引きこもりLv.999の国づくり! ―最強ステータスで世界統一します―
アリアンヌの部 【熾天使 VS 元熾天使】
――3:28――
「ふーん」
熾天使ミュウは鼻を掻きながら、つまらなそうに言った。
「アリアンヌ。あんたも変わんないのねぇ。そうやって馬鹿なとこ。どうあがいたってさ、ディストに適うわけないじゃんよ」
「……なんとでも言えばいいでしょう」
魔神アリアンヌは静かに目を閉じ、静かに熾天使ミュウを見据えた。
――こうして天使とまた闘うのは何百年ぶりだろう。
祈るしかあるまい。自身の実力が衰えていないことを。シュンたちには言っていないが、私だって元は熾天使と呼ばれていた。簡単に負ける気はない。
「……さて」
アリアンヌは前方に右腕を突き出した。
「……っ」
それだけでなにが起こるか察したのだろう、熾天使ミュウが戦闘の構えを取る。
「熾天使ミュウよ。いまはあなたが最高位の天使と呼ばれているようですね。……ですが、思い知らせて差し上げましょう。本当の実力者は誰であるかを!」
瞬間。
一陣の風が横凪ぎに発生した。
大樹の葉っぱたちがざわめくのと同時、アリアンヌの手元に巨大な槍が現れた。
超神槍――グングニル。
全体が血の色に染め上げられており、中心部には他者の命を吸い取る宝石がはめ込まれている。これを突き刺せば、物理攻撃力とはまた別に、相手のHPを吸収することができる。まさに神族にのみ使用が許される、最強の武器。
何百年ぶりに、アリアンヌはグングニルを握りしめた。
妙に手に馴染む。
グングニルも自身が振るわれることを待ち焦がれていたということか。
アリアンヌは背後の悪魔たちへ振り向いた。
「あなたたちは下がってなさい。熾天使は私が相手します」
言われて悪魔たちは大人しく下がっていく。彼らも察したのだろう。この戦いは自分たちの介入できる余地がないことを。
悪魔たちが引いたのを確認すると、アリアンヌはグングニルを横一文字に振り払った。
たったそれだけで強風が舞う。
大樹に止まっていた鳥たちが逃げ出していく。
「ひゃっほう! いいねー!」
強風に髪をなびかせながら、熾天使ミュウも武器を出現させていた。
ツイン・リー・アックス。
白銀の輝きを放ち、外見上は美しい二つの斧。だが、いったいその武器でどれだけの命を奪ってきたか。
アリアンヌも負けじとグングニルを構え、覇気を込めて怒声を発した。
「あなたはセリアを殺した。……許しません。絶対に!」
「あ、そう。ふーん」
ミュウは勝ち気な笑みを口の端に刻みむと、ひとつの斧をアリアンヌに向けた。
「それはどうでもいいけど? あんたのその《存在しないはずの身体》でいったいどれだけ戦えるか……楽しみだよ! さあ、かかっておいで!」
「ふーん」
熾天使ミュウは鼻を掻きながら、つまらなそうに言った。
「アリアンヌ。あんたも変わんないのねぇ。そうやって馬鹿なとこ。どうあがいたってさ、ディストに適うわけないじゃんよ」
「……なんとでも言えばいいでしょう」
魔神アリアンヌは静かに目を閉じ、静かに熾天使ミュウを見据えた。
――こうして天使とまた闘うのは何百年ぶりだろう。
祈るしかあるまい。自身の実力が衰えていないことを。シュンたちには言っていないが、私だって元は熾天使と呼ばれていた。簡単に負ける気はない。
「……さて」
アリアンヌは前方に右腕を突き出した。
「……っ」
それだけでなにが起こるか察したのだろう、熾天使ミュウが戦闘の構えを取る。
「熾天使ミュウよ。いまはあなたが最高位の天使と呼ばれているようですね。……ですが、思い知らせて差し上げましょう。本当の実力者は誰であるかを!」
瞬間。
一陣の風が横凪ぎに発生した。
大樹の葉っぱたちがざわめくのと同時、アリアンヌの手元に巨大な槍が現れた。
超神槍――グングニル。
全体が血の色に染め上げられており、中心部には他者の命を吸い取る宝石がはめ込まれている。これを突き刺せば、物理攻撃力とはまた別に、相手のHPを吸収することができる。まさに神族にのみ使用が許される、最強の武器。
何百年ぶりに、アリアンヌはグングニルを握りしめた。
妙に手に馴染む。
グングニルも自身が振るわれることを待ち焦がれていたということか。
アリアンヌは背後の悪魔たちへ振り向いた。
「あなたたちは下がってなさい。熾天使は私が相手します」
言われて悪魔たちは大人しく下がっていく。彼らも察したのだろう。この戦いは自分たちの介入できる余地がないことを。
悪魔たちが引いたのを確認すると、アリアンヌはグングニルを横一文字に振り払った。
たったそれだけで強風が舞う。
大樹に止まっていた鳥たちが逃げ出していく。
「ひゃっほう! いいねー!」
強風に髪をなびかせながら、熾天使ミュウも武器を出現させていた。
ツイン・リー・アックス。
白銀の輝きを放ち、外見上は美しい二つの斧。だが、いったいその武器でどれだけの命を奪ってきたか。
アリアンヌも負けじとグングニルを構え、覇気を込めて怒声を発した。
「あなたはセリアを殺した。……許しません。絶対に!」
「あ、そう。ふーん」
ミュウは勝ち気な笑みを口の端に刻みむと、ひとつの斧をアリアンヌに向けた。
「それはどうでもいいけど? あんたのその《存在しないはずの身体》でいったいどれだけ戦えるか……楽しみだよ! さあ、かかっておいで!」
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