スキルゲ!!

チョーカー

疑問

 この学校の警備員。
 確か名前は三島界人と東郷剣・・・・・・だったはず。
 2人とも、警備員の制服に身を包んでいるためか、個性が乏しく感じられる。
 そう言えば、校内では銃器を携帯していないのか。
 彼らも、理科準備室に入るのが始めてなのか、室内を物珍しそうに眺めている。
 やがて芦屋先生の説明が始まり、神妙な顔に変わる。
 「……以上が今回のあらましですが、何か質問はありますか?」
 「疑問が1つ。なぜ、滝川晴人は朝倉亮期を狙っているのでしょうか?」
 三島界人は僕を見ながら言った。
 なぜ、僕を狙っているのか? なぜ・・・・・・? 
 僕自身には心当たりがない。そもそも、モンスターって言うのは人間を襲うものではないのか?
 僕の疑問を察してくれのか、その疑問を答えたのは芦屋先生だった。
 「モンスターは人間を襲うものです。しかし、多くのモンスターは伝承などにあるモンスターのイメージに則った行動を行います。つまり彼らは無意味な行動を行わない生物なのです」
 その説明は、僕には難しいものだった。
 いや、モンスターが人間のイメージ通りの行動を行うという意味だとわかる。理解できる。
 たとえば、吸血鬼なら太陽の光を浴びると消滅してしまう。
 たとえば、人狼なら満月を見ると正体を現してしまう。
 たとえば・・・・・・。たとえば・・・・・・。
 いくらでもたとえは思いつく。
 しかしそれは、あまりにも人間に都合の良い事なのではないか?
 「つまり、それは、モンスターは人間のイメージするモンスターの生態を忠実に再現しているという事ですか?」
 僕は思い切って質問をぶつけてみた。
 芦屋先生の答えは―――
 「その通りだ。今だに『モンスターとは何か』その答えは出ていない。
 しかし、研究は進み。その生態についての実験報告は数多く存在している」
 なんせ、この街には、そのためだけに世界中から研究者が集まっているからね。そう付け加えた。
 「一説にはモンスターの生態は、人間のイメージによって決定付けされる。いわゆる観測者効果が起こっているのではないと考えもあるのさ」
 「観測者効果?」
 初めて聞く言葉だった。いや、思い出してみると父親がいつか使っていた記憶がある。
 あれは、どんな時だったのだろうか?思い出せない。

 しかし、モンスターの行動は人間からの影響を受けると言うなら、さっきの三島界人さんがした質問の意味もわかる。

 なぜ、滝川晴人は僕を狙ったのか?



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