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ノベルバユーザー194919

Ⅱ-2

ギルド情報:王都平原ノ迷宮
現時点での発見階層数二十五階層という深さ、平原一帯と同じ面積を誇る階層面積。
この二つによって出現以来、一度も迷宮のボスを見た者はいない。
現時点では五階層ごとにボスが待ち構えている。
ボスを倒した先に記録水晶と呼ばれる水晶玉が置いてある。
これに触れることで次回から挑戦は最後に触れた水晶玉の位置から行うことができる仕組みだ。
これにしたがってギルドでは五階層ごとに第一深部、第二深部…と名称をつけている。
第一深部第一階層は迷路となっており、入ったチームメンバーのみの探索となっている。
よって比較的初心者でも準備さえしていれば何の問題もなくクリア出来る。
しかし、第二階層からは侵入者が五つに分けられてフィールドに入る。
よって他チームとの協力も可能だが、逆に他チームを倒すことも可能ということだ。
特に初心者を狙う迷宮の暗殺者と呼ばれる集団が存在するため、注意すること。

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階段を下りると草原…低草のみが生い茂る草原だった。
フィナはいきなり光を浴びたせいで「目が!目がぁ!」状態になっている。
それに対して、スカイの目は黒く染まり、光になれるように適応していた。
フィナが光の眩しさに慣れた頃にスカイの目も普通に戻っていた。
ちなみに先ほどの迷路内では緑色に発光していた。
「主人…次の階層はどこだ?」
「今探してる。他の探索者も見つけた」
すでに周囲500mを探し終えているスカイ。周囲に探索者がいることも確認している。
「うーん…後はあそこにある森だけだな」
鬱蒼とした森が平原に囲まれてポツンとあった。
「主人、それ以外怪しい場所などないし、さっさと行こうではないか」
「おう。そうだな」
スカイはギルドで読んだ資料の内容が僅かに引っかかっていた。
なんだったか…と思うものの、思い出せないものは仕方ない。と森へと入って行った。

「おい、男と女の2人組ダァ。簡単にやれそうだな」
「ククッ。階段は森の中だってことに気づく奴は多くても
そこに行きつけるのは運の良い奴だけなんだよなぁ…」
ザワザワと森の中でささやかれる会話。
フィナが全て聞いていた。
「主人…やはり人食いがいるようだ」
「人食いというより経験値狙いだろう。とりあえず狙撃しておこう」
コソコソとその場を離れようとしている2人の男の頭に矢が突き刺さる。
脳を貫通する一撃によって即死する男たち。
「フィナの活躍の場所だな。さすがに木が邪魔だ」
「ふふふ。ついに私の存在意義が生まれましたね!」
意気揚々と森の奥へ進んでいくフィナ。スカイは見つけ出した男を倒していった。

森に入ってから十分ほどだが、未だに初心者狩りの領域らしい。
フィナの森林での方向感覚はエルフ族特有の物で、確実なため
この森は意外とでかいということが分かってきた。
「左に1人、右に五人です」
左をまず一撃。頭が割れて脳みそがぶちまけられた。
そんなものは見なかったことにして右は風魔法と貫通しやすい細い矢で五人一気に貫く。
プシュッと血がこぼれおちるが気にせず前進していく。
初心者狩りをする面々が異変に気づいたのはそれから二十分後であった。
その頃、スカイとフィナはすでに第三階層に向けて階段を下りていた。
初心者狩りがモンスターを倒しているせいか、
モンスターに会うこともなく、初心者狩りを殲滅していくだけで後は森の中央に行けば良いだけだった。
最後に階段の前に居る三人を順に倒して後は階段に入るだけだった。
完全に作業と化したせいで全く探索感のなかった二階層。
次こそちゃんと冒険出来るだろうな…と思いながらスカイとフィナは階段を下りていた。
しかし二時間後。
五階層のボス部屋に辿り着いた2人。
三階層は初心者狩りが居なくなってモンスターと戦ったものの、フィナの槍の餌食になっただけ。
構造もそう変わっていないせいでただ歩くばかりといった感じ。
四階層は岩山を登る構造だった。
時々飛行モンスターに襲われたおかげでフィナは少し楽しめた。
スカイは弓で撃ち落としたせいで特に楽しめなかった。
そして五階層。
ボス部屋の手前の小部屋で武器のチェックをしてさぁボス戦。
ガタンと扉を開けると共にグワリと風が巻き起こる。
瞬時に二手に分かれることで棍棒を避けるスカイとフィナ。地面に棍棒が激突し、地面が揺れる。
「オーガ亜種かっ!」
目に矢を当てても突き刺さらないオーガ。スカイの苦手とするモンスターのタイプだ。
「主人、風魔法で仕留めるから時間稼ぎを!」
杖を取り出して詠唱を始めるフィナ。
スカイは弓で仕留めるのを諦め、巨大な剣を取り出し、オーガの棍棒を受け流す。
傍から見るとあまりにも無謀な競り合いに思える勝負は完全な膠着状態。
しかしオーガは余裕を残していたのかさらに大きな力でスカイに棍棒を振りかざす。
「主人、引けっ!」
一瞬で剣をしまって横に飛び退くスカイ。
「『切り風』」
フィナの詠唱が終了し、オーガの首へ見えない風が迫る。
魔法に気づいたオーガだったが、すでに風はオーガの首に到達していた。
首が飛ぶ。
2mもの巨体がゆっくりと地面に沈む。そして完全に光の粒子と化すオーガ。
光の粒子がスカイとフィナに流れ込み、オーガの後ろにあった扉が開く。
『王都平原ノ迷宮第一階層を攻略。
スカイのLvが上昇。フィナのLvが上昇。
スカイ:Ⅳ フィナ:Ⅱ
固有魔法枠が増加しました。
固有魔法【筋肉増加】を取得しますか?』
また知らない単語が出てきたな…と思うスカイ。
とりあえず筋肉増加なんて魔法は要らないと思うスカイ。
『固有魔法【筋肉増加】を破棄しました。経験値が分散しました。
固有体質【経験値up】がⅠからⅡにレベルアップしました。
固有体質【魔眼】がⅧからⅨにレベルアップしました。
固有魔法【分解】は変化しませんでした』
…うん。理解不能だ。スカイは思考を停止した。
『フィナがスカイに隷属していることを確認。フィナの上昇状態を表示。
固有魔法枠が増加しました。
固有魔法【筋肉増加】を破棄したため経験値が分散しました。
種族体質【魔法威力上昇】がⅢからⅣにレベルアップしました』
フィナのエルフ族が関係してる…のかな?と思うスカイ。
『財宝【オーガの頭】、金貨5枚をスカイに授与します』
あれ?隷属関係が…とか言わないぞ?
もしかして一度確認したら次からは必要ないのか?と解消されない疑問を浮かべるスカイ。
「主人、さっさと次の階層に行こうではないか」
「ああ。とりあえずこの水晶に触っておこう」
「ん」
2人は水晶に手を触れる。
この時、ギルドカードの挑戦中迷宮欄が更新された。
挑戦中迷宮:王都平原ノ迷宮(第1深部攻略)
そして2人は現れた階段を下りて行った。

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