かみさま、殺してきました「テヘ♡」

なぁ~やん♡

殺之神(3)完

「きましたね」「あぁ」
ナビの声を聴いて、れいじと坂ノ橋神奈がドアのほうに頭を向ける。セルステアは何も言わない。頭を抱えておびえている。
「あぁっぁ。ボクはどうしてっ……」
れいじがセルステアを眺める。
「大丈夫。きっとあの子はオレの方が憎み要素が強いと思う。」
それにもセルステアはおびえたままで、声が耳に入らないようだ。
「立て。覚悟を決めなさい。行くよ」
威厳のある坂ノ橋神奈の声に、やっと目が覚めたように立った。手と足は震えたままだ。
「やはり神奈様はすごいですね……」
それに坂ノ橋神奈は応えず、
「未来をさっき見たんだが、冥王が来るそうだ。だがそこで未来映像システムが何者かにかぎをかけられたようで、見ることができなくなった。しかし、冥王というと、私が死ぬことが確実になる。魔族四天王が全て来るそうだ。ルーナも今来ているし。……クリスタルは、もうとても強くなった。本人の知らないうちにもうルーナと同じくらいになっている。これは誰かの死亡は確定だな」
長い話を聞き終わったその時、

――――――――――――――――ガッシャ―――――――――ン!!!!!!

「こら、とまれ!」
「入るな!!!」
守護隊たちの叫びと攻撃をものともせず、二人は入ってきた。そこからサランも出てくる。
「ひょー!久しぶりに出た!気持ちいい――――」
{そんなこと言ってる場合じゃないって!}
ギャイギャイ無邪気に騒ぐ二人を裏にして、殺気のオーラを出しているクリスタル。
「外で……やろう」
声は怒りに満ち、必死に冷静を保とうとしている。
「れいじ、この子の目」
「あぁ、似ていますね」
「あの年の最強の殺し屋:ルーナに。」
坂ノ橋神奈の言葉にクリスタルが驚き、ルーナがはっとし、サランがもう知っているとでもいうような顔でルーナを見つめる。
クリスタルが振り返り、勝手に外に出る。それにゆっくりとみんながついてくる。
強い雨が降った。それは戦いの合図だった。
「はぁ~!」
大きなため息をついてから、決断をした。
自分の力にも限界がある。この中の誰でも殺すことはできる。ただ、ひとりだけだ。だから一番恨んでいる人を探す。セルステア。助けてくれたけど、ゆるさない。だってあいつを殺そうとすると、なぜか心が痛むんだよ。限界まで力を引き出し、セルステアを殺せ―――――――!
「はぁぁぁぁっぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁ!」
黒い霧のようなものがセルステアを突き刺す。
力が、魔力が流れ出すような不快な感覚。何かに締め付けられている感覚がする。

――――――――――ごめんなさい。そして、さようなら……。

いままで、ありがとう――――――――――――――――――――――!

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