんな何もない場所で急に立ち止まる変な男がいるとか思われたくなかったが、誰もいなかった。
しかしまぁ、イヤな予感もしたので魔法陣から出ようとすると…
ちょうど魔法陣と同じくらいの大きさの穴が空いた。
自分はまだ魔法陣の上にいた。何が言いたいかというと…
落ちるしかないだろう。
クロノ「なんでやあああああああぁぁぁぁぁ‼︎………」
これを聞いたヤツはいたんだろうか。
できれば聞いてほしくはないなぁ…。
自分の叫び声を聞かれるのは恥ずかしい。
落ちながら、上の穴が閉じ、空が狭まっていくのが見えた。
(これ俺戻れんのかな…?)
はぁ…泣きそう…。
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