天女×天姫×天使…天華統一
第23話 異変
カチカチカチと時計の秒針が時を刻む。
場には異様な緊張感が漂っていた。
どうしてこうなったんだ……
☆
姉ちゃんが風呂で気を失ってから、数分の時間が経った。何故かは分からないが、姉ちゃんの許容できるキャパがオーバーしたみたいだ。
全裸の気絶した姉ちゃんをどうにかこうにかして風呂場から移動し、アマとパールに手伝ってもらいながら(ほとんどやらせて)服を着せ、居間で姉ちゃんが回復するのを待った。
そして今、つい先程姉ちゃんが回復して、凍りつくような空気になったのは致し方ないことなのだろう。カチカチカチと妙に秒針の音が耳に障る。
なぜか、修羅場みたいになった空気の中でパールが勇気を振り絞り、小さく「よし」と呟き、この戦慄とした空気の中、第一声を上げた。
ちなみに、俺もアマもパールも姉ちゃんも何故か正座だ。真向かいに姉ちゃん1人、こっち側に3人という構図だ。
「お初にお目にかかります姉君殿。我はこの大和に身を捧げた者、パールヴァティーともう」
「身を捧げた!?」
パールが自己紹介と思われる言葉を全て言い切る前に、姉ちゃんが前のめりになり、言葉を遮った。
余談だが、姉ちゃんが前のめりになった瞬間、豊満な果実がたゆんたゆんと揺れ、その姉ちゃんに驚いたパールの果実もまた、たゆんたゆんと揺れた。真先に目がいってしまうのは男ならしょうが無いだろう。
いや、姉ちゃんのことをじっと見ていたから目に入り込んだだけだ。あと、シスコンだから姉ちゃんをじっと見ていたわけではない。昔姉ちゃんに、人と話すときはその人を見なさいという教えを忠実に守っただけだ。
「はい。捧げました。我を形成しているもの全てを」
「全てを!?」
またしても姉ちゃんは前のめりになり、近くなっていたパールとの距離をさらに縮めた。
そういや、パールのやつ仲間にしたとき、命を捧げるとかなんとか言ってたっけ。それを言ってるのか。なんか誤解を招くような言い方だな。姉ちゃんが誤解してなければいいが……。
「は、はは。大和は私なんかをとっくに追い抜いて、ううん。私を捨てて、女の子と楽しいことをたくさんできるようになってたんだね。あの大和が……ね。いつの間にこんなにも女の子に慣れてたんだろう。ついこの間まで、お姉ちゃん、お姉ちゃんってヨチヨチと後ろを必死について来てたのに……」
なんか、姉ちゃんが遠くの方を向いてる。
目とそれとたぶん心も。
どうしたんだ姉ちゃん?なんかショッキングなことでもあったのか?姉ちゃんをこんな風にするなんて弟として許せねぇ!会社か?会社で何かあったのか!?それを今思い出したのか!?くそっ!これだから社会は!何も悪くない姉ちゃんを追い詰めるなんて!待っててくれ姉ちゃん!俺が姉ちゃんを守れるように強くなっから!そのまえに軽く異世界を統一してくっから!
決意を新たにする俺がそこにいた。
ぼーとした姉ちゃんだったが、急に生を取り戻し、目をカッと見開いて聞いてきた。
「アマちゃんはどう思ってるの?」
アマに。
「え?どう思ってる……ですか?」
急に聞かれたのに、ビックリしたのか、言葉を繋ぎ繋ぎに喋るアマ。あー分かる。急に振られるとビックリするよな。つか、どう思ってるって何をなんだ?姉ちゃん?
「そうよ。アマちゃんはどう思ってるの?大和とパール…パールヴァ…ルヴァティー……パンティー……パールちゃんとの関係!」
俺とパールの関係を聞きたいのか姉ちゃんは。
俺とパールの関係……ねぇ。そりゃあ……
「はい!それはもう!よい主従関係です!」
だよな。主と下僕の関係が妥当だろ。いや、主と家臣か。
「しゅ……主従関係!?それって、その……あれよね?主と下僕の……よね?」
「はい!あっ、ちなみに私は大和さまの犬ですっ!」
「い、犬っ!?」
「おいアマ。誤解を招く言い方をするな」
「すいません大和さま。でも私は……!」
「犬なら人間の言葉をしゃべれるはずがないだろ?」
「言い方ってそっちですか!?でも……はい。大和さまがお望みなら……」
「満更でもないようにされるとイラッとするな。やっぱ普通にしてろ」
「そんな!もっと……もっと下さい!」
「ええい!俺から離れろ!」
まるで本当の犬みたいに、物欲しそうに俺にたかるアマをつけはなしていると、視界の端にまたまた焦点が合っていない姉ちゃんを捉えた。
「あはは。主従プレイにペットプレイ……あはは、あはは、大和はどんどん大人に……あはは」
「姉君!大丈夫ですか!?」
姉ちゃんを心配してか、パールが近づき声をかける。が、姉ちゃんは反応しない。
さすがに心配になり、俺も近づいて声をかける。こんな姉ちゃん、俺が見てきた中で初めてだ。
「おい、姉ちゃん」
「あっ、大和だ〜えへへ〜」
「やめろ。ほっぺをつねるな」
どうやら、またキャパオーバーしたらしい。
いったい姉ちゃんに何が起きたというんだ?
場には異様な緊張感が漂っていた。
どうしてこうなったんだ……
☆
姉ちゃんが風呂で気を失ってから、数分の時間が経った。何故かは分からないが、姉ちゃんの許容できるキャパがオーバーしたみたいだ。
全裸の気絶した姉ちゃんをどうにかこうにかして風呂場から移動し、アマとパールに手伝ってもらいながら(ほとんどやらせて)服を着せ、居間で姉ちゃんが回復するのを待った。
そして今、つい先程姉ちゃんが回復して、凍りつくような空気になったのは致し方ないことなのだろう。カチカチカチと妙に秒針の音が耳に障る。
なぜか、修羅場みたいになった空気の中でパールが勇気を振り絞り、小さく「よし」と呟き、この戦慄とした空気の中、第一声を上げた。
ちなみに、俺もアマもパールも姉ちゃんも何故か正座だ。真向かいに姉ちゃん1人、こっち側に3人という構図だ。
「お初にお目にかかります姉君殿。我はこの大和に身を捧げた者、パールヴァティーともう」
「身を捧げた!?」
パールが自己紹介と思われる言葉を全て言い切る前に、姉ちゃんが前のめりになり、言葉を遮った。
余談だが、姉ちゃんが前のめりになった瞬間、豊満な果実がたゆんたゆんと揺れ、その姉ちゃんに驚いたパールの果実もまた、たゆんたゆんと揺れた。真先に目がいってしまうのは男ならしょうが無いだろう。
いや、姉ちゃんのことをじっと見ていたから目に入り込んだだけだ。あと、シスコンだから姉ちゃんをじっと見ていたわけではない。昔姉ちゃんに、人と話すときはその人を見なさいという教えを忠実に守っただけだ。
「はい。捧げました。我を形成しているもの全てを」
「全てを!?」
またしても姉ちゃんは前のめりになり、近くなっていたパールとの距離をさらに縮めた。
そういや、パールのやつ仲間にしたとき、命を捧げるとかなんとか言ってたっけ。それを言ってるのか。なんか誤解を招くような言い方だな。姉ちゃんが誤解してなければいいが……。
「は、はは。大和は私なんかをとっくに追い抜いて、ううん。私を捨てて、女の子と楽しいことをたくさんできるようになってたんだね。あの大和が……ね。いつの間にこんなにも女の子に慣れてたんだろう。ついこの間まで、お姉ちゃん、お姉ちゃんってヨチヨチと後ろを必死について来てたのに……」
なんか、姉ちゃんが遠くの方を向いてる。
目とそれとたぶん心も。
どうしたんだ姉ちゃん?なんかショッキングなことでもあったのか?姉ちゃんをこんな風にするなんて弟として許せねぇ!会社か?会社で何かあったのか!?それを今思い出したのか!?くそっ!これだから社会は!何も悪くない姉ちゃんを追い詰めるなんて!待っててくれ姉ちゃん!俺が姉ちゃんを守れるように強くなっから!そのまえに軽く異世界を統一してくっから!
決意を新たにする俺がそこにいた。
ぼーとした姉ちゃんだったが、急に生を取り戻し、目をカッと見開いて聞いてきた。
「アマちゃんはどう思ってるの?」
アマに。
「え?どう思ってる……ですか?」
急に聞かれたのに、ビックリしたのか、言葉を繋ぎ繋ぎに喋るアマ。あー分かる。急に振られるとビックリするよな。つか、どう思ってるって何をなんだ?姉ちゃん?
「そうよ。アマちゃんはどう思ってるの?大和とパール…パールヴァ…ルヴァティー……パンティー……パールちゃんとの関係!」
俺とパールの関係を聞きたいのか姉ちゃんは。
俺とパールの関係……ねぇ。そりゃあ……
「はい!それはもう!よい主従関係です!」
だよな。主と下僕の関係が妥当だろ。いや、主と家臣か。
「しゅ……主従関係!?それって、その……あれよね?主と下僕の……よね?」
「はい!あっ、ちなみに私は大和さまの犬ですっ!」
「い、犬っ!?」
「おいアマ。誤解を招く言い方をするな」
「すいません大和さま。でも私は……!」
「犬なら人間の言葉をしゃべれるはずがないだろ?」
「言い方ってそっちですか!?でも……はい。大和さまがお望みなら……」
「満更でもないようにされるとイラッとするな。やっぱ普通にしてろ」
「そんな!もっと……もっと下さい!」
「ええい!俺から離れろ!」
まるで本当の犬みたいに、物欲しそうに俺にたかるアマをつけはなしていると、視界の端にまたまた焦点が合っていない姉ちゃんを捉えた。
「あはは。主従プレイにペットプレイ……あはは、あはは、大和はどんどん大人に……あはは」
「姉君!大丈夫ですか!?」
姉ちゃんを心配してか、パールが近づき声をかける。が、姉ちゃんは反応しない。
さすがに心配になり、俺も近づいて声をかける。こんな姉ちゃん、俺が見てきた中で初めてだ。
「おい、姉ちゃん」
「あっ、大和だ〜えへへ〜」
「やめろ。ほっぺをつねるな」
どうやら、またキャパオーバーしたらしい。
いったい姉ちゃんに何が起きたというんだ?
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