アンリミテッドペイン
導き出された推理
『ハイトゥン・イー』
このアバターを捕まえるまで、苦労した。
向里佳那のアバターの情報は、ほぼ0。推測に推測を重ねて、ようやく辿りついたのだ。
まず、向里佳那は『アンリミテッドペイン』のランカーではない。
ランカーとは、公式が発表している『アンリミテッドペイン』の上位100人の事である。
『アンリミテッドペイン』には3つのモードが存在している。
野試合モード
VS CPUモード
そしてランキングモード
野試合モードは、誰とでも試合ができるモードだ。
今回の向里佳那が指定してのも野試合モード。なぜ、正式試合と扱われるランキングモードではなく、野試合モードなのか?
おそらく、向里佳那は俺とランキングが離れている。
勝者がポイントを得られ、ランキングに反映するランキングモードでは、近い実力である評価を受けたもの同士が優先して戦う事になる。それを選択しなかったのは、単純にランキングに差があって戦えないのだろう。
もっとも、俺は現在のランカー100人とそれに近い選手。
このレベルの選手ならいつ戦うかわからない。当然ながら、日常的に研究をしていて知らない選手は皆無と言ってもいい。
その中で彼女のようなスタイルの選手に当てはまる奴はいなかった。
しかし、実際に手合わせした感覚で言えば、彼女は、それなりの実力者だとわかる。
・・・・・・それなり?まぁ、現実では負けたわけだが。
だとすると、強者も弱者も無関係にただ制限なく野試合を繰り替えしている、純粋な戦闘中毒者の可能性もある。
だから、実力がランキングに反映せれていないのではないだろうか?
少なくとも、現実に喧嘩を吹っかけて来るほどの理性の持ち主ではある。
戦闘中毒者には間違いない。
ひょっとしたら、地域別で表示されるランキングには載っているかもしれない。
そう考えて、普段検索しない地域の情報。ご当地有名選手も探してみたが、情報は見つからなかった。
こんなことなら、彼女の転校初日、質問攻めの通貨儀式に耳を傾けておけばよかった。
少なくとも、転校生に「どこから来たのか?」というのは、1番か2番目くらいに聞かれる質問だろう。
ランキング上位にはいない。地方ランキングから探れない。
ここで俺はアプローチを変更してみた。
彼女が扱う格闘術は何か?
彼女の蹴り技は演舞のような美しさ。他者に人間の機能美を見せ付けるような技の数々だった。
しかし、それだけではない。
一見、見せ掛けだけの大技に潜ませ、恐ろしく効率的で鋭い攻めを織り交ぜていた。
実と虚。
フェイントと強打。
伝統武術と近代格闘技。
温故知新・・・・・・。
伝統武術と近代格闘技が入り混じった格闘技は何か?
俺の脳裏に思い浮かんだキーワード。そこから検索をかけ、向里佳那――――いや。
『ハイトゥン・イー』という選手にたどり着いたのだ。
先ほどの試合動画、停止した画面。
『ハイトゥン・イー』のバックボーン。使用格闘技として表示されているのは・・・・・・。
『中国拳法 新型』
このアバターを捕まえるまで、苦労した。
向里佳那のアバターの情報は、ほぼ0。推測に推測を重ねて、ようやく辿りついたのだ。
まず、向里佳那は『アンリミテッドペイン』のランカーではない。
ランカーとは、公式が発表している『アンリミテッドペイン』の上位100人の事である。
『アンリミテッドペイン』には3つのモードが存在している。
野試合モード
VS CPUモード
そしてランキングモード
野試合モードは、誰とでも試合ができるモードだ。
今回の向里佳那が指定してのも野試合モード。なぜ、正式試合と扱われるランキングモードではなく、野試合モードなのか?
おそらく、向里佳那は俺とランキングが離れている。
勝者がポイントを得られ、ランキングに反映するランキングモードでは、近い実力である評価を受けたもの同士が優先して戦う事になる。それを選択しなかったのは、単純にランキングに差があって戦えないのだろう。
もっとも、俺は現在のランカー100人とそれに近い選手。
このレベルの選手ならいつ戦うかわからない。当然ながら、日常的に研究をしていて知らない選手は皆無と言ってもいい。
その中で彼女のようなスタイルの選手に当てはまる奴はいなかった。
しかし、実際に手合わせした感覚で言えば、彼女は、それなりの実力者だとわかる。
・・・・・・それなり?まぁ、現実では負けたわけだが。
だとすると、強者も弱者も無関係にただ制限なく野試合を繰り替えしている、純粋な戦闘中毒者の可能性もある。
だから、実力がランキングに反映せれていないのではないだろうか?
少なくとも、現実に喧嘩を吹っかけて来るほどの理性の持ち主ではある。
戦闘中毒者には間違いない。
ひょっとしたら、地域別で表示されるランキングには載っているかもしれない。
そう考えて、普段検索しない地域の情報。ご当地有名選手も探してみたが、情報は見つからなかった。
こんなことなら、彼女の転校初日、質問攻めの通貨儀式に耳を傾けておけばよかった。
少なくとも、転校生に「どこから来たのか?」というのは、1番か2番目くらいに聞かれる質問だろう。
ランキング上位にはいない。地方ランキングから探れない。
ここで俺はアプローチを変更してみた。
彼女が扱う格闘術は何か?
彼女の蹴り技は演舞のような美しさ。他者に人間の機能美を見せ付けるような技の数々だった。
しかし、それだけではない。
一見、見せ掛けだけの大技に潜ませ、恐ろしく効率的で鋭い攻めを織り交ぜていた。
実と虚。
フェイントと強打。
伝統武術と近代格闘技。
温故知新・・・・・・。
伝統武術と近代格闘技が入り混じった格闘技は何か?
俺の脳裏に思い浮かんだキーワード。そこから検索をかけ、向里佳那――――いや。
『ハイトゥン・イー』という選手にたどり着いたのだ。
先ほどの試合動画、停止した画面。
『ハイトゥン・イー』のバックボーン。使用格闘技として表示されているのは・・・・・・。
『中国拳法 新型』
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