スキルゲ!!

チョーカー

神速の如く一撃にて

 大鎌の黒々とした刃が僕に向かってく振り落された。
 死の直前の走馬灯。僕の人生が映像のように流れてくる。
 周囲の動きは、まるでスローモーション。
 ゆっくりと―――しかし、確実に僕の命を刈り取るため、死神の刃が襲ってくる。
 だが、周囲に響いたのは、金属音。
 僕に向かっていた振り下ろされた大鎌が同じ速度で跳ね上がっていく。
 スローモーションの後は巻き戻し。まるで、記憶媒体みたいだ。
 しかし、それを人力で成し遂げた者がいる。
 それは、当然ながら、僕ではない。
 僕と滝川晴人の間。突如として現れた人物が、防いだのだ。
 くたびれた紺色のスーツ。ボサボサの髪型。ヒーロー像から程遠い風貌。 
 芦屋先生。芦屋悟朗先生だった。
 「朝倉よ、怪我はないか?」
 「え?あっ、はい」
 僕の無事を確認して、芦屋先生は笑顔を見せる。
 余りにも異常な状況であれ、それが生徒を心配する教師の姿からくる笑顔なのだと、僕は漠然とながら理解する。
 しかし、そんな様子を笑い声が切り裂いてくる。
 その笑い声の主は、当然、滝川晴人だ。
 「これは、これは、キングダムの守護者。唯一無二の到達者の異名を持つ元王様の登場か。名を変え、立場を捨て、ただの教師風情まで落ちたお前が、不良のタイマン勝負の邪魔しようってのか?」
 「黙れよ、偽者が。てめぇなんて、学校七不思議レベルの存在だろうが」
 正直、僕には2人の会話の意味はわからなかった。
 ただ、両者は因縁めいた関係だという事だけはわかった。

 そして、勝負は一瞬だった。
 大鎌は一直線に振り下げる滝川晴人。
 芦屋先生は避ける動作も受ける動作もしなかった。
 何もしなかった―――そのはずのに・・・・・・
 気がつけば、滝川晴人が宙へ吹き飛ばされていた。そのまま、滝川晴人は地面へ叩きつけられる。
 何が起きたのか?
 僕がわかったのは、芦屋先生が何らかのスキルを使用しているということだけだ。
 けれども、それは、僕が知識として知っているスキルの効果とは、あまりにも桁違いな攻撃。
 一体、どんなスキルで、どんな攻撃をしたのか?それすらわからなかった。

 「逃げたか」

 芦屋先生の一言で我に返った。
 見れば、滝川晴人の姿は消えていた。

 

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