天女×天姫×天使…天華統一
第20話 「3位」
突撃した軍団の第一攻撃部隊は、騎馬隊だった。
その数は5千と言ったところだろうか。騎馬隊を編成するには多少数が多かった。
騎馬隊は、先頭を走っていたローランを途中で抜き、一気に加速する。
歩兵よりも、何倍と早いそのスピードで、パールヴァティーに襲いかかる。
「馬ごときで、我がやられるわけがなかろう?」
だが、パールヴァティーの方が1枚、いや何千枚と上手だろう。たかが、馬に乗った一般兵に負ける元第3位ではない。
パールヴァティーは、馬に乗っている一般兵には目を向けず、視線を馬の方へと落とした。一瞬で馬が付けている装備を確認し、攻撃に移る。
(前の馬たちには一応、装備らしい装備はしているみたいだな。中盤にいる馬たちからはノー装備。ふむ。いささか数が多いが、関係無かろう)
パールヴァティーは自慢の大剣を軽く横に振る。
ブオンっ!という音と共に、土煙が舞い上がる。
そして、すざましい風圧が騎馬隊を襲う。
『うわぁあ!』
『ぬわぁあ!』
宙を舞う者、落馬し地面に落ちる者、ぶつかり合う者と、騎馬隊の陣形は瞬く間に崩れ、騎馬隊は壊滅した。
たった一振りで、パールヴァティーは騎馬隊を壊滅させ、敵陣形の中央にいる敵総大将と思われる者の方を向く。
パールヴァティーは目で、ほら?壊滅させたぞ?続けるか?というメッセージともとれる勧告をする。それは一応、このままやってもそちらの被害が増すだけだというパールヴァティーの優しさのようなものだった。
「……舐めるなよ。続けて第二部隊行け!あいつの首を上げろ!」
だが、ローランがそれを喜んで受け入れるわけもなく。逆にローランのボルテージを上げてしまう結果になった。
パールヴァティーは、続けて攻めてきた、鎧や甲冑を装備した歩兵たちを見て、まだ続ける気なのかという呆れを感じ、敵のトップは優秀な長ではないはと悟る。
国を持っている以上、負けるわけにはいかない。だが、無理をしてまで、甚大な被害が出るまで、戦をやる必要は無いというのがパールヴァティーの持論だ。
次戦のために、兵力を減らさないというのも長には必要な能力だと思っている。しかも、今回の戦力の差は歴然だ。いくら数が多かろうと、質なら十分にパールヴァティーの方が上だ。これをさっきの一振りで分からないのは、たんに才能がないのだろう。
長の才能が。
パールヴァティーはこれで、大和が来る必要も無いなと、安堵した。
「そうとなれば、早くこの場を収め、逆に我が大和に加勢しようとするか」
パールヴァティーは、持っている大剣に力を込める。そして、その溜めた力を解放するかのように、剣を振るう。
一振りで第二部隊の半数以上を蹴散らしたパールヴァティーは、今度は自らが突撃する。そのパールヴァティーの行動に、敵の第二部隊は一瞬怯み、歩を止めた。
そのスキをパールヴァティーが見逃さないはずがない。その一瞬でパールヴァティーは突撃の速度を上げ、右へ左へと、横に伸びている陣形の敵を斬っていく。
『うわぁあ!』
という怒号と、叫び声が至る所で響く。
パールヴァティーが斬っていくところには、小規模な爆発的なものが起き、何人もの兵士が宙を舞う。
それを見た他の兵士たちはパニックになり、持ち場を離れ、逃げ出し、ついには陣形を崩し始める。
崩れた陣形ほど、容易く敵を狩れるものでない。
逃げ惑う、敵兵たちを何人か斬ったあと、パールヴァティーはその勢いのまま、敵総大将であろう人物に斬りかかる。
ギンっ!
金属音が響きわたる。
パールヴァティーの大剣とローランの剣がぶつかり合う音だ。
「ローランさま!」
「あんずるなアウロラ。そなたは兵を率いて攻めよ」
「は、はい!」
ローランの命を受けアウロラは進軍する。
「我が許すとでも思うのか?」
パールヴァティーは瞬時に転換し、標的をローランからアウロラへとスイッチする。
「くぅう!パールヴァティー!!」
「ん?アウロラではないか」
アウロラの進路をパールヴァティーが遮断する。
アウロラが振るう剣を、避け、時には防ぎながらパールヴァティーはアウロラに語りかける。
「まさか才のないものにお主がついているとはな」
「うるさい!私の主を侮辱するのは許しません!貴女が3位だとしても!」
またも敵の怒りを買い、ボルテージを上げさせてしまうパールヴァティーだが、たかが敵が熱くなるだけ。戦の戦況、パールヴァティーとの力の差は変わらない。
「侮辱だと?違うぞアウロラ我が言っているのは事実だ。それとな」
アウロラの攻撃を全て躱し、防御していたパールヴァティーだが、ここで攻撃へと転ずる。
姿勢を低くし、剣を突き上げるようにして剣を振るう。
「がっ…………はあっっ!」
パールヴァティーの大剣はアウロラの身体を切裂きながら、天へと剣先を向けていた。
アウロラは、口から、そして斜めに斬られた傷口から大量の血を流し、倒れる。
「それとな、それと、我は今は3位ではない。元、3位だ」
倒れたアウロラにパールヴァティーはただ、それだけを言う。
「次は貴様を倒し、この戦いを終わらせよう」
ローランを再び見つめ、構える。
ここまでのパールヴァティーの戦果は、武将1名、一般兵数千人の撃破。と、十分過ぎる戦果だった。
たった一人でも、総兵数約3万5千に対抗できる力を持つ、パールヴァティー。
これが実力。
これがーー「3位」
その数は5千と言ったところだろうか。騎馬隊を編成するには多少数が多かった。
騎馬隊は、先頭を走っていたローランを途中で抜き、一気に加速する。
歩兵よりも、何倍と早いそのスピードで、パールヴァティーに襲いかかる。
「馬ごときで、我がやられるわけがなかろう?」
だが、パールヴァティーの方が1枚、いや何千枚と上手だろう。たかが、馬に乗った一般兵に負ける元第3位ではない。
パールヴァティーは、馬に乗っている一般兵には目を向けず、視線を馬の方へと落とした。一瞬で馬が付けている装備を確認し、攻撃に移る。
(前の馬たちには一応、装備らしい装備はしているみたいだな。中盤にいる馬たちからはノー装備。ふむ。いささか数が多いが、関係無かろう)
パールヴァティーは自慢の大剣を軽く横に振る。
ブオンっ!という音と共に、土煙が舞い上がる。
そして、すざましい風圧が騎馬隊を襲う。
『うわぁあ!』
『ぬわぁあ!』
宙を舞う者、落馬し地面に落ちる者、ぶつかり合う者と、騎馬隊の陣形は瞬く間に崩れ、騎馬隊は壊滅した。
たった一振りで、パールヴァティーは騎馬隊を壊滅させ、敵陣形の中央にいる敵総大将と思われる者の方を向く。
パールヴァティーは目で、ほら?壊滅させたぞ?続けるか?というメッセージともとれる勧告をする。それは一応、このままやってもそちらの被害が増すだけだというパールヴァティーの優しさのようなものだった。
「……舐めるなよ。続けて第二部隊行け!あいつの首を上げろ!」
だが、ローランがそれを喜んで受け入れるわけもなく。逆にローランのボルテージを上げてしまう結果になった。
パールヴァティーは、続けて攻めてきた、鎧や甲冑を装備した歩兵たちを見て、まだ続ける気なのかという呆れを感じ、敵のトップは優秀な長ではないはと悟る。
国を持っている以上、負けるわけにはいかない。だが、無理をしてまで、甚大な被害が出るまで、戦をやる必要は無いというのがパールヴァティーの持論だ。
次戦のために、兵力を減らさないというのも長には必要な能力だと思っている。しかも、今回の戦力の差は歴然だ。いくら数が多かろうと、質なら十分にパールヴァティーの方が上だ。これをさっきの一振りで分からないのは、たんに才能がないのだろう。
長の才能が。
パールヴァティーはこれで、大和が来る必要も無いなと、安堵した。
「そうとなれば、早くこの場を収め、逆に我が大和に加勢しようとするか」
パールヴァティーは、持っている大剣に力を込める。そして、その溜めた力を解放するかのように、剣を振るう。
一振りで第二部隊の半数以上を蹴散らしたパールヴァティーは、今度は自らが突撃する。そのパールヴァティーの行動に、敵の第二部隊は一瞬怯み、歩を止めた。
そのスキをパールヴァティーが見逃さないはずがない。その一瞬でパールヴァティーは突撃の速度を上げ、右へ左へと、横に伸びている陣形の敵を斬っていく。
『うわぁあ!』
という怒号と、叫び声が至る所で響く。
パールヴァティーが斬っていくところには、小規模な爆発的なものが起き、何人もの兵士が宙を舞う。
それを見た他の兵士たちはパニックになり、持ち場を離れ、逃げ出し、ついには陣形を崩し始める。
崩れた陣形ほど、容易く敵を狩れるものでない。
逃げ惑う、敵兵たちを何人か斬ったあと、パールヴァティーはその勢いのまま、敵総大将であろう人物に斬りかかる。
ギンっ!
金属音が響きわたる。
パールヴァティーの大剣とローランの剣がぶつかり合う音だ。
「ローランさま!」
「あんずるなアウロラ。そなたは兵を率いて攻めよ」
「は、はい!」
ローランの命を受けアウロラは進軍する。
「我が許すとでも思うのか?」
パールヴァティーは瞬時に転換し、標的をローランからアウロラへとスイッチする。
「くぅう!パールヴァティー!!」
「ん?アウロラではないか」
アウロラの進路をパールヴァティーが遮断する。
アウロラが振るう剣を、避け、時には防ぎながらパールヴァティーはアウロラに語りかける。
「まさか才のないものにお主がついているとはな」
「うるさい!私の主を侮辱するのは許しません!貴女が3位だとしても!」
またも敵の怒りを買い、ボルテージを上げさせてしまうパールヴァティーだが、たかが敵が熱くなるだけ。戦の戦況、パールヴァティーとの力の差は変わらない。
「侮辱だと?違うぞアウロラ我が言っているのは事実だ。それとな」
アウロラの攻撃を全て躱し、防御していたパールヴァティーだが、ここで攻撃へと転ずる。
姿勢を低くし、剣を突き上げるようにして剣を振るう。
「がっ…………はあっっ!」
パールヴァティーの大剣はアウロラの身体を切裂きながら、天へと剣先を向けていた。
アウロラは、口から、そして斜めに斬られた傷口から大量の血を流し、倒れる。
「それとな、それと、我は今は3位ではない。元、3位だ」
倒れたアウロラにパールヴァティーはただ、それだけを言う。
「次は貴様を倒し、この戦いを終わらせよう」
ローランを再び見つめ、構える。
ここまでのパールヴァティーの戦果は、武将1名、一般兵数千人の撃破。と、十分過ぎる戦果だった。
たった一人でも、総兵数約3万5千に対抗できる力を持つ、パールヴァティー。
これが実力。
これがーー「3位」
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