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ノベルバユーザー194919

Ⅱ-エピローグ

王都平原ノ迷宮が攻略されると同時に迷宮内にいた全ての人が外に放り出された。
『王都平原ノ迷宮が攻略されました。
迷宮内部に人工物を確認しました。
王都平原ノ迷宮は虚迷宮になりました。
これにより各層のボスモンスター及び報酬は消去されます。
王都平原ノ迷宮は試練ノ迷宮になりました』
穴は小さくなり、人が三人入れるかどうかといった大きさになった。
調査装置は攻略者を表示した。
『王都平原攻略者:スカイ、フィナ』
ギルド職員はスカイとフィナを呼び出し、ギルド長の元まで連れて行った。
「ほう…さすがというべきかな」
暗にスカイの履歴を仄めかすギルド長。
「で、なんで俺はここに連れてこられたんだ」
「大迷宮を攻略した探索者はどんなランクの者でもギルド長と話すんだ。
ギルド長が直々にその者の素質や性格を図るためにな」
「不適合者は暗殺ってところか?」
「ギルドには暗殺部門がある」
スカイの質問には答えていないものの、ほぼYESと言っているようなものだろう。
「…で、そんなのはどうでもいいだろう。他には何かないのか?」
「ははは。確かに君とは話したからな…隣のエルフは奴隷だから君に問題が無ければ大丈夫だろう?
君に話すのは報酬の話だ。まずランクアップからか。
スカイはA-からA、隣のエルフは…Cだな」
「おい、なんでそんな曖昧なんだ」
「スカイの付き人としてしか認識していないからだ。
探索ギルド条約で、奴隷は主のランクから2ランク下であること。という規則があるからな。
ランクアップ以外では…迷宮攻略で得られた報酬の金銭の九割」
さすがに手数料に近い物が取られるようだ。
ま、旨みが無くては国も動かないだろう。と頷くスカイ。
「後…次回迷宮攻略報酬金銭を全額にする。さらに、最上級職の解禁といったところだ」
これにも頷き、次の迷宮はなるべく金儲けできるところが良いなと思うスカイ。
「ではAランクの特権について説明しよう。
Aランク探索者は探索者カード更新を申請すれば最大一年間引き延ばすことが可能だ。
さらに、探索者ギルドに登録した店で全品半額の割引。
また、専属娼婦―――は要らないな。他にも国王との謁見申請が可能だな。
さらに貴族爵位を希望することも可能…といったところか。
Aランクは他にも優遇措置が十数個あるから、
後で資料室のAランク探索者のみ閲覧可能図書区域で調べてくれ」
「じゃあ一つ。国王との謁見を申請しておく」
「隣のエルフもか?」
「俺一人でいい。どうせ費用は金貨五枚だろう?」
「さすが良く知っているな。もう少し詳細に言えば、国王の延長が無い限り謁見時間は十分だ」
「十分で話はつく。問題ない」
「ああ、あと受付でカードを変更してくれ。
Aランク探索者カードはミスリルとオリハルコンの合金製の魔法道具となっている」
ギルド長の部屋を出るとフィナは頬を膨らませる。
「あの糞野郎…私を奴隷…それも性奴隷としてしか見てなかった…許さない…許さないぞぉぉぉ!!!」
いや、その役割も兼任してるだろ…と口に出せば殺しに来るので心の中で呟くスカイ。
受付でカードを交換してもらう。
「では血液と魔力を流した後に、この板に手を置いてください」
言われた通りにすると、カードが現れる。
「カードチェック完了しました。どうぞ」
少し受付嬢は目を見開くも、それ以上の動揺を隠してカードをスカイに渡す。

名前:スカイ=フリーダム
称号:王都平原ノ迷宮攻略者
職業:魔法戦士
特技:総合戦闘術(Ⅸ)、弓術(Ⅹ)
固有魔法:分解
固有体質:魔眼
挑戦中迷宮:なし
最新達成迷宮:王都平原ノ迷宮
ランク:A

装備欄が無くなり、特技の場所が総合戦闘術なるものに変貌している。
固有体質が追加され、最新達成迷宮に王都平原ノ迷宮の文字が入っている。
「このカードは自己申告による情報ではなく、
血、魔力の偏り、手の状態から全てを特定します…なので装備は表示されません」
Aランクになると完全な情報開示が必要となることを瞬時に理解するスカイ。
「そうか…あと資料室のA区に入るぞ」
「ああ、はい。そちらはA区隔壁にカードを当てれば隔壁が開きます」
国主導とあって、魔法道具を使いまくりか…と思わなくもないスカイ。
Bランク以下の国民―――下級貴族クラス―――には開示されないこの国の秘密がある。
首都のはるか上空。そこには旧王都が浮遊している。
現在の名称は国立魔道具研究所となっている。
大陸統一戦前から勧められた天才結集計画の全貌を全て持ち抱えている場所だ。
国王ですら研究ランクB(準機密事項)までしか観閲の出来ない超特務機関だ。
初代国王の創設に伴い、魔法道具の研究は開始されている。
未だにその謎はほとんど閲覧不可となっているが、魔道武器の研究から派生して出来た物。
しかし…それが研究ランクD(機密性ナシ)とされるほど
高度な技術を持ち合わせた楽園とも言うべき場所は、
すでに旧王都の面影など欠片も残っておらず、完全なピラミッド構造と管理状態を保っている。
噂程度の物で確実性は皆無だが、脳移植及び義体設備さえあるとのことだ。
ちなみに現王都にはランクBの魔法技術によって
対魔法障壁及び迎撃システムを完備しているという噂さえ一部貴族の間では話が流れるほどだ。
が、そんな話は置いておいて、
スカイとフィナはまず十五階層まで使っていた弓と粉々のミスリル片を鍛冶屋に持って行った。
「おい…ミスリルの剣が粉々になるなんてありえねぇぞ…
それもこれほど粒子を細かくできるなんて技術は聞いたことがねぇ…魔法鍛冶師ってところか」
自身の作品が粉々に砕かれたことを知り、愕然とするも、鍛冶師はすぐに立ち直って気合を入れる。
「まだまだ未熟ってやつだ!」
未来の魔法鍛冶師誕生を予感めかせていた。

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