俺の嫁はデレない異世界のお姫様
第48話本格始動!
「お前は……俺が好きなままのココネでいてくれ。この先もずっと」
何かすごく恥ずかしいセリフを言った俺は、そのままココネの返事を待つ。俺が言いたいことは全部言った。あとはココネが、自分がどうであるべきかを見つけ出すだけ。
「ケイイチは……私がどうなっても避けようとしない?」
「ああ。それは俺だけじゃない。由奈やリタだって同じ思いだ。だから信じろ」
「……ありがとう。私も少しだけ頑張ってみる」
若干元気のない返事だが、ココネ自身何か見つけ出すことができたのかもしれない。しれならそれでよかった。
「じゃあ早速動くぞ」
「え?」
「王国祭まで時間が少ないんだ。お前がサボってた分、作業が進まなかったんだよ。
年に一度の大イベントなんだろ?意地でも間に合わせるぞ」
「そんなぁ。私まだ眠りたいし。進まなかったのはあんた自身のせいじゃない」
「丸四日何もしなかった言えるセリフか? とにかく行くぞ」
「うわー、引っ張らないでー」
こうして無事ココネの引きこもり脱出が成功し、まともに動ける人員が一人増加。てか姫である彼女がこう何度も引きこもっていて大丈夫なのだろうか? ていうかリタの事件以来セレスを見ていないが、どこへ行ったのだろうか?
(今は気にしている場合じゃないか)
とりあえず急がねば。
■□■□■□
ココネを外に連れ出した俺は、そのまま彼女を連れてある場所へ。
「何よここ、なにもないじゃない」
「そろそろ来ると思うから、ちょっと待っていよう」
やってきたのは城から少し離れた何もない更地。城下町は少しずつ賑わいを見せ始めているのだが、他はこの通りなにも無いに近い。だから今日からある計画を始めることにした。
「あ、きたきた」
少し先に、何台か大型の馬車がやってくる。どうやら約束はちゃんと果たしてくれたらしい。
「一、二、三……五台もの馬車を呼んで何をするつもり?」
「何をするというよりは、ある物を運んできてもらったんだよ」
「ある物?」
俺達の前に止まった馬車。馬主が『約束の物をお運びいたしました』というと、馬車の中に積んであったであろうあるものが、中から取り出された。
「これって、木材?」
「ああ。他にも色々資材を持ってきてもらったんだ。タナトゥス国王に頼んで」
「タナトゥスって、ライドアの国王?」
「そうだよ。この前も話したと思うけど、俺がこの前直接交渉しに行ったんだよ」
「あの土下座したって話のやつ?」
「土下座は置いておいて、その時に王国祭のために必要な資材がほしいって頼んだら、快く引き受けてくれたんだよ」
「それがこれってわけね。それでこれらを使って何を作るつもりなの? もう二週間しかないのに」
「何を作るかって? そんなの屋台に決まっているだろ?」
「屋台って商店街にあるやつとかじゃないの?」
「それとは全く違った物だよ。まさに祭りにふさわしいものを今から作る」
「本当にできるの?」
「人なら沢山呼んできた」
「呼んできたって……何か馬車から降りてきた?!」
今回タナトゥス国王に頼んだのは、資材の調達だけではない。王国祭に間に合わせるための沢山の人員だ。簡単にいうと俺達の世界で言う、大工さんを呼んだような感じだ。更に作業を効率化させるために、もう一つ秘密アイテムを用意しているのだが、それはまた後ほどってことで。
「えっと、一応こんな感じでお願いします」
頭の人に徹夜して書いた設計図を渡す。これで屋台広場の方は任せられる。俺はココネを連れて次の場所へと向かう。
「ちょっとちょっと、まだやる事があるの?」
「当たり前だろ? 祭りはより楽しいものにしないとな」
■□■□■□
次に俺とココネがやってきたのは、俺の部屋。ここに保管してある自分の世界から持ってきたある物達を有効活用させる。
「何これ。こんなの私見たことない」
「そりゃあそうだろうな。俺の世界にしかないものだからな」
俺が持ち出してきたのは家電用品。コンセントとかの概念がないこの世界に持ち出してもまるで意味がないと最初は思っていたが、別にコンセントを使わなくたってできる。この大量の電池と、大量の持ち運び型コンセントがあれば。
「いいかココネ。俺は今からお前にここにある家電用品の使い方を、全て教える。それを使ってお前には俺の世界にしかない簡単なリュリを作ってもらう」
「こんな訳の分からないもので?」
「見た目はショボイかもしれないけど、かなり役に立つんだぞ。よく見ておけ」
この部屋に来る前に持ってきた簡単な食材を手にして、俺は簡単な料理を始める。最近の電化製品は本当に進化していて、フライパンなどといった馴染みの調理器具を使わなくても、簡単な料理ができるよようになっている。こっちの世界の料理の概念は大体変わっていないのだが、こういった最新のものは当然あるはずがなく、今回俺は料理を最適化する為にわざわざ持ってきたのであった。ただし、電池の数にももちろん限りがあるため、しょっちゅう使えないのだが。
で、今回俺が特別に作ったのが、
「何このドロドロした液体と、白い豆みたいなものは」
「ドロドロした液体はカレーのルーって言って、この白い豆みたいなのが白米だ」
向こうからわざわざ持ってきたカレーのルー(あの箱に入っているやつ)と白米(何合か重い思いしながら持ってきた)を利用したカレーライスだ。これならきっと誰もが驚くであろう。日本の食事がいかに素晴らしいものなのかを。
(今こそ起こして見せよう、この世界にカレー旋風を)
あれ? 何か趣旨が変わっているような気がするけど、まあいっか。
何かすごく恥ずかしいセリフを言った俺は、そのままココネの返事を待つ。俺が言いたいことは全部言った。あとはココネが、自分がどうであるべきかを見つけ出すだけ。
「ケイイチは……私がどうなっても避けようとしない?」
「ああ。それは俺だけじゃない。由奈やリタだって同じ思いだ。だから信じろ」
「……ありがとう。私も少しだけ頑張ってみる」
若干元気のない返事だが、ココネ自身何か見つけ出すことができたのかもしれない。しれならそれでよかった。
「じゃあ早速動くぞ」
「え?」
「王国祭まで時間が少ないんだ。お前がサボってた分、作業が進まなかったんだよ。
年に一度の大イベントなんだろ?意地でも間に合わせるぞ」
「そんなぁ。私まだ眠りたいし。進まなかったのはあんた自身のせいじゃない」
「丸四日何もしなかった言えるセリフか? とにかく行くぞ」
「うわー、引っ張らないでー」
こうして無事ココネの引きこもり脱出が成功し、まともに動ける人員が一人増加。てか姫である彼女がこう何度も引きこもっていて大丈夫なのだろうか? ていうかリタの事件以来セレスを見ていないが、どこへ行ったのだろうか?
(今は気にしている場合じゃないか)
とりあえず急がねば。
■□■□■□
ココネを外に連れ出した俺は、そのまま彼女を連れてある場所へ。
「何よここ、なにもないじゃない」
「そろそろ来ると思うから、ちょっと待っていよう」
やってきたのは城から少し離れた何もない更地。城下町は少しずつ賑わいを見せ始めているのだが、他はこの通りなにも無いに近い。だから今日からある計画を始めることにした。
「あ、きたきた」
少し先に、何台か大型の馬車がやってくる。どうやら約束はちゃんと果たしてくれたらしい。
「一、二、三……五台もの馬車を呼んで何をするつもり?」
「何をするというよりは、ある物を運んできてもらったんだよ」
「ある物?」
俺達の前に止まった馬車。馬主が『約束の物をお運びいたしました』というと、馬車の中に積んであったであろうあるものが、中から取り出された。
「これって、木材?」
「ああ。他にも色々資材を持ってきてもらったんだ。タナトゥス国王に頼んで」
「タナトゥスって、ライドアの国王?」
「そうだよ。この前も話したと思うけど、俺がこの前直接交渉しに行ったんだよ」
「あの土下座したって話のやつ?」
「土下座は置いておいて、その時に王国祭のために必要な資材がほしいって頼んだら、快く引き受けてくれたんだよ」
「それがこれってわけね。それでこれらを使って何を作るつもりなの? もう二週間しかないのに」
「何を作るかって? そんなの屋台に決まっているだろ?」
「屋台って商店街にあるやつとかじゃないの?」
「それとは全く違った物だよ。まさに祭りにふさわしいものを今から作る」
「本当にできるの?」
「人なら沢山呼んできた」
「呼んできたって……何か馬車から降りてきた?!」
今回タナトゥス国王に頼んだのは、資材の調達だけではない。王国祭に間に合わせるための沢山の人員だ。簡単にいうと俺達の世界で言う、大工さんを呼んだような感じだ。更に作業を効率化させるために、もう一つ秘密アイテムを用意しているのだが、それはまた後ほどってことで。
「えっと、一応こんな感じでお願いします」
頭の人に徹夜して書いた設計図を渡す。これで屋台広場の方は任せられる。俺はココネを連れて次の場所へと向かう。
「ちょっとちょっと、まだやる事があるの?」
「当たり前だろ? 祭りはより楽しいものにしないとな」
■□■□■□
次に俺とココネがやってきたのは、俺の部屋。ここに保管してある自分の世界から持ってきたある物達を有効活用させる。
「何これ。こんなの私見たことない」
「そりゃあそうだろうな。俺の世界にしかないものだからな」
俺が持ち出してきたのは家電用品。コンセントとかの概念がないこの世界に持ち出してもまるで意味がないと最初は思っていたが、別にコンセントを使わなくたってできる。この大量の電池と、大量の持ち運び型コンセントがあれば。
「いいかココネ。俺は今からお前にここにある家電用品の使い方を、全て教える。それを使ってお前には俺の世界にしかない簡単なリュリを作ってもらう」
「こんな訳の分からないもので?」
「見た目はショボイかもしれないけど、かなり役に立つんだぞ。よく見ておけ」
この部屋に来る前に持ってきた簡単な食材を手にして、俺は簡単な料理を始める。最近の電化製品は本当に進化していて、フライパンなどといった馴染みの調理器具を使わなくても、簡単な料理ができるよようになっている。こっちの世界の料理の概念は大体変わっていないのだが、こういった最新のものは当然あるはずがなく、今回俺は料理を最適化する為にわざわざ持ってきたのであった。ただし、電池の数にももちろん限りがあるため、しょっちゅう使えないのだが。
で、今回俺が特別に作ったのが、
「何このドロドロした液体と、白い豆みたいなものは」
「ドロドロした液体はカレーのルーって言って、この白い豆みたいなのが白米だ」
向こうからわざわざ持ってきたカレーのルー(あの箱に入っているやつ)と白米(何合か重い思いしながら持ってきた)を利用したカレーライスだ。これならきっと誰もが驚くであろう。日本の食事がいかに素晴らしいものなのかを。
(今こそ起こして見せよう、この世界にカレー旋風を)
あれ? 何か趣旨が変わっているような気がするけど、まあいっか。
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