スキルゲ!!

チョーカー

終末の獣 『リヴァイアサン』

 膝から力が抜けていく。
 体力がどうとか、戦闘力が、気合が……
 そんな例えでは言い表せない。
 生命力そのものが失われていく感覚とはこういうことなんだろう。
 次に感じたのは鋭い痛み。
 体の痛みではない。体の外から痛みを感じた。
 まるで僕の体に不可視な部分が存在していて、そこが痛めつけられるような不思議な感覚。
 その痛みは、どこかが噛み切られているような痛み。
 そうか。僕は納得する。
 これが、魂を喰われた痛みなのか……と。

 空間に震えが走る。
 次に空間がねじ曲がっていく。
 何かが生まれていく。その膨大なエネルギーが周辺に影響を与えていく。
 限界まで圧縮されたエネルギーは次の瞬間、外部に向かって発散された。
 そして爆発が起きた。

 ……記憶が飛んだ。
 今度は体全体が痛みに支配されている。
 中々、目が開かない。
 それでも、痛みに耐えて目を開く。
 さっきまで僕らがいた体育館。見る影はなく、建物が消滅していた。
 隣接していた学校の校舎にも破壊の後が見える。
 体が重い。いや、違う。体の上に何かが乗っかっている。
 体育館のがれき?それにしては硬度が……
 違った。それは無機物ではなかった。
 僕の上に乗っかっているもの。それは橘あかねだった。
 彼女は気を失っている。学校の制服がズタズタに切り裂かれ、その隙間から見える背中には無数の傷がついていた。
 どうしてこうなったのか?
 なぜ、彼女は背中だけ傷ついているのか?
 なぜ、彼女は僕の上に倒れていたのか?
 考えればすぐにわかる事だ。彼女は僕をかばって傷ついたのだ。
 そう僕を……
 何から?何から僕を守ったのか?
 そこにソイツは存在していた。

 
 終末の獣 『リヴァイアサン』

 これを本当に『モンスター』というカテゴリに当てはめて良いものだろうか?
 空中の浮かび上がる巨躯な肉体。それは龍のような生物だった。
 体は鱗に包まれている。 巨大な咢からは時折、炎を漏らしている。
 ソイツは空を踊るように駆け上がっている。
 だが、躍動する体と反して、その眼は一点を見つめ、不動だ。
 ソイツは、僕をジッと見つめている。
 嗚呼、無理だ。この生物と僕が繋がっている感触はある。
 方法はともかく、コイツは僕が召喚した生物だ。
 しかし、この生物をまえに僕の正気は失われつつある。
 ソイツを見ているだけで僕の内側から狂気が生じていく。
 発狂。暗黒。死……駄目だ。僕はコイツを操れない。

 
 今日、世界は滅ぶ。

 

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