スキルゲ!!

チョーカー

彼は新生活に胸を躍らせる

 『ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ』
 デジタル時計のくせにアナログ風の音を響かせて、目覚まし時計は鳴り響く。
 僕は叩くように目覚ましのスイッチを止めた。
 寝ぼけならが時計を見ると7時を越えている。
 どうやら、二度寝防止のスヌーズ機能であって、自分でも気がつかないうちに目覚まし時計を一度止めていたようだ。
 慌てて飛び起きるも、自分の部屋の様子に気がつく。

 「そうか、引越ししたんだ」

 今までとは違い、7時起きでも遅刻することはないんだ。
 微妙な生活リズムの変化に朝からセンチメンタルな気分になってしまった。
 ぶんぶんと頭を振って、おセンチな感情を振り払う。
 今日から新生活だ。明るく、楽しく、笑おうじゃないか。
 そう決めて、僕はベットから飛び起きる。
 その瞬間、不意に昨日の光景が脳裏に浮かぶ。
 素手だった少女の手に、いつの間に存在していた日本刀。
 チャラ男2人組みが両手から出した炎の魔法スキル。

 「スキル能力か・・・・・・。僕に使えるようになるのかなぁ?」

 スキル能力とは、モンスターと戦うための異能の力。
 昔は、誰しもがモンスターを見れたわけではない。
 モンスターが出現すると同時に結界という特殊なフィールドが生まれ、その中に入れる者と入れない者がいたという。
 つまり、結界に入れない者は一生、モンスターを見ることができなかったわけだが・・・・・・。
 結界崩壊という謎の現象が起こり、この街の中ではいつでも誰でもモンスターに襲われるリスクが起きる。
 そして、モンスターと対峙した瞬間に、スキルという謎の力が発動するという。
 つまり、この街に住む人間のほとんどは、何らかの超能力じみた力の持ち主と言う事になる。
 それを不安に思う反面、楽しみでもある。
 もしかしたら、ひょっとしたら―――
 誰もいない、助けの呼べない場所でモンスターに襲われ、発動したスキルが使い物にならないほどの酷い性能で、そのまま死んでしまう可能性もある。
 でも、それでも―――
 僕の中には、未知の力が眠っていて、近い将来、確実に目覚めるとわかっているなら―――

 「よし!今日も一日がんばるぞい!?」

 大きな声をだして、新しい学校の新制服に袖を通して、登校の準備に勤しんだ。
 

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