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 結界。
 滝川晴人の結界は、彼が消滅した後にもその効果を継続させていた。
 だから、それを目撃した人間はごくわずかだった。
 例えば朝倉亮期と朝倉正成の親子。
 亮期は戦いのすぐ近くで、正成は学校の地下深くで、場所は違えど、2人は親子だけあって、よく似た驚愕の表情を浮かべて戦いを見ていた。
 例えば橘あかね。
 彼女は死んだかのように動けない。何度となく失神と覚醒を繰り返しながらも意識を保とうとあがき続けている。朦朧とする意識ではあるが、それでも異常な戦いが極めて近場で行われている事は理解していた。

 例えば―———
 この戦い。『王』と『リヴァイアサン』の戦いを覗いている他の面々。
 ごく僅かなの少数ではあるが、この街『キングダム』の実力者。
 上位数名は、結界など意に介さず戦いを見ている。
 世界の危機を前に彼らは動かない。ただ、戦いを見ているだけだ。
 なぜか?
 それは、彼らは各々、立ち位置が違うからだ。

 ある人物は
 「世界が滅ぶなら、それも一興」
 と、まるでスポーツ観戦をテレビで見ているかのように―——
 娯楽として見ている異常者だった。

 ある人物は
 「全ては『王』のなされるままに」
 と、この戦いで『王』が死ねば自分も後を追う―——
 そう思っていた。
 もっとも、『王』が負けた時点で世界は滅ぶのだが彼はそんな事まで考えていなかった。
 彼は『王』の狂信者だった。

 ある人物は
 「―——―—ッ!?」
 と、言葉も発さず祈っていた。
 元々『王』に近しい人物だった彼女は、戦いが始まる以前から、全てを知っていた。
 全てを知り、それでも動かないのは『王』への忠誠心だけではない。
 彼女が『王』の恋人だった。

 他には―——
 世界の危機を感知し、状況を把握しないまま、慌てて戦いを見ているマヌケもいる。
 実力者が全て聡いわけではない。実力者だからと言って、全てに精通しているわけではない。


 よって、彼らは動かない。
 動けないのではなく動かない。それは各々の信念、あるいは信仰と言った物に由来している。
 それらを一つの言葉でまとめれば『王』の強さへの信頼なのかもしれない。
  一部の例外は除き……

 ともあれ―——
 この戦いは朝倉親子の問題から、遥かに高い場所へシフトチェンジが行われていた。

 そして彼らは見た。
 『リヴァイアサン』の咢から放出される光を―——
 世界を滅ぼそうとする一撃を―——
 

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