今年のお正月
今年のお正月
新年の楽しみは、年賀状である。
友人たちから来る年賀状には、可愛い子供たちの写真があり、家族で写されているそれを見て嬉しくなる。
友人たちは子供のいない私に気を使って、『普通のにするね…』と言うが、逆に残念なので、
「ダメ~!!絶対、可愛い年賀状、頑張れ!!」
とエールを送っておく。
ともかく、自分の子供でないのだから逆に素直に子供たちを見られる。
それに、下世話な話だが、友人の家に行き、お年玉をあげるということもないのだ。
年賀状は宝物である。
しかし、今年の年賀状は、おぉぉ!!だった。
去年生まれた友人の娘ちゃんの写真に、私と妹は盛り上がる。
「ねぇちゃん!!美形!!美形だよ~!!」
「ほんとだねぇ…お母さんそっくりで」
「切れ長の整いすぎた感じのある美形!!絶対絶対、将来は…」
「オスカルさまかなぁ…」
呟く。
私はじかに見た事はなく、高校を卒業してから原作を読み、歴史年代を確認して、ここまで素晴らしい作品を書き上げた先生を尊敬しているのだが…。
「はぁ?姉ちゃん!!ふるー」
「良いじゃん。姉ちゃんはオペラも、宝塚も、大好きさ!!それに、何て言う気だったのよ、そっちは」
「人形劇の、貂蝉か、淑玲」
「やめてよ~!!そっちだって古い上に、ネタふるなら『レッドクリフ』の小喬さんか、尚香さまならともかく!!」
「おーい、ねーちゃんども、オタクネタやめねぇ?」
くちばしを挟む弟を締め上げ、
「オタクじゃないわ~!!あたしはマニア!!その上、だーれーが~どもだと~!?おらぁ!!育ててやった恩を忘れやがって~!!言い直せ!!でなければ…」
お酒を飲むときより、空腹の時や、自分の時間を邪魔されると特に弟を絞める。
今年は、大好きな箱根駅伝を見られないのは解っていたので、弟に録画を頼んだのだが往路も復路も忘れていたため怒り倍増である。
「ぎゃぁぁ!!姉貴、いえ、お姉さま!!お許しください!!で、ひなねぇ!!どこさわってんだ!!」
「うん?財布を抜いて~」
「ぎゃぁぁ!!すんません!!お姉さまがた、俺が悪ぅございました!!」
その声に、ヘッドロックをかましていた私と、財布の中身を確認していた妹は離れる。
「よし。むさ苦しいこれと遊ぶのも…ん?」
弟の目の前に年賀状がある。
女性の文字…。
「おぉ!?彼女から!?すごいじゃん!!」
「違うわ!!保険会社の担当だよ」
「あ、ほんとや…何々?『今年もよろしくお願いします、テレビの…』ぶぅぅ!!」
我慢しきれず吹き出し、ゲラゲラ笑った刹那に、妹と、弟が怪訝そうな顔をする。
「なんだよそれ!!笑うことか!!」
「あはははは…いやぁぁ!!すごいわぁ!!この人、めっちゃおもろ~。コアネタで…あはははは…!!」
 バンバンとテーブルを叩き、笑う私に、妹が抜き取った年賀状を読み上げる。
「…えっと?『○カ・コーラのエメマンのCMの山田孝之さんを見ると、刹那さん(本名、名字、弟のこと)を思い出します。今年もよろしくお願いします』これのどこが笑えるの?」
「俺も知らん」
そばにいた父も首をかしげるため、刹那はタブレットに登録している、コカ・○ーラのCMを見せる。
父に見せると、元々笑い上戸の父が悶絶…続いて妹にも見せると、滅多に笑わないと言うか表情を変えない妹が、お腹を抱えて笑う。
「なんなんで!?ムカつくんやけど…」
ムッとした顔の弟に、ひげ面の山田孝之さんのCMを見せる。
「は?これがどうしたんで?」
「ひげ面…あんたの方がむさ苦しいけど、これを思い出すんだって。山田さんかっこいいのに…あんたに似てるなんて可哀想…でも、あはははは~!!」
「笑うなや!!ねーちゃん!!俺を育てたんは姉ちゃんやろが!!」
「○コメ君には育てたけど、むさいおっさんには育ててない…けど、ツボ~!!めっちゃ今回の年賀状のなかでも、お笑い点が!!」
今年の初笑いは、弟宛の、年賀状だったということは言うまでもない。
下さった保険のお姉さんには心のなかにだけ座布団10枚差し上げます。
友人たちから来る年賀状には、可愛い子供たちの写真があり、家族で写されているそれを見て嬉しくなる。
友人たちは子供のいない私に気を使って、『普通のにするね…』と言うが、逆に残念なので、
「ダメ~!!絶対、可愛い年賀状、頑張れ!!」
とエールを送っておく。
ともかく、自分の子供でないのだから逆に素直に子供たちを見られる。
それに、下世話な話だが、友人の家に行き、お年玉をあげるということもないのだ。
年賀状は宝物である。
しかし、今年の年賀状は、おぉぉ!!だった。
去年生まれた友人の娘ちゃんの写真に、私と妹は盛り上がる。
「ねぇちゃん!!美形!!美形だよ~!!」
「ほんとだねぇ…お母さんそっくりで」
「切れ長の整いすぎた感じのある美形!!絶対絶対、将来は…」
「オスカルさまかなぁ…」
呟く。
私はじかに見た事はなく、高校を卒業してから原作を読み、歴史年代を確認して、ここまで素晴らしい作品を書き上げた先生を尊敬しているのだが…。
「はぁ?姉ちゃん!!ふるー」
「良いじゃん。姉ちゃんはオペラも、宝塚も、大好きさ!!それに、何て言う気だったのよ、そっちは」
「人形劇の、貂蝉か、淑玲」
「やめてよ~!!そっちだって古い上に、ネタふるなら『レッドクリフ』の小喬さんか、尚香さまならともかく!!」
「おーい、ねーちゃんども、オタクネタやめねぇ?」
くちばしを挟む弟を締め上げ、
「オタクじゃないわ~!!あたしはマニア!!その上、だーれーが~どもだと~!?おらぁ!!育ててやった恩を忘れやがって~!!言い直せ!!でなければ…」
お酒を飲むときより、空腹の時や、自分の時間を邪魔されると特に弟を絞める。
今年は、大好きな箱根駅伝を見られないのは解っていたので、弟に録画を頼んだのだが往路も復路も忘れていたため怒り倍増である。
「ぎゃぁぁ!!姉貴、いえ、お姉さま!!お許しください!!で、ひなねぇ!!どこさわってんだ!!」
「うん?財布を抜いて~」
「ぎゃぁぁ!!すんません!!お姉さまがた、俺が悪ぅございました!!」
その声に、ヘッドロックをかましていた私と、財布の中身を確認していた妹は離れる。
「よし。むさ苦しいこれと遊ぶのも…ん?」
弟の目の前に年賀状がある。
女性の文字…。
「おぉ!?彼女から!?すごいじゃん!!」
「違うわ!!保険会社の担当だよ」
「あ、ほんとや…何々?『今年もよろしくお願いします、テレビの…』ぶぅぅ!!」
我慢しきれず吹き出し、ゲラゲラ笑った刹那に、妹と、弟が怪訝そうな顔をする。
「なんだよそれ!!笑うことか!!」
「あはははは…いやぁぁ!!すごいわぁ!!この人、めっちゃおもろ~。コアネタで…あはははは…!!」
 バンバンとテーブルを叩き、笑う私に、妹が抜き取った年賀状を読み上げる。
「…えっと?『○カ・コーラのエメマンのCMの山田孝之さんを見ると、刹那さん(本名、名字、弟のこと)を思い出します。今年もよろしくお願いします』これのどこが笑えるの?」
「俺も知らん」
そばにいた父も首をかしげるため、刹那はタブレットに登録している、コカ・○ーラのCMを見せる。
父に見せると、元々笑い上戸の父が悶絶…続いて妹にも見せると、滅多に笑わないと言うか表情を変えない妹が、お腹を抱えて笑う。
「なんなんで!?ムカつくんやけど…」
ムッとした顔の弟に、ひげ面の山田孝之さんのCMを見せる。
「は?これがどうしたんで?」
「ひげ面…あんたの方がむさ苦しいけど、これを思い出すんだって。山田さんかっこいいのに…あんたに似てるなんて可哀想…でも、あはははは~!!」
「笑うなや!!ねーちゃん!!俺を育てたんは姉ちゃんやろが!!」
「○コメ君には育てたけど、むさいおっさんには育ててない…けど、ツボ~!!めっちゃ今回の年賀状のなかでも、お笑い点が!!」
今年の初笑いは、弟宛の、年賀状だったということは言うまでもない。
下さった保険のお姉さんには心のなかにだけ座布団10枚差し上げます。
「現代ドラマ」の人気作品
-
-
361
-
266
-
-
207
-
139
-
-
159
-
142
-
-
139
-
71
-
-
137
-
123
-
-
111
-
9
-
-
38
-
13
-
-
28
-
42
-
-
28
-
8
コメント