セルフサービスよ

ハタケシロ

セルフサービスよ

駅をでてから徒歩ちょっと、そこにカレー屋はあった。

名前はルールルル。ちょっとふざけた名前だけど外観は良かったので中にはいってみることにした。中に入る前に目に入った看板、セルフサービスの文字。僕はこの時まではご飯をよそったりする程度なのかな?と思っていたけど全然違かった。なぜなら……




カランコロンといいリズムでなるカウンターベルを聞きながら店内へ。

店内はテーブル席とカウンター席があり、15人程度が入れるような広さだ。内装も外観を裏切らず落ち着いていていい雰囲気。カレー屋というよりはカフェに近い。その点はいろいろ裏切ってるかも。

中に入ると一人の少女が店番なのか座っていた。長い黒髪に整っておる顔立ちで店の雰囲気にぴったりの美少女だと僕は思った。

少女は時折足を組み替えながら本を読んでいる。途中僕に気づいたのか声をかける。

「いらっしゃい」

クールにいらっしゃいと言われた。外見に則っていてすばらしい。

「席は自由に」

そう言われて再び店内を見渡すと、なるほど。今は僕しかお客さんは居ないようだ。どこに座っても問題ないと言うことだろう。

僕はカウンター席の奥に座った。

僕は席に座りメニューを選ぼうとしたけどメニュー表がないことに気がついた。

「すいませんメニュー表がないんですけど」

「うちは普通のカレーしかないの。よってメニューはカレーだけ。トッピングなどはなし」

僕が聞くと少女はこう返してきた。なるほど珍しい。今時カレーでしかも一品しかないなんて。じゃその一品しかないカレーを僕は頼もうと思った。

「じゃカレーで」

「150円になります」

「安くないですか?」

「?そう」

ここは最初にお金を払うシステみたいなので僕はお金を安いなとおもいつつ払った。そして待った。

待つ。

ただひたすら待つ。


待つ。



待つ。


待つ。


待つ……。



長くね?

僕がそう思ったのは注文を頼んでから1時間くらい経ってからだ。

いくら遅くても30分くらいには出来るだろうと思っていたけど長い、長過ぎる。僕は少女に聞いてみることにした。そういえばこの少女。注文をとってから席を動いてないなと思いつつ。

「あの……まだですか?」

「……なにが?」

「え?ってその……カレー……」

「カレー?そう言えば私も不思議に思っていた。なぜ貴方は動かないのかと」

「動かないって……なにが?」

「看板」

少女はそういうと人差し指を外の看板へと向けた。そこにはセルフサービスの文字。なるほど自分で取りに行けと言うことなのか。

僕はそう思い周りを見渡したけど鍋らしきものは見当たらなかった。また僕は少女に聞いた。

「あの鍋とかどこですか?」

「厨房」

「厨房……ですか。そこまで行けば……?」

「?うん。じゃないと食べられないでしょ」

いや何故そこで首を傾げるの?と僕は思ったけど少女に言われたとおり厨房へ。そこに鍋はあったけど、蓋を開けてびっくりルーが無かった。

「あの鍋にルーが無いんですけど」

「それはそうよ。作らないとないもの」

「えっ……じゃ作ってくださいよ」

僕がそういうと少女はまた人差し指を外の看板へと向けながらこう言った。

「厨房には材料は揃っているわ」

「え?セルフサービスって最初からカレーを作れってこと!?」

「うん。セルフサービスだから」

斬新なセルフサービスがあるものだと僕は思った。






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