俺の嫁はデレない異世界のお姫様
第31話二人だけの夜
その後二時間くらい結婚式は続き、ようや終わりを迎えたことにはすっかり外も夕焼けに染まっていた。
「疲れたぁ」
「人の部屋でくつろぐのはやめてもらえる?」
「お互い疲れているのに、わざわざ呼んだのはお前だろ」
式を終えいつも通りの適当な服装に着替えた俺は、何故かココネの部屋に呼び出されていた。
「で、何でわざわざ呼んだんだ?」
「特に理由はないわよ。ただ、ちょっと話がしたかっただけよ」
「何だよそれ」
いつものココネらしくないセリフが出てきたので、ちょっと不抜けてしまう。いつもならこんな臭いセリフ言わないんだけどな……。
(まあ、悪い気はしないんだけど)
「話がしたいって、お前がそんな事を言い出すなんておかしいな」
「べ、別にそんな日があったっていいでしょ!」
「まあ、いいんだけどな」
何かこいつ最近少しずつだけど丸くなってきた気がする。以前はあんなに俺を拒絶していたのに、僅か半年でここまで人が変わるなんて思ってもいなかった。うーん、これは結婚して正解だったりするのか?
「そういえば今日の結婚で、形だけ国王になったわけだけど、正式にはいつになるんだ?」
「来週王位継承式が行われるわ。その時にあんたは正式にナルカディア国王になるわよ」
「ふーん、来週ね……」
やっぱり早いのか。
「どうしたのよ、急に黙っちゃって」
「いや、そんなに早いのかって思ってさ」
「早いもなにも、結婚した時点であんたはこの国の姫の私の夫、つまり国王となったのよ。ただ、ちゃんとした継承式をやっていないだけであって、本当はもう国王なんだからね」
「そっか。そうだよな」
「もしかして実感がないとか今更言わないでよね」
「いや、でも普通はありえない話じゃん。普通の人間が国王になるだなんて」
「まあ確かにそうよね。そうい血筋を持たない限り無縁の話よね。あんたの世界でもそうでしょ?」
「ああ。そもそも俺の住んでいる日本では国王とかそういうのはなかったしな。外国とかにはあったけど」
「へえ、やっぱりそうなんだ」
つまり半年前までの俺にとっては全くもって無縁の話だった。けど、ほんの些細なキッカケでこいつと出会い、終いには由奈までも巻き込んでしまい、俺の人生は一変してしまった。本当に由奈には申し訳ない気持ちで一杯だけど、彼女は結婚式で俺を盛大に祝福してくれたし、多分問題はないと思う。多分……。
「そういえばココネ、お前一つ聞きたいことがあるんだけど」
「何よ」
「お前さ、俺にネックレスプレゼントしてくれたけど、あれって大切なものなんじゃないのか?」
「え、あ、まあ確かにあれは私のお母さんのものよ」
「それを俺なんかにプレゼントしてよかったのか?」
そのネックレスはというと早速俺は首につけている。何かあんまりにあっていないような気がするけど、折角のもらいものなんだし、ずっと付けているつもりでいる。でも本当にお母さんの形見みたいなものをわざわざ俺にくれるなんて、一体どうしたんだろう。
「と、特に深い意味なんてないわよ。昨日いきなりプレゼント用意しろって言われて、いい物が思い当たらなかったからそれをあげたのよ」
「でも形見みたいなものだろこれ」
「まあそうね。でも私がいつまで付けていても親離れ出来ていないみたいに見えるし、それに」
「それに?」
「あ、あんたにならあげてもいいかなって……」
「ん? 何か言ったか?」
「な、なんでもないわよ」
「そうか。じゃあ俺はそろそろ部屋に戻るな。疲れたし」
二時間半もずっとあの場にいたせいでかなり疲れてしまっている俺は、そのまま部屋に戻って今日は寝ようとした(ご飯は式で散々食べたので)。が、
「ま、待ちなさいよ」
ココネの部屋を出ようとしたとき、彼女が呼び止めてきた。まだ話したいことでもあるのだろうか?
「ね、ねえ、ひ、一つお願い聞いてくれる?」
「ん?何だ」
「き、今日だけ、わ、わ、わ、私と一緒にいてくれない?」
「……はい?」
えっと、それってつまり……。
「また前のように床で寝て過ごせってこと?」
「そ、そうじゃないわよ。だ、だから今夜は二人で一緒に……」
「二人で一緒に?」
彼女が何を言おうとしているのかは何となく察しているのだが、それってちょっとあれな気がするんだけど、果たしていいのだろうか?
「い、い、いいい、一緒に寝てくれないかしら!」
「何で怒ってるの?!」
■□■□■□
という訳で、今夜はまさかのココネと一緒に寝る……と簡単に行くわけはなく、何故か一つのベッドでお互い背を向けて就寝する事に。
「な、なあ、本当にこんなんでいいのか?」
「い、いいのよ! ま、ま、まだ慣れていないんだし」
「慣れていないって……」
まあ確かに、話がいきなりすぎる気もするけど、この状態って意味あるのだろうか?
「ね、ねえ起きてる?」
「まだ布団に入って五分しか経ってないぞ?」
「う、うるさいわね。それよりちょっとカグヤの事について聞いてほしいことがあるんだけど」
「カグヤの話?」
一体どんな内容なのだろうか。
「今彼女はまだ寝たきりよね」
「ああそうだな。というよりは感情がないって感じだな」
「あの後少し調べてみたんだけど、ある事が分かったの」
「ある事?」
この後ココネは俺にある事を話してくれた。それは、国王になる俺にとってとても大切な話で、この先確実に起きるであろう避けては通れない運命であった。
「なあココネ、今の話が本当なら……」
「ええ。今のうちに何とかしないと、この国……ううん、この世界が危険に晒されるわきっと」
「疲れたぁ」
「人の部屋でくつろぐのはやめてもらえる?」
「お互い疲れているのに、わざわざ呼んだのはお前だろ」
式を終えいつも通りの適当な服装に着替えた俺は、何故かココネの部屋に呼び出されていた。
「で、何でわざわざ呼んだんだ?」
「特に理由はないわよ。ただ、ちょっと話がしたかっただけよ」
「何だよそれ」
いつものココネらしくないセリフが出てきたので、ちょっと不抜けてしまう。いつもならこんな臭いセリフ言わないんだけどな……。
(まあ、悪い気はしないんだけど)
「話がしたいって、お前がそんな事を言い出すなんておかしいな」
「べ、別にそんな日があったっていいでしょ!」
「まあ、いいんだけどな」
何かこいつ最近少しずつだけど丸くなってきた気がする。以前はあんなに俺を拒絶していたのに、僅か半年でここまで人が変わるなんて思ってもいなかった。うーん、これは結婚して正解だったりするのか?
「そういえば今日の結婚で、形だけ国王になったわけだけど、正式にはいつになるんだ?」
「来週王位継承式が行われるわ。その時にあんたは正式にナルカディア国王になるわよ」
「ふーん、来週ね……」
やっぱり早いのか。
「どうしたのよ、急に黙っちゃって」
「いや、そんなに早いのかって思ってさ」
「早いもなにも、結婚した時点であんたはこの国の姫の私の夫、つまり国王となったのよ。ただ、ちゃんとした継承式をやっていないだけであって、本当はもう国王なんだからね」
「そっか。そうだよな」
「もしかして実感がないとか今更言わないでよね」
「いや、でも普通はありえない話じゃん。普通の人間が国王になるだなんて」
「まあ確かにそうよね。そうい血筋を持たない限り無縁の話よね。あんたの世界でもそうでしょ?」
「ああ。そもそも俺の住んでいる日本では国王とかそういうのはなかったしな。外国とかにはあったけど」
「へえ、やっぱりそうなんだ」
つまり半年前までの俺にとっては全くもって無縁の話だった。けど、ほんの些細なキッカケでこいつと出会い、終いには由奈までも巻き込んでしまい、俺の人生は一変してしまった。本当に由奈には申し訳ない気持ちで一杯だけど、彼女は結婚式で俺を盛大に祝福してくれたし、多分問題はないと思う。多分……。
「そういえばココネ、お前一つ聞きたいことがあるんだけど」
「何よ」
「お前さ、俺にネックレスプレゼントしてくれたけど、あれって大切なものなんじゃないのか?」
「え、あ、まあ確かにあれは私のお母さんのものよ」
「それを俺なんかにプレゼントしてよかったのか?」
そのネックレスはというと早速俺は首につけている。何かあんまりにあっていないような気がするけど、折角のもらいものなんだし、ずっと付けているつもりでいる。でも本当にお母さんの形見みたいなものをわざわざ俺にくれるなんて、一体どうしたんだろう。
「と、特に深い意味なんてないわよ。昨日いきなりプレゼント用意しろって言われて、いい物が思い当たらなかったからそれをあげたのよ」
「でも形見みたいなものだろこれ」
「まあそうね。でも私がいつまで付けていても親離れ出来ていないみたいに見えるし、それに」
「それに?」
「あ、あんたにならあげてもいいかなって……」
「ん? 何か言ったか?」
「な、なんでもないわよ」
「そうか。じゃあ俺はそろそろ部屋に戻るな。疲れたし」
二時間半もずっとあの場にいたせいでかなり疲れてしまっている俺は、そのまま部屋に戻って今日は寝ようとした(ご飯は式で散々食べたので)。が、
「ま、待ちなさいよ」
ココネの部屋を出ようとしたとき、彼女が呼び止めてきた。まだ話したいことでもあるのだろうか?
「ね、ねえ、ひ、一つお願い聞いてくれる?」
「ん?何だ」
「き、今日だけ、わ、わ、わ、私と一緒にいてくれない?」
「……はい?」
えっと、それってつまり……。
「また前のように床で寝て過ごせってこと?」
「そ、そうじゃないわよ。だ、だから今夜は二人で一緒に……」
「二人で一緒に?」
彼女が何を言おうとしているのかは何となく察しているのだが、それってちょっとあれな気がするんだけど、果たしていいのだろうか?
「い、い、いいい、一緒に寝てくれないかしら!」
「何で怒ってるの?!」
■□■□■□
という訳で、今夜はまさかのココネと一緒に寝る……と簡単に行くわけはなく、何故か一つのベッドでお互い背を向けて就寝する事に。
「な、なあ、本当にこんなんでいいのか?」
「い、いいのよ! ま、ま、まだ慣れていないんだし」
「慣れていないって……」
まあ確かに、話がいきなりすぎる気もするけど、この状態って意味あるのだろうか?
「ね、ねえ起きてる?」
「まだ布団に入って五分しか経ってないぞ?」
「う、うるさいわね。それよりちょっとカグヤの事について聞いてほしいことがあるんだけど」
「カグヤの話?」
一体どんな内容なのだろうか。
「今彼女はまだ寝たきりよね」
「ああそうだな。というよりは感情がないって感じだな」
「あの後少し調べてみたんだけど、ある事が分かったの」
「ある事?」
この後ココネは俺にある事を話してくれた。それは、国王になる俺にとってとても大切な話で、この先確実に起きるであろう避けては通れない運命であった。
「なあココネ、今の話が本当なら……」
「ええ。今のうちに何とかしないと、この国……ううん、この世界が危険に晒されるわきっと」
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