スキルゲ!!

チョーカー

死神の鎌

 力強い踏み込みに合わせ、体は加速していく。
 一歩。その踏み込みだけで朝倉亮期の肉体は滝川晴人の位置へとたどり着く。
 強く、硬く握りしめた拳が滝川晴人に放たれる。
 格闘技の基本など、無視した大振りのテレフォンパンチ。
 軽々しく滝川晴人は回避した。
 避けられ、大きくバランスの崩した朝倉亮期の拳。
 そのまま地面に接触、まるで爆発が起こったように床の木片が周囲に弾き飛んで行った。
 明らかに人間離れした朝倉亮期の攻撃。
 しかし、それは……
 「スキルとはちゃうみたいやな」
 人間離れした朝倉亮期の攻撃に滝川晴人は断言する。
 四本足の獣のように、繰り出される荒々しい攻撃を避け、滝川晴人は断言する。
 「やはり、封印されとったか。スキルを封印するスキル。可能性は考えていたわ」
 滝川晴人は防戦一方。朝倉亮期は理性を失ってようだ。
 「見えるで。スキルがプロテクトで覆われている。徐々にヒビが入り、そこからスキルの力が漏れているのが見えるで」
 朝倉亮期の一撃が滝川晴人に吸い込まれていく。
 しかし、滝川晴人は微動だにしない。
 朝倉亮期の拳は滝川晴人に届いていなかった。
 朝倉亮期の拳が滝川晴人の体から発せられる物体によって止められていた。
 オリジナルの滝川晴人の代名詞。絶対防御の黒い炎。
 「出せよ。お前に眠るスキルを解放しろよ」
 朝倉亮期の打撃は終わらない。一発、二発、三発、何度も何度も繰り出される打撃の嵐。
 やがて黒い炎に亀裂が生じていく。それでも朝倉亮期の連撃に終わりはない。
 亀裂は広がり、ついには砕け散る。
 防御スキルを失い、生身を晒した滝川晴人の肉体。
 止めと言わんばかりに大振りの一撃を放つは朝倉亮期。
 その一撃が放たれる直前、朝倉亮期の肉体は静止した。
 砕け散った滝川晴人の黒炎。それが鎖に変化し、朝倉亮期の四肢に巻き付いていたのだ。
 朝倉亮期は獣の動きのまま、力で強引に鎖を破壊していく。
 鎖の捕縛は朝倉亮期の動きを一瞬だけ止めるしか効果は発揮しなかった。
 しかし―——
 「一瞬、一瞬だけ止まれば十分や」
 滝川晴人の手には大鎌が握られている。その大鎌は黒く、禍々しい。
 「俺が滝川晴人である理由はこれだ。もしも、本物の滝川晴人が武器を追求していたら、たどり着いていたかもしれない極地・・・・・・

 『死神の鎌』

 滝川晴人は無慈悲に鎌を振り下ろした。


  

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