スキルゲ!!

チョーカー

転校初日の通過儀礼 その始まり

 「ほら、ここって特殊な地域だから転校生も珍しくて、珍しくて、実は先生も緊張なんてしちゃってるんだよ」
 「はぁ、そうなんですか?」

 教室に向かう間、芦屋先生はおどけた感じで僕に話しかけてくる。
 僕の気の抜けた返事にも気を悪くした様子はない。
 どうやら、緊張しているように思われたみたいだ。
 いや、実際に緊張しているので間違いはないのだが・・・・・・。

 「それでさぁ・・・・・・」

 芦屋先生は話を続けようとする。しかし、その口調はさっきまでとは違っていた。
 どうやら、さっきまでの話は世間話であり、これからが本題という事らしい。

 「うちのクラスは、良い奴ばかりでなぁ」
 「・・・・・・はぁ」
 「良い奴ばかりなんだけど、変な奴が多くてねぇ。まぁ仲良くしてやってくれよ」
 「・・・・・・」

 ん~?なんだろう?その言い回しは?
 妙に遠回りな話し方で、どこか誤魔化しているような感じがした。
 ひょっとすると、僕のクラスメイトは問題児揃いなのか?
 いやいやいや。それってまずくないかい?
 常人離れ。人間離れ。この街の住民は、そんな言葉で表現されている。
 特殊能力者の集まり。そんな集団からも問題視されている連中って一体、どんな奴らなんだ?

 「さぁ、ここが教室だ。呼ぶまで外で待っててもらえるかい?」
 「え?あっ・・・はい・・・・・・」

 芦屋先生は教室へ入っていった。
 外まで聞こえていた騒音は先生の入室と同時に静まった。
 意外と礼儀正しいのか?いや、でも・・・・・・
 逆に不安感が募っていく。

 「やべぇ、逃げ出したい」

 そんな独り言も、無人の廊下にむなしく響き。
 「と言うわけで、今日は君たちの仲間になる転校生がいます。入ってきてください」
 芦屋先生の呼び込みに、思わずビックと体が跳ねた。
 教室のドアを開く。おそろ、おそろと教室の中を見渡すと・・・・・・
 普通だ。予想に反して普通だ。
 ヤンキーとか、番長とか、モヒカンとか、想像していた風貌の人間はいなかった。
 こうやって見ると、むしろ転校前の学校の方が荒れていた気すらしてくるから不思議である。

 「みなさん始めまして。朝倉亮期といいます。これからよろしくお願いします」

 クラス全員から注目されるのは緊張したが、自己紹介が終え、少しばかり緊張が解けた気がする。
 先生に指定された席に座り、ため息をひとつ。
 これから、がんばろうと心に誓った。

 

 

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