8月31日の冒険
8月30日(土) 22時
「もう22時よー、寝なさーい」
「はーい」
そう言って俺はゲーム機の電源を切った。
小学生というのは夏休みの宿題があってはっきり言って嫌だけど、もう日記以外は終わっている。やっべ、俺って天才?
ふわあ、と欠伸をひとつ。
もう眠い。
さっさと寝てしまったほうがいいかな……そう思って俺は用意した布団に潜り込もうとした――
「ちょっとー! 電話よー!」
下のほうから母親の声が聞こえる。何だよ! 寝ろとか言ったり電話とか言ったり!
まあ、仕方ない。
俺はそんな言い訳をぶつぶつ言いながら、階段を下りた。
電話機はリビングにある。父親が柄にもなくテレビを見て泣いていた。ちらっと画面を覗くと24時間テレビのドラマをやっているらしい。味噌汁か……明日の味噌汁楽しみだな。
と。そんなことを考えている場合じゃない。
俺は受話器をとって、その声に答えた。
「もしもし」
「あ、え……カオリちゃん!? どうしたのさ急に」
カオリちゃん……七草カオリは俺のクラスの高嶺の花……といってもいい。それくらい綺麗な彼女だ。ファンクラブもあるくらい。ちなみにファンクラブ会員第一号ですよ俺は。設立したの俺だもんね!
「あのさ……明日、一緒に遊ばない?」
「遊ぶ? どうして」
「いいから」
そう言ってカオリちゃんは待ち合わせ場所を言う。近所のファミリーレストラン。そこに九時とのことだ。九時か……きちんと起きなくちゃ。
「それじゃ、バイバイ」
そう言ってカオリちゃんは電話を切った。
「なんだってー?」
母親からの声。
「カオリちゃんと明日遊ぶことになったー!」
「そうかいそうかい」
どうやら俺の顔はそれほどに嬉しいものだと見えていたらしく、母親は笑っていた。当たり前だ。マドンナのカオリちゃんと遊べるんだぜ? 楽しいったらありゃしないぜ。
そうして俺は――二階に上がり、布団に潜る。
それから眠りにつくのは一時間後だということは、まだ俺も知らないことだった。
「はーい」
そう言って俺はゲーム機の電源を切った。
小学生というのは夏休みの宿題があってはっきり言って嫌だけど、もう日記以外は終わっている。やっべ、俺って天才?
ふわあ、と欠伸をひとつ。
もう眠い。
さっさと寝てしまったほうがいいかな……そう思って俺は用意した布団に潜り込もうとした――
「ちょっとー! 電話よー!」
下のほうから母親の声が聞こえる。何だよ! 寝ろとか言ったり電話とか言ったり!
まあ、仕方ない。
俺はそんな言い訳をぶつぶつ言いながら、階段を下りた。
電話機はリビングにある。父親が柄にもなくテレビを見て泣いていた。ちらっと画面を覗くと24時間テレビのドラマをやっているらしい。味噌汁か……明日の味噌汁楽しみだな。
と。そんなことを考えている場合じゃない。
俺は受話器をとって、その声に答えた。
「もしもし」
「あ、え……カオリちゃん!? どうしたのさ急に」
カオリちゃん……七草カオリは俺のクラスの高嶺の花……といってもいい。それくらい綺麗な彼女だ。ファンクラブもあるくらい。ちなみにファンクラブ会員第一号ですよ俺は。設立したの俺だもんね!
「あのさ……明日、一緒に遊ばない?」
「遊ぶ? どうして」
「いいから」
そう言ってカオリちゃんは待ち合わせ場所を言う。近所のファミリーレストラン。そこに九時とのことだ。九時か……きちんと起きなくちゃ。
「それじゃ、バイバイ」
そう言ってカオリちゃんは電話を切った。
「なんだってー?」
母親からの声。
「カオリちゃんと明日遊ぶことになったー!」
「そうかいそうかい」
どうやら俺の顔はそれほどに嬉しいものだと見えていたらしく、母親は笑っていた。当たり前だ。マドンナのカオリちゃんと遊べるんだぜ? 楽しいったらありゃしないぜ。
そうして俺は――二階に上がり、布団に潜る。
それから眠りにつくのは一時間後だということは、まだ俺も知らないことだった。
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