夢の中に堕ちていく事を望む
夢の中に堕ちていく事を望む
最近、感情の起伏が激しく、元々病弱な体質もあり、泣きじゃくると熱を出す。
悪いのは私……そう分かっていても、馬鹿な私は愚かな夢を見る。
これだけ……皆を愛している。
これだけの気持ちを持っている。
だから、ほんの僅かでいい……欠片でもいい、言葉でもいい、
「お前自身が必要だ」
「お前が大好きだよ」
その言葉が欲しかった……。
必死に、働いても働いても、得たものは全て借金返済と、支払いに消え、もう何シーズンも着ているくたびれたシャツで仕事に行っていた私に、友人が、
「刹那さんは、黒ばっかり、駄目ですよ。私のお古でごめんなさい。引っ越しするとき、捨てるつもりなんですけど、もらってください」
と紙袋ぎゅうぎゅうに二つも洋服をくれた。
しかも、彼女にはよく似合うだろう、黒と白のチェックのミニスカートまでくれた。
「何言ってるの!?わぁ、このおばさんにミニスカート……ものすごくプレッシャーだよ~アハハ(^。^;)」
笑うと、美少女の彼女は優しく笑って、
「そんな風に笑うと、私のお姉さんですね。そんなに年じゃないでしょう。それに年は、気持ちが取ると、顔に出るんですよ。刹那さんは顔が童顔ですもん。自分は若いって思っている証拠ですよ」
その言葉に、ポッと胸に明かりが点る。
「じゃぁ、頑張って、ミニスカートと合わせてこんな感じでどうかな?この、大きなネックレス、イヤリングもいいと思うんだけど?」
「わぁ、いいじゃないですか!!それでライブにいきましょうね!!コートもあげたいんですけど、ないんですよね……ライブ前にアウトレットパークにいくので、そこで選びましょうよ~」
女の子のお洒落……それも夢だった。
でも、夢を叶える時はすぐに過ぎ、現実が待っている。
今日も、電話がかかった。
「いい加減、お支払いただけませんか?」
「すみません!!」
昔から聞きなれている言葉。
言い訳をするよりも正直に、
「年末年始の、やりくりを失敗しました。20日にお金が入りますので、その日に必ずお支払します。申し訳ありません!!」
「どうして失敗するんですか」
そこまで聞くか……と思いつつ、こちらも嘘をついては堂々巡りどころか面倒だと、正直に、
「冠婚葬祭の会社ともめています」
「はぁ!?」
電話の向こうですっとんきょう……と言うよりも想像をしていなかった言葉だったらしく、声が上がる。
「最初、冠婚葬祭の会館に見に行って、何かのためにと積立てを考えたのですが、担当の営業の方が、ちゃんと引き落としの手続きを銀行振込にしているのに来るんです」
「は、はぁ……」
「昨日、いませんでしたよねとか、ドライブどうでしょう?お食事にいきませんか?って、仕事中にあり得ますか?」
自分は冷静に言う。
自分もコールセンターの窓口でクレーム対応係担当だったのだ。
それくらい、幾つも情報を……相手の気を引くネタは持っている……と言うよりも、現実なので仕方ない。
「で、本社に電話を掛けて、『そういう行為は止めてくれ』、そして『もう、信用できない。止めたい』と言うと、『キャンセル料がかかるのでご返金できません』と言われて、『どうしてですか!?私が悪いんですか!?そのドライブに付き合ったらよかったんですか!?』となりまして、今もめてます。20日に別のお金が振り込まれます。そちらで必ずお支払しますので待っていてください。本当にこちらが悪いのは解っているんですが、別の問題で揉めていて、こちらを忘れていたのではなくて……向こうが、キャンセル料がと言っているのに、又引き落としをしてしまったんです。すみませんでした。本当にこちらが悪いです。ですので、もう少し待ってくださいませんか……お願いします」
いくら、コールセンターの窓口でクレーム対応をしていたとはいえ、他の問題を話してまで謝罪する恥ずかしさに、本気で涙がこぼれる。
何で、いつもいつも……私は、そんなに遊び相手としか見られないのか……髪を切り、少年風の格好で、でも、テディベアはだっこしていないと歩けない人間を、どう思っているのか……悔しさと恥ずかしさと、情けなさに、鼻声になる。
「申し訳……ありません。どうか、よろしくお願いします……」
「わ、解りました。遅くなりましたら、別担当が……」
「はい。解っています。よろしくお願いします……」
電話が切れ、鼻をすする。
うそ泣きは、昔殴られたので、もう二度としない。
本気で泣くしか出来ないのだ。
涙をぬぐい、だっこしていたユエリャンを確認する。
大丈夫、ユエリャンは濡れてない。
私の涙で穢れることはない。
私の夢を、金銭などと言うもので穢してはならないのだ。
電話を定位置に戻し、涙を拭くと、周囲を見回し、
「はーい!!皆。着せ替えでーす。お母さんが着せ替えするから、順番に待ってること!!喧嘩しないんだよ~?順番。着たいロンパースがあったら言うんだよ~」
返事はない。当然だ。私の子供は皆ぬいぐるみでテディベアだからである。
「今日は、じいちゃんが来るけんねぇ……かくれんぼしておくんだよ?」
父は私が現実逃避することは納得している。
現実でひどく苦しむ私を知っていたからだ。
弱っていく娘に、食べることも拒否する娘を必死に現実に留めようとしてくれた。
しかし、父は娘のぬいぐるみ収集癖だけは断固として納得していない。
かくれんぼしている、段ボール3箱分の息子たちがばれては速攻で処分である。
先日は必死に、号泣する私が、
「やだぁ!!私の、私の……わぁぁぁん。私の、キティちゃんはいいけど、バリィさんは返して~!!わぁぁん!!それに、その子、シュタイフの、私が欲しかった……エリオット……びぇぇぇぇ~!!」
余りの泣きじゃくりように、父も困ったのか、
「解った……その、…ゆたいふ?と言うのはいい」
「違う!!シュタイフ!!ドイツのテディベアメーカー!!最初のテディベアが残されている、世界屈指の……」
「あぁ、解った解った。お前は、凝り始めると、他をみんけんの」
溜め息とぼやきに、鼻をかみながら、
「お父さんの盆栽大好き、畑仕事が一生の仕事!!と変わらんよ~だ!!うちは、お父さんはいっつも愚痴を言うときは、母さんに似とるって言うけど、本当は一番お父さん似なんはうちなんやけん!!」
「……頑固もな。じゃぁ、いらんぬいぐるみは捨てるかなんかせいよ?解ったか?」
「はーい」
「隠そうかな?とか顔に書いとるぞ!?絶対に減ってなかったら、お前のその、シュタイフとか言うのを……」
「うわぁぁん、やだぁぁ!!折角、折角……うぇぇぇ!!」
泣きじゃくり、大事なテディベアを必死で隠そうとする、私に、父は溜め息をついた。
多分、父は、私の幼児時代がなかったことを理解しているのだろう。
だから、昔のように、問答無用でぬいぐるみを捨てない。
昔は、捨てられても、従姉妹の家に持ち出されても泣かなかった。
今よりも無表情で、諦めていたような写真が多い。
そして最近は、びえびえと泣きじゃくっている。
友人がメールしてこないでと送られ、泣きじゃくりながら、
『ごめんなさい、ごめんなさい!!もう、気にさわること書かないし、送らないから、ごめんなさい……』
と送り、びーびー泣いている。
そして、そのまま熱を出してばたんきゅー……で、泣き寝入り。
起きて、メールを見て、再び泣きじゃくりながら、メールを返す。
病院にいくと、熱は37度だが真っ赤な顔の私に、点滴!!と走り回る看護師さんがいる。
平熱が35度の低体温なので、通常の人だと38度越えの高熱なのである。
ぼへーっとテディベアを抱いて座っている私に、同じ患者のおばさまが、
「せっちゃんは、頑張りすぎよ?もう、しばらく寝ときなさい」
これも週4日の日常だったりする。
悪いのは私……そう分かっていても、馬鹿な私は愚かな夢を見る。
これだけ……皆を愛している。
これだけの気持ちを持っている。
だから、ほんの僅かでいい……欠片でもいい、言葉でもいい、
「お前自身が必要だ」
「お前が大好きだよ」
その言葉が欲しかった……。
必死に、働いても働いても、得たものは全て借金返済と、支払いに消え、もう何シーズンも着ているくたびれたシャツで仕事に行っていた私に、友人が、
「刹那さんは、黒ばっかり、駄目ですよ。私のお古でごめんなさい。引っ越しするとき、捨てるつもりなんですけど、もらってください」
と紙袋ぎゅうぎゅうに二つも洋服をくれた。
しかも、彼女にはよく似合うだろう、黒と白のチェックのミニスカートまでくれた。
「何言ってるの!?わぁ、このおばさんにミニスカート……ものすごくプレッシャーだよ~アハハ(^。^;)」
笑うと、美少女の彼女は優しく笑って、
「そんな風に笑うと、私のお姉さんですね。そんなに年じゃないでしょう。それに年は、気持ちが取ると、顔に出るんですよ。刹那さんは顔が童顔ですもん。自分は若いって思っている証拠ですよ」
その言葉に、ポッと胸に明かりが点る。
「じゃぁ、頑張って、ミニスカートと合わせてこんな感じでどうかな?この、大きなネックレス、イヤリングもいいと思うんだけど?」
「わぁ、いいじゃないですか!!それでライブにいきましょうね!!コートもあげたいんですけど、ないんですよね……ライブ前にアウトレットパークにいくので、そこで選びましょうよ~」
女の子のお洒落……それも夢だった。
でも、夢を叶える時はすぐに過ぎ、現実が待っている。
今日も、電話がかかった。
「いい加減、お支払いただけませんか?」
「すみません!!」
昔から聞きなれている言葉。
言い訳をするよりも正直に、
「年末年始の、やりくりを失敗しました。20日にお金が入りますので、その日に必ずお支払します。申し訳ありません!!」
「どうして失敗するんですか」
そこまで聞くか……と思いつつ、こちらも嘘をついては堂々巡りどころか面倒だと、正直に、
「冠婚葬祭の会社ともめています」
「はぁ!?」
電話の向こうですっとんきょう……と言うよりも想像をしていなかった言葉だったらしく、声が上がる。
「最初、冠婚葬祭の会館に見に行って、何かのためにと積立てを考えたのですが、担当の営業の方が、ちゃんと引き落としの手続きを銀行振込にしているのに来るんです」
「は、はぁ……」
「昨日、いませんでしたよねとか、ドライブどうでしょう?お食事にいきませんか?って、仕事中にあり得ますか?」
自分は冷静に言う。
自分もコールセンターの窓口でクレーム対応係担当だったのだ。
それくらい、幾つも情報を……相手の気を引くネタは持っている……と言うよりも、現実なので仕方ない。
「で、本社に電話を掛けて、『そういう行為は止めてくれ』、そして『もう、信用できない。止めたい』と言うと、『キャンセル料がかかるのでご返金できません』と言われて、『どうしてですか!?私が悪いんですか!?そのドライブに付き合ったらよかったんですか!?』となりまして、今もめてます。20日に別のお金が振り込まれます。そちらで必ずお支払しますので待っていてください。本当にこちらが悪いのは解っているんですが、別の問題で揉めていて、こちらを忘れていたのではなくて……向こうが、キャンセル料がと言っているのに、又引き落としをしてしまったんです。すみませんでした。本当にこちらが悪いです。ですので、もう少し待ってくださいませんか……お願いします」
いくら、コールセンターの窓口でクレーム対応をしていたとはいえ、他の問題を話してまで謝罪する恥ずかしさに、本気で涙がこぼれる。
何で、いつもいつも……私は、そんなに遊び相手としか見られないのか……髪を切り、少年風の格好で、でも、テディベアはだっこしていないと歩けない人間を、どう思っているのか……悔しさと恥ずかしさと、情けなさに、鼻声になる。
「申し訳……ありません。どうか、よろしくお願いします……」
「わ、解りました。遅くなりましたら、別担当が……」
「はい。解っています。よろしくお願いします……」
電話が切れ、鼻をすする。
うそ泣きは、昔殴られたので、もう二度としない。
本気で泣くしか出来ないのだ。
涙をぬぐい、だっこしていたユエリャンを確認する。
大丈夫、ユエリャンは濡れてない。
私の涙で穢れることはない。
私の夢を、金銭などと言うもので穢してはならないのだ。
電話を定位置に戻し、涙を拭くと、周囲を見回し、
「はーい!!皆。着せ替えでーす。お母さんが着せ替えするから、順番に待ってること!!喧嘩しないんだよ~?順番。着たいロンパースがあったら言うんだよ~」
返事はない。当然だ。私の子供は皆ぬいぐるみでテディベアだからである。
「今日は、じいちゃんが来るけんねぇ……かくれんぼしておくんだよ?」
父は私が現実逃避することは納得している。
現実でひどく苦しむ私を知っていたからだ。
弱っていく娘に、食べることも拒否する娘を必死に現実に留めようとしてくれた。
しかし、父は娘のぬいぐるみ収集癖だけは断固として納得していない。
かくれんぼしている、段ボール3箱分の息子たちがばれては速攻で処分である。
先日は必死に、号泣する私が、
「やだぁ!!私の、私の……わぁぁぁん。私の、キティちゃんはいいけど、バリィさんは返して~!!わぁぁん!!それに、その子、シュタイフの、私が欲しかった……エリオット……びぇぇぇぇ~!!」
余りの泣きじゃくりように、父も困ったのか、
「解った……その、…ゆたいふ?と言うのはいい」
「違う!!シュタイフ!!ドイツのテディベアメーカー!!最初のテディベアが残されている、世界屈指の……」
「あぁ、解った解った。お前は、凝り始めると、他をみんけんの」
溜め息とぼやきに、鼻をかみながら、
「お父さんの盆栽大好き、畑仕事が一生の仕事!!と変わらんよ~だ!!うちは、お父さんはいっつも愚痴を言うときは、母さんに似とるって言うけど、本当は一番お父さん似なんはうちなんやけん!!」
「……頑固もな。じゃぁ、いらんぬいぐるみは捨てるかなんかせいよ?解ったか?」
「はーい」
「隠そうかな?とか顔に書いとるぞ!?絶対に減ってなかったら、お前のその、シュタイフとか言うのを……」
「うわぁぁん、やだぁぁ!!折角、折角……うぇぇぇ!!」
泣きじゃくり、大事なテディベアを必死で隠そうとする、私に、父は溜め息をついた。
多分、父は、私の幼児時代がなかったことを理解しているのだろう。
だから、昔のように、問答無用でぬいぐるみを捨てない。
昔は、捨てられても、従姉妹の家に持ち出されても泣かなかった。
今よりも無表情で、諦めていたような写真が多い。
そして最近は、びえびえと泣きじゃくっている。
友人がメールしてこないでと送られ、泣きじゃくりながら、
『ごめんなさい、ごめんなさい!!もう、気にさわること書かないし、送らないから、ごめんなさい……』
と送り、びーびー泣いている。
そして、そのまま熱を出してばたんきゅー……で、泣き寝入り。
起きて、メールを見て、再び泣きじゃくりながら、メールを返す。
病院にいくと、熱は37度だが真っ赤な顔の私に、点滴!!と走り回る看護師さんがいる。
平熱が35度の低体温なので、通常の人だと38度越えの高熱なのである。
ぼへーっとテディベアを抱いて座っている私に、同じ患者のおばさまが、
「せっちゃんは、頑張りすぎよ?もう、しばらく寝ときなさい」
これも週4日の日常だったりする。
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