かみさま、殺してきました「テヘ♡」

なぁ~やん♡

地之治(3)伝説少女

「はぁ……」

天国と言えるだろう場所。
雲の上で、着物を着た女性が息を吐いた。白い息がふわりと舞って散っていく。
その後ろでは、膝をついて忠誠を誓っている男性。

そう、あれから五年が経ったのだ。
世界は今まで通り、全く同じことが何度も繰り返されている。
セルステアと坂ノ橋神奈は五歳になった。楽しそうに話している。
見ていて、ほほえましい。のかもしれない。

「これで、良かったんだ、良かったんだ」
「……」

女性は自分にそう問いかけ、自分でそう答えた。
男性は黙っている。
時だけが、淡々と過ぎていった。
こんなに、辛かったっけ――――――――――――――――?


伝説少女。
百年が過ぎ、女性と男性が生きたまま封印され、神々や悪魔がもう一度生まれたとき。
女性の名前はそうなって語り継がれた。

『伝説少女・彼女は命と引き換えにすべてを治め、今の幸せな世界を創りだした』

そしてこれが、百年後の天国、地獄界の教科書の中の一部である。

















『これはひとつのおとぎ話です。
ある村に合わない城に住んでいた少女がおりました。少女は神ととある少年を憎んでおりました。しかし、もう一人の少年に裏切られ、少女はもう一人の少年と神を殺してしまいました。
少年はそれでも彼女を否定しませんでした。
そんな彼女を見守るかのように四天王と呼ばれた四人の女性が現れました。
彼女らは少年と少女を補佐し、やがては壊れた世界を治めました。
しかし、彼女はあっていることをしていなかったのです。
本当は強制ではなく、ゆっくりと治めるべきものを、強制的にコントロールしてしまいました。
世界の平衡は壊れ、その世界はまた五百年後に、壊滅してしまったとさ。
おしまい、おしまい……』







――――――――――――かみさま、殺してきました。。。

『テヘっ♡』

(終)

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