スキルゲ!!

チョーカー

理科準備室の主

 その後、僕は教室で授業を受けた。
 本当は保健室にでも駆け込んで、休もうとも考えたが、転校2日目で授業のサボタージュは心苦しかった。
 なんでだろう?僕は命を狙われたのも関わらず、世間体を気にしている。
 滝川晴人が言った言葉―——なんだったけかな?
 どうやら、僕は忘却してしまったみたいだけど、どこか引っかかっている。
 あれ?何かおかしい。どこか矛盾しているような・・・・・・
 僕は目を閉じ、心を調節する。
 違和感となる原因は何か?それはわからない。
 僕はそれを削除した。

 次々に行われる授業についていけない。
 集中しようとして、滝川晴人の姿を思い出してしまう。
 これからもアイツに怯えて生きていかないといけないのか?
 なにか、対策は・・・・・・。
 何も浮かばない。そう、僕には何も浮かばなかった。
 じゃ、どうすればいい?
 僕では何も解決案が思いつかない。だったら、他の人間に頼ればいい。
 この学校、転校したばかりで友達や知人と言える人物はいない。
 だったら、先生だ。
 芦屋先生は一見頼りない風貌だけれども、あの滝川晴人を1人で追い返している。
 僕の知り合いで滝川晴人に対抗できる唯一の人物。
 なんで思いつかなかったのだろうか?今となっては、それが不思議でならない。
 僕は、放課後に芦屋悟朗先生を訪ねる事にした。

 「ここじゃ何だからついて来なさい」
 放課後の職員室。当たり前だけれども、そこには芦屋先生がいた。
 先生は僕が話初めると、慌てた様子で話を止めるよう言ってきた。
 職員室でスキルや滝川晴人の話はタブーなのだろうか?
 そう疑問に思いながら先生の後をついていった。
 「中に入りなさい」
 先生が勧めた場所は理科室。
 なんで理科室なのだろうか?
 僕の疑問に先生は「科学部の顧問でね。鍵は自由に使えるんだ」と答えた。
 そのまま、先生は準備室へ入っていた。当然ながら僕も後をついていく。
 なんとなく「理科準備室は先生のための部屋」
 そんなイメージがあったため、入室した経験は殆どない。
 たぶん、授業に必要な機材を置いてあるための部屋なのだ・・ろ・・・う?

 だが、僕の予想は簡単に裏切られた。
 僕はすっかり忘れていたのだ。ここはキングダム。
 僕の常識なんて通じない街だという事を―——―――
 部屋に置かれている物。乱雑に詰まれていたり、管理されている様子のない物が多く感じられる。
 しかし、その多くは未知の物。
 古臭い書物。鎧兜といった防具。そして武器と武器と武器。
 中でも驚いたのはモンスターの剥製の数々だった。
 そんなカオスな部屋。
 その住人である芦屋先生は部屋の真ん中に鎮座されてある椅子に深々と腰を下ろした。
 まるで先生も部屋の一部に見える。いや、むしろ、先生がその場所にいる事で、この部屋は完成する。
 ひょっとしたら、それこそが、この部屋のコンセプトかもしれない。
 そして、先生は―——
「さて、では話をお聞きしましょう」
 とだけ言った。
  

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