引きこもりLv.999の国づくり! ―最強ステータスで世界統一します―
一回戦 3
攻防一体。まさしくその通りだ。
ウォーター・ベール。
あれをただの水と侮ってはならない。魔法攻撃力により、極限まで殺傷力が高められている。とめどない水流に巻き込まれたが最後、すっぽりとHPが削られてしまうだろう。
トルフィンは小さく舌打ちをかました。
できればこちらから剣の攻撃を仕掛けたかった。魔法の撃ち合いになれば、相手のほうが経験豊富な分、どうしてもこちらが不利になる。
レクスがウォーター・ベールを張ったことで、トルフィンから剣撃を浴びせることはできなくなった。相手もそれを見越して水の壁を発動させたのだろう。
さすがセレスティアの護衛を勤めているだけのことはある。予選の連中とは明らかに一線を画している。
だが――
トルフィンはさっと右腕を突き出すと、魔法の構えを取った。剣が無理ならこちらで対抗するまでだ。
「ほう……?」
レクスがぴくりと眉を動かした。
「魔法で私と戦う気ですか。面白い……」
トルフィンの魔法の経験は浅い。たまにレイア先生に指導してもらっていただけに過ぎない。魔術の力で王族を守り抜いてきたレクスとは、住む世界が違う。
でも、それだけじゃない。トルフィンには、他の者にはない力がある――
「はっ!」
トルフィンの片手から、一筋の雷が放たれた。目映いばかりの閃光が迸ったあと、遅れてゴォン! という轟音が発生する。
「なっ……、この威力はッ……!」
レクスが目を見開いて退散しようとするも、間に合わなかった。
白雷が勢いよくウォーター・ベールに直撃する。
長年魔法の鍛錬を積んできたレクスだが、トルフィンには適わない要素がひとつ存在した。
それはステータスの差。
地道にコツコツ練習するよりも、引きこもって効率的にレベルアップしたほうが強くなる。
トルフィンからしてみれば不条理きわまりないが、それがこの世界の不文律。
シュウウ……と煙をのぼらせながら、レクスの周囲から水の壁が消え失せる。
――いまだ!
トルフィンは猛然と対戦者に向けて疾駆した。その勢いのまま抜刀し、レクスの胴体を切り裂く。
「しまっ……!」
両手を突き出し、レクスが慌てて反撃しようとする。
だが、この隙を逃すトルフィンではなかった。
トルフィンは気合いの発声とともに、次々と斬撃を放っていく。
懐に入ってしまえばもうこちらのものだった。
トドメに放った一撃によって、レクスは場外に吹き飛んでいった。
ウォーター・ベール。
あれをただの水と侮ってはならない。魔法攻撃力により、極限まで殺傷力が高められている。とめどない水流に巻き込まれたが最後、すっぽりとHPが削られてしまうだろう。
トルフィンは小さく舌打ちをかました。
できればこちらから剣の攻撃を仕掛けたかった。魔法の撃ち合いになれば、相手のほうが経験豊富な分、どうしてもこちらが不利になる。
レクスがウォーター・ベールを張ったことで、トルフィンから剣撃を浴びせることはできなくなった。相手もそれを見越して水の壁を発動させたのだろう。
さすがセレスティアの護衛を勤めているだけのことはある。予選の連中とは明らかに一線を画している。
だが――
トルフィンはさっと右腕を突き出すと、魔法の構えを取った。剣が無理ならこちらで対抗するまでだ。
「ほう……?」
レクスがぴくりと眉を動かした。
「魔法で私と戦う気ですか。面白い……」
トルフィンの魔法の経験は浅い。たまにレイア先生に指導してもらっていただけに過ぎない。魔術の力で王族を守り抜いてきたレクスとは、住む世界が違う。
でも、それだけじゃない。トルフィンには、他の者にはない力がある――
「はっ!」
トルフィンの片手から、一筋の雷が放たれた。目映いばかりの閃光が迸ったあと、遅れてゴォン! という轟音が発生する。
「なっ……、この威力はッ……!」
レクスが目を見開いて退散しようとするも、間に合わなかった。
白雷が勢いよくウォーター・ベールに直撃する。
長年魔法の鍛錬を積んできたレクスだが、トルフィンには適わない要素がひとつ存在した。
それはステータスの差。
地道にコツコツ練習するよりも、引きこもって効率的にレベルアップしたほうが強くなる。
トルフィンからしてみれば不条理きわまりないが、それがこの世界の不文律。
シュウウ……と煙をのぼらせながら、レクスの周囲から水の壁が消え失せる。
――いまだ!
トルフィンは猛然と対戦者に向けて疾駆した。その勢いのまま抜刀し、レクスの胴体を切り裂く。
「しまっ……!」
両手を突き出し、レクスが慌てて反撃しようとする。
だが、この隙を逃すトルフィンではなかった。
トルフィンは気合いの発声とともに、次々と斬撃を放っていく。
懐に入ってしまえばもうこちらのものだった。
トドメに放った一撃によって、レクスは場外に吹き飛んでいった。
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