天女×天姫×天使…天華統一
第3話 「天」の意味
「アマよ。本題に入りたいんだかいいか?」
「はい!いいですよ!」
「じゃ、まずその手に大事そうに持っている本を元の位置に戻してくれないか?」
「は、……はい」
アマは手に持っていた本。俺の宝物と呼んでもいい代物を、残念そうに、そして、名残り惜しそうに元の位置…姉ちゃん以外には絶対にばれないであろう位置、「ベットの下」へと戻した。
戻してもなお、チラチラと覗き見るアマはどこか、初恋の女の子みたいだ。
「んん。じゃ、聞くが、どうして俺に大名になってほしいんだ?いや、なんで俺なんだ?」
「それは……ですね……」
俺の問いに答えるように、アマはゆっくりと片腕をあげて、人差し指で示す。
「テレビ…か?」
アマが指している方に振り向くと、そこには32型の去年俺が、姉ちゃんからもらったお年玉で買った自慢のテレビがあった。機能性豊富で画質も申し分なく、まさに自慢のテレビだ。
「あっ、いえ違います」
両手と首を振って違う違うとアピールするアマ。
なんだ俺の自慢のテレビが関係しているわけではないのか。
「その、テレビの下にある」
「PS○?」
もう一度指した人差し指はさっきより若干下にさげ、テレビの下に置いてあるゲーム機、P○3のことを指していた。
俺もバカじゃないから、ここまで来たら予想や憶測くらい立つ。
アマが指し、俺の目に映っているものがゲームだとしたら、あれしかない。
《天下統一戦国バトル》
これが確実に関係していることは間違いないだろう。
「もしかして…あの難易度…「天」はお前の仕業か?」
そして、すぐに脳内でヒットしたことを聞く。
ネットをいくら漁っても出てこなかった「天」という難易度、そして情報。
いつ出現したのか、また、どんな条件なのかも分からずに、いつの間にか、さも当然のように元からあった「天」。
これがアマの仕業と言うのなら、色々な不思議や疑問といった不可思議なことも合点がいくし、納得もできる。なぜなら、アマが異世界人だから。
「はい。その通りです。そのゲームに実在するはずのない難易度、「天」を勝手に加えたのは私の仕業です」
俺の問いに、いつの間にか正座をしていたアマが、まっすぐな瞳で俺を見ながら言う。
これを聞いた瞬間俺は、モヤモヤが晴れるようにすっきりとした気持ちになった。
そうか、あの難易度、「天」は隠れ難易度でもなんでもなく、こいつの仕業だったのか。
「しかし、どうしてそんなことをしたんだ?」
次の疑問だ。どうしてアマはゲームに「天」という難易度を追加したのか。
しかしこれは聞くまでもないかもしれない。これこそが鍵だと俺は思う。
俺はあらかたの予想を立たせながら聞く。
「はい。それはですね、大和さまもゲームなどで知っておられると思いますが、大名という一国の主は誰よりも強くなければなりません。もちろん、優しさや指導力も大事ですが、優しさや指導力だけでは戦国の世の中を生き、国を守ることなんてできません。大名という役職は、その者がやられてだけで一国を敵に奪われるというほどの力を持っています。なので、国を守るためにも大名さもには誰よりも強いお方に託し、託さなければなりません」
「それで、ゲームに「天」という難易度を設けて、「天」でも普通の難易度と同じように渡り合える強いやつを探してたのか」
「はい。その通りです」
「ふ~ん。なるほどな」
あらかた俺の立てた予想と当たっていた。
確かにあんな鬼難な難易度を設けてやれば、ほんとに強いやつなんてすぐに見つけることも可能だろう。
しかし、俺はここで新たな疑問が浮かぶ。
「でも待てよ?俺はあのゲームの「天」じゃ一回も敗戦してないとはいえ、鬼つよってわけじゃないぞ?毎回毎回ギリギリの戦だし、ほとんどが奥義で勝ってる奥義ちゅうみたいなもんだぞ?」
そう。俺はあのゲームの「天」じゃ、そこまでの猛者とは言えない。
ほんとに毎回毎回ギリギリだし、なんなら奥義頼みだ。
強いやつを探してるって言うのなら俺は該当なんかしないはずだ。
「そうですね。たしかに大和さまは、ずば抜けてお強い!というわけではないですね」
笑顔で言われると若干へこむ。
俺のゲーム技術を遠まわしにバカにされてるみたいだ。
「じゃあなんで?」
「大和さまを大名さまにしたいのはですね、先ほど、大和さま自身が仰られてた、奥義がすごいからです」
「そりゃ、凄いだろ奥義なんだし」
通常攻撃の何倍、何十倍、何百倍という特殊攻撃を繰り出せるんだ。すごくないわけがない。
「ちょっと違いますね。確かに攻撃力は凄いものがありますが、私が言いたいのはその奥義を、「天」という難易度で毎回発動させていたところが凄いのです」
「別に凄くないだろ。奥義を毎回発動させることなんか」
どんなゲームでも、いや、大半のゲームは、奥義または、それに類似した必殺技を簡単に出せるようになっている。敵を倒したり、自分自身が攻撃を受けたりしたポイントが溜まって。
このゲームもそんな風にして奥義を発動できる。俺はそれが当たり前のように言ったが、アマはまっすぐに俺を見つめ、言う。
「本当にそう思いですか?」
「え……」
「どこか、「天」には違和感がなかったですか?ほかの難易度とは違う違和感が」
意味深に言うアマに言われて、考える。
「天」の違和感?
「いや、別に違和感なんか…ただ奥義が毎戦一発しか打てないなと思ってたくらいで…まさか!」
「はい。そのまさかです。「天」以外のどんな難易度でも奥義は何度も発動できますが、「天」は必ずその戦、一回しか発動出来ないようにしておきました。というか、発動その物が出来ないような高設定にしておいたのですけど、大和さまはそんなのを関係なく毎回発動なされてました。この結果にに基づいて私は、大和さまに大名になっていただきたくここに参った次第です。そしてこれが大和さまにした理由です」
「はは、そうなのか」
だから、あんなに敵を倒しても、俺自身がダメージを受けてもなかなか奥義がでねーわけだ。
そしてそんな設定の中でも毎回、すげー攻撃力を出せる奥義を出せる俺は凄いんだろうな。
しかも、奥義が無い状態でも敵と互角にやりあってたわけだし。
これが、俺の選ばれた理由か。
「ご納得…できましたか?」
首をかしげ、聞いてくるアマ。
その表情はほんとに俺が納得しているのかを不安そうの見ている表情だ。
「ああ。納得した」
こういった俺を見て、アマはパぁと顔を明るくし喜んで見せた。
「では改めてですけど、大名さまになっていただけますか?大和さま?」
「そうだな…」
「はい!いいですよ!」
「じゃ、まずその手に大事そうに持っている本を元の位置に戻してくれないか?」
「は、……はい」
アマは手に持っていた本。俺の宝物と呼んでもいい代物を、残念そうに、そして、名残り惜しそうに元の位置…姉ちゃん以外には絶対にばれないであろう位置、「ベットの下」へと戻した。
戻してもなお、チラチラと覗き見るアマはどこか、初恋の女の子みたいだ。
「んん。じゃ、聞くが、どうして俺に大名になってほしいんだ?いや、なんで俺なんだ?」
「それは……ですね……」
俺の問いに答えるように、アマはゆっくりと片腕をあげて、人差し指で示す。
「テレビ…か?」
アマが指している方に振り向くと、そこには32型の去年俺が、姉ちゃんからもらったお年玉で買った自慢のテレビがあった。機能性豊富で画質も申し分なく、まさに自慢のテレビだ。
「あっ、いえ違います」
両手と首を振って違う違うとアピールするアマ。
なんだ俺の自慢のテレビが関係しているわけではないのか。
「その、テレビの下にある」
「PS○?」
もう一度指した人差し指はさっきより若干下にさげ、テレビの下に置いてあるゲーム機、P○3のことを指していた。
俺もバカじゃないから、ここまで来たら予想や憶測くらい立つ。
アマが指し、俺の目に映っているものがゲームだとしたら、あれしかない。
《天下統一戦国バトル》
これが確実に関係していることは間違いないだろう。
「もしかして…あの難易度…「天」はお前の仕業か?」
そして、すぐに脳内でヒットしたことを聞く。
ネットをいくら漁っても出てこなかった「天」という難易度、そして情報。
いつ出現したのか、また、どんな条件なのかも分からずに、いつの間にか、さも当然のように元からあった「天」。
これがアマの仕業と言うのなら、色々な不思議や疑問といった不可思議なことも合点がいくし、納得もできる。なぜなら、アマが異世界人だから。
「はい。その通りです。そのゲームに実在するはずのない難易度、「天」を勝手に加えたのは私の仕業です」
俺の問いに、いつの間にか正座をしていたアマが、まっすぐな瞳で俺を見ながら言う。
これを聞いた瞬間俺は、モヤモヤが晴れるようにすっきりとした気持ちになった。
そうか、あの難易度、「天」は隠れ難易度でもなんでもなく、こいつの仕業だったのか。
「しかし、どうしてそんなことをしたんだ?」
次の疑問だ。どうしてアマはゲームに「天」という難易度を追加したのか。
しかしこれは聞くまでもないかもしれない。これこそが鍵だと俺は思う。
俺はあらかたの予想を立たせながら聞く。
「はい。それはですね、大和さまもゲームなどで知っておられると思いますが、大名という一国の主は誰よりも強くなければなりません。もちろん、優しさや指導力も大事ですが、優しさや指導力だけでは戦国の世の中を生き、国を守ることなんてできません。大名という役職は、その者がやられてだけで一国を敵に奪われるというほどの力を持っています。なので、国を守るためにも大名さもには誰よりも強いお方に託し、託さなければなりません」
「それで、ゲームに「天」という難易度を設けて、「天」でも普通の難易度と同じように渡り合える強いやつを探してたのか」
「はい。その通りです」
「ふ~ん。なるほどな」
あらかた俺の立てた予想と当たっていた。
確かにあんな鬼難な難易度を設けてやれば、ほんとに強いやつなんてすぐに見つけることも可能だろう。
しかし、俺はここで新たな疑問が浮かぶ。
「でも待てよ?俺はあのゲームの「天」じゃ一回も敗戦してないとはいえ、鬼つよってわけじゃないぞ?毎回毎回ギリギリの戦だし、ほとんどが奥義で勝ってる奥義ちゅうみたいなもんだぞ?」
そう。俺はあのゲームの「天」じゃ、そこまでの猛者とは言えない。
ほんとに毎回毎回ギリギリだし、なんなら奥義頼みだ。
強いやつを探してるって言うのなら俺は該当なんかしないはずだ。
「そうですね。たしかに大和さまは、ずば抜けてお強い!というわけではないですね」
笑顔で言われると若干へこむ。
俺のゲーム技術を遠まわしにバカにされてるみたいだ。
「じゃあなんで?」
「大和さまを大名さまにしたいのはですね、先ほど、大和さま自身が仰られてた、奥義がすごいからです」
「そりゃ、凄いだろ奥義なんだし」
通常攻撃の何倍、何十倍、何百倍という特殊攻撃を繰り出せるんだ。すごくないわけがない。
「ちょっと違いますね。確かに攻撃力は凄いものがありますが、私が言いたいのはその奥義を、「天」という難易度で毎回発動させていたところが凄いのです」
「別に凄くないだろ。奥義を毎回発動させることなんか」
どんなゲームでも、いや、大半のゲームは、奥義または、それに類似した必殺技を簡単に出せるようになっている。敵を倒したり、自分自身が攻撃を受けたりしたポイントが溜まって。
このゲームもそんな風にして奥義を発動できる。俺はそれが当たり前のように言ったが、アマはまっすぐに俺を見つめ、言う。
「本当にそう思いですか?」
「え……」
「どこか、「天」には違和感がなかったですか?ほかの難易度とは違う違和感が」
意味深に言うアマに言われて、考える。
「天」の違和感?
「いや、別に違和感なんか…ただ奥義が毎戦一発しか打てないなと思ってたくらいで…まさか!」
「はい。そのまさかです。「天」以外のどんな難易度でも奥義は何度も発動できますが、「天」は必ずその戦、一回しか発動出来ないようにしておきました。というか、発動その物が出来ないような高設定にしておいたのですけど、大和さまはそんなのを関係なく毎回発動なされてました。この結果にに基づいて私は、大和さまに大名になっていただきたくここに参った次第です。そしてこれが大和さまにした理由です」
「はは、そうなのか」
だから、あんなに敵を倒しても、俺自身がダメージを受けてもなかなか奥義がでねーわけだ。
そしてそんな設定の中でも毎回、すげー攻撃力を出せる奥義を出せる俺は凄いんだろうな。
しかも、奥義が無い状態でも敵と互角にやりあってたわけだし。
これが、俺の選ばれた理由か。
「ご納得…できましたか?」
首をかしげ、聞いてくるアマ。
その表情はほんとに俺が納得しているのかを不安そうの見ている表情だ。
「ああ。納得した」
こういった俺を見て、アマはパぁと顔を明るくし喜んで見せた。
「では改めてですけど、大名さまになっていただけますか?大和さま?」
「そうだな…」
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