スキルゲ!!

チョーカー

闇の螺旋階段 光の部屋

 暗い。その場所はただ暗い。
 そこが、どのような場所なのか推測するには、そこを歩いている人間を見て判断するしかないだろう。
 おそらく、そこは階段。 回るように降りている螺旋階段。
 長い階段だ。そこを歩いている人間は、すでに5分以上は歩いて下っている。
 その人間は歩みを止めた。人間の前に何があるのか?
 そこは漆黒だ。ただ黒い。
 だが、その人間は手を前に出し、漆黒を押し開く。
 その暗闇に扉が隠されていたのだ。隙間から漏れる光。
 今までの闇になれた目を焼き潰そうとでもしているのか、ただ眩しいばかり。
 しかし、その人間は光も闇も、影響を受けないのか、ごく普通に光の中へ入っていく。
 いや、光と闇の影響下にない者を『ごく普通』と表していいものだろうか?
 おそらく、その人間は普通ではない。
 そして、眩い光の中で、その人間を待っている人間もまた、普通ではないのだろう。

 「意外と早かったな。奪えたか?」
 光の部屋で待っていた男が話す。
 男は、30代か40代の中年男性。中肉中背で、特徴が見当たらない。
 しいて言えば、めがねをかけているだけだろうか?
 「いや、邪魔がはいってもうてな」
 次にしゃべったのは闇から部屋に入ってきた男だ。
 男は若い。おそらくは、まだ10代。赤髪の短髪。派手な髪型だ。
 着ている衣服は学生服。なぜだか、ボロボロに切り裂かれている。
 男は、滝川晴人だった。

 「邪魔?」
 中年男性は鋭い眼光で滝川晴人を射抜く。
 だが、滝川晴人は、一歩もたじろぐ様子はない。
 「元王様や。なんでか、あの学校の教師になっているで」
 「あぁ、それは知ってる。彼もまた、この世界を破壊できる可能性を持つ1人だ」
 「なるほど。2人を引き合わせたのはあんたの思惑やったんか」
 「そうだ。世界を破壊するだけなら、息子の亮期だけでも可能だろうが、保険は沢山あったほうがいい・・・・・・。奴は、世界の結界を破壊した男だ。この世界も破壊できない道理はない」
 「その目的のためなら実の息子を道具扱いか。あんた、ろくな死に方できないで?朝倉さん」
 「ふん、知った口を叩きおって。それでも息子を救う方法だ。次はしくじるな」
 「おいおい。俺を誰やと思ってるんや?」
 「そうだな。お前は滝川晴人だったな。本物の滝川晴人だ」

 滝川晴人は部屋を出る。
 光の部屋を出て、闇の螺旋階段を駆け上がっていく。
 その最中に呟いた言葉は―――

 「あんたにとっては息子を救う方法なんやろうけど、息子にとっては地獄やろ。それ」



 

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