引きこもりLv.999の国づくり! ―最強ステータスで世界統一します―
最強の引きこもり軍団
ロニンはしばらく呆けたように立ち止まっていた。
血に染まった自身の剣。
息絶えて動かなくなった四天王。
それらをたっぷり数秒間眺めたあと、最後にシュンに目を向けた。
「これ……私がやったの?」
「当然だ。俺はなんも手出ししていない」
肩を竦めて言うシュンだが、ロニンはまだ信じられなかった。
ーー三体もの四天王を、こんな一瞬で片づけるなんて。
以前のロニンであれば絶対にできなかったことだ。
というより、たとえ相手が一体でも勝てなかったと思う。
奴らはそれだけ戦闘能力に秀でているし、だからこそ魔王に《四天王》という役職を与えられたのだ。
なのに。
一体あたり一撃の攻撃で決着が着いたなんて。
この驚くべき事実を、そう簡単に受け入れられるはずもない。
「すげえだろ? これが《引きこもり》の真の実力ってやつだよ」
こつこつとロニンに歩み寄りながらシュンが言う。
「う……うん。すごい。すごいよお兄ちゃん!」
「はっ。自信がついたなら何よりだ」
シュンは小声でそれだけ呟くと、決然と言い放った。
「さあ、いこうぜ。おまえの強さを魔王に見せつけてやれ!」
「うん!」
こうして二人は、魔王城の最上階へと突き進むのであった。
★
「な、なぜ……」
四天王がひとり、グリズオウが息も切れ切れに囁く。
「なぜ、俺の攻撃が当たらないのだ!」
なおも喚き散らしながら、太い腕を次々とディストに打ち下ろしていく。
だが、ディストにはまるで当たらない。ひょいひょいと華麗にかわされるまま、かすりもしない。
「ふん。でかい口を叩いておいて、結局はこの程度か」
繰り返される殴打を避けながら、ディストが余裕の表情で言う。
実際にも、ディストにとってグリズオウの攻撃は鈍重そのものだった。
初めは手加減されているのだと思っていた。
だが、どうもそうではないらしい。グリズオウは本気の攻撃を繰り出しており、その上でディストに避けられている。
ーー俺自身も驚いているよ。
村人による《引きこもりの修行》が、ここまで成果をあげるとはな。
「さて、そろそろ飽きたな」
言うなり、ディストは右手を力一杯握りしめ。
グリズオウの左胸に向けて、勢いよく拳を打ち付けた。
たったそれだけの攻撃で、周囲に突風が舞う。
「かはっ……」
グリズオウは一瞬だけ激しく表情を歪めると。
そのまま地面に崩れ落ち、周辺に地響きを轟かせた。
一撃か……?
ディストは倒れたグリズオウを見下ろしてみる。
だが動き出す気配はまったくない。本当に絶命してしまったようだ。
「素晴らしいな……この力」
新しく攻め込んできた敵兵を見つめながら、ディストはひとり、呟いた。
血に染まった自身の剣。
息絶えて動かなくなった四天王。
それらをたっぷり数秒間眺めたあと、最後にシュンに目を向けた。
「これ……私がやったの?」
「当然だ。俺はなんも手出ししていない」
肩を竦めて言うシュンだが、ロニンはまだ信じられなかった。
ーー三体もの四天王を、こんな一瞬で片づけるなんて。
以前のロニンであれば絶対にできなかったことだ。
というより、たとえ相手が一体でも勝てなかったと思う。
奴らはそれだけ戦闘能力に秀でているし、だからこそ魔王に《四天王》という役職を与えられたのだ。
なのに。
一体あたり一撃の攻撃で決着が着いたなんて。
この驚くべき事実を、そう簡単に受け入れられるはずもない。
「すげえだろ? これが《引きこもり》の真の実力ってやつだよ」
こつこつとロニンに歩み寄りながらシュンが言う。
「う……うん。すごい。すごいよお兄ちゃん!」
「はっ。自信がついたなら何よりだ」
シュンは小声でそれだけ呟くと、決然と言い放った。
「さあ、いこうぜ。おまえの強さを魔王に見せつけてやれ!」
「うん!」
こうして二人は、魔王城の最上階へと突き進むのであった。
★
「な、なぜ……」
四天王がひとり、グリズオウが息も切れ切れに囁く。
「なぜ、俺の攻撃が当たらないのだ!」
なおも喚き散らしながら、太い腕を次々とディストに打ち下ろしていく。
だが、ディストにはまるで当たらない。ひょいひょいと華麗にかわされるまま、かすりもしない。
「ふん。でかい口を叩いておいて、結局はこの程度か」
繰り返される殴打を避けながら、ディストが余裕の表情で言う。
実際にも、ディストにとってグリズオウの攻撃は鈍重そのものだった。
初めは手加減されているのだと思っていた。
だが、どうもそうではないらしい。グリズオウは本気の攻撃を繰り出しており、その上でディストに避けられている。
ーー俺自身も驚いているよ。
村人による《引きこもりの修行》が、ここまで成果をあげるとはな。
「さて、そろそろ飽きたな」
言うなり、ディストは右手を力一杯握りしめ。
グリズオウの左胸に向けて、勢いよく拳を打ち付けた。
たったそれだけの攻撃で、周囲に突風が舞う。
「かはっ……」
グリズオウは一瞬だけ激しく表情を歪めると。
そのまま地面に崩れ落ち、周辺に地響きを轟かせた。
一撃か……?
ディストは倒れたグリズオウを見下ろしてみる。
だが動き出す気配はまったくない。本当に絶命してしまったようだ。
「素晴らしいな……この力」
新しく攻め込んできた敵兵を見つめながら、ディストはひとり、呟いた。
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