また会いましょう、また会いましょう

ノベルバユーザー173744

また会いましょう、また会いましょう

自己逃避……自分を拒否、自分のことは必要がないのだといつも自分を責める。
いつもいつも、自分はいらないのだと自分を思う。



あぁ、生きていて御免なさい。
生まれてきて御免なさい。
そして、願い続けて御免なさい。



あぁ、何で私は生きているのだろう……。
何で、一人なんだろう……。
何で大事な友人を哀しめるんだろう……。
ごめんなさい、御免なさい……。



最近日付はわからない。
病院に行く日と、行かない日。
それしか解らない。
ひとの名前は覚えられない。
もういいやと思う。



待っているのは、家族からの連絡……。
妹も、父も、弟も、母もくれるようになった。
妹は私の支えであり、愛おしい存在。
いくら人は解り合えなくても、それでも妹は、私の大事な存在。
弟も父も母も……支えてくれるようになった。



でも、父の一言が、私を追い詰めた。
「あいつは言うことを聞かんし、話しても、自分の非を認めようとせん。諦めろ。お前の方から謝れ」
「……」



あいつとは兄貴である。
顔だけは良いがはっきり言って根性悪である。
一言言うが、大嫌いだ!! 
お金をたかり、この間は珍しく、
「お前と飲みにいこうや。おごってやるけん」
「えぇ!」
本当に珍しく、けちの兄が飲み会に連れていってくれると言う。
「本当!?奢ってくれるの?嬉しい!!」
素直に喜んだ。
「まぁ、泊めてもやるけん、荷物もって来いや。時間は、駅をこの時間に着くようにしとけや。じゃぁな。日曜日に」
電話がきれたとき、嬉しかった。
「やったぁ!!お酒、お酒~!!元は絶対にとってやる!!私の肝臓の丈夫さを甘く見んなよ~( 〃▽〃)」
と、準備を始める。
荷物持ちである。
子供たちと、着替えでぎっちりの荷物と、財布や禅の本を入れた学生が良くかけているバッグに、兄たちのための日用品……。よたよたしながら歩いて10分の駅につく。
それから電車に乗り、一度乗り換えて兄の家に近い駅に待つ。



それから、しばらくして兄と甥姪が来た。
「何ぞ?その荷物」
「おみやげ物」



甥姪におもちゃ、兄嫁の姪にお菓子や兄嫁の両親にお包み……それと兄にはトイレットペーパーに、ティッシュペーパーに洗剤を渡す。
「おぉ、ありがとう」
その一言で兄は当然のように持っていく。
その上、
「おい、飲み会代は4500円だぞ出せよ」
「えっ?何で?そんなのきいてないよ?払ってくれるって……」
「つーちゃん来るけんの。そっちに払うことにした。お前金もっとろが。出せよ」
愕然とする。
つーちゃんとは兄嫁の一番したの妹である。
何で?あんなに約束したのに!?どうして!?
「もう少ししたら戻って来るけんの」
言いながら、兄嫁が戻ってきた。
こちらは、頭のなかで財布の中のお金を計算しながら、この間購入したばかりの時計をセットしている。
小さくて、ピンクのチョッパーの柄の可愛いミニ時計。
必死にうごかしつつ、兄嫁と話しつつ、動き始めた時計にほっとして、お手洗いを行って戻ってくると兄嫁は当たり前のように飾っていた。



あぁ、私のものは、兄たちには自分のものなんだなと……確信した。
その後、飲み会に行くときも電車代は自腹で、飲み会代は自腹……たかるくせに、返してくれない……あぁ、私は、兄一家にとって、家族にとって、金を出すものなんだと……。



薬を飲んだ……。
一度飲んだあと、一月……兄たちを待ちたかった。
でも、兄は、電話ひとつも来なかったし、メールもなかった。
心残りが多すぎて……三國志を完結させたくて、生きていた。



でも、心残りは、テディベア。
姪には、兄嫁には絶対にあげない!!
今までたかっておいて、今さら私のものをとるのなら、根性も性格も図々しい!!
兄も何にもやらない!!
私のぬいぐるみは、友人の子供たちに譲る!!
妹に、お願いした。
前回は死ねなかったので、今度こそ……死にたかった。



父が、
「親よりも先に死んでくれるな……」
と嘆いた。
「兄ちゃんがいるじゃん。私は金づるだもん、もう金もないし、いらんでしょう。だから捨てたんでしょ?要らないよ。墓にも入らないし、兄ちゃんたちに葬式来るな!!って言っといて!!病院に来ることもない癖に、兄なのんなや!!うちは絶対に許さん!!絶対に許さん!!私が死んだら喜んでくれって言っといて!!」
?と告げると、
「お前……そんだけ傷ついとったんか……」
父は哀しげに呟く。



苦しい……
悲しい……
寂しい……
夢を見続けたい……
昏睡状態でもいい、植物人間になったら、兄が働いてくれと心底願う。
絶対に、ぬいぐるみとテディベアは私の心。
私の子供……
あげない……。
姪には絶対にあげない!!
絶対に兄たちには会わない……。



さようなら。もう兄は私にはいない。

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