優しく触れて。
優しく触れて。
目を瞑り、息を吐く。
真っ暗な闇の中にたった一人のような。そんな気がしていたんだ。ずっと。
誰かが笑う度、泣く度、怒る度。
すぐ近くで起こっている事なのに、自分には全て関係ない事と思った。
まるで自分だけ透明なカプセルに入っていて。
声も、体温も、存在さえも。何も伝わってこなくて。
誰にも伝わらないように感じていたんだ。
そっと目を開けて、息を吸う。
カプセルの向こうから声がして。こっちへおいでよ、って言うから。
行けないよ、って言ったんだ。怖いんだ、って。
そうしたら、白く細い腕がカプセルの中に入ってきて。
君がそこにいると寂しいよ、って言って。そっと腕に触れたんだ。
冷たいような、暖かいような、不思議な感じがした。
そっと引っ張られて一歩前に進んだら。
カプセルがパチンと弾けて消えたんだ。
体に誰かの影が落ちる。肩に感触。
太陽があって、子供の声がして、花の匂いがした。
君は暖かいね、って言うから。君も暖かいよ、って言ったら。
君が温めてくれたのよ、って笑った。右の頬にえくぼが見えた。
握った手のひらから何かが伝わる気がした。
「またここにいたの?」
「あぁ。」
「本当に好きね。」
「だって君が最初に触れてくれた場所だから。」
いつまでも。
肌に、心に、優しく触れて。
真っ暗な闇の中にたった一人のような。そんな気がしていたんだ。ずっと。
誰かが笑う度、泣く度、怒る度。
すぐ近くで起こっている事なのに、自分には全て関係ない事と思った。
まるで自分だけ透明なカプセルに入っていて。
声も、体温も、存在さえも。何も伝わってこなくて。
誰にも伝わらないように感じていたんだ。
そっと目を開けて、息を吸う。
カプセルの向こうから声がして。こっちへおいでよ、って言うから。
行けないよ、って言ったんだ。怖いんだ、って。
そうしたら、白く細い腕がカプセルの中に入ってきて。
君がそこにいると寂しいよ、って言って。そっと腕に触れたんだ。
冷たいような、暖かいような、不思議な感じがした。
そっと引っ張られて一歩前に進んだら。
カプセルがパチンと弾けて消えたんだ。
体に誰かの影が落ちる。肩に感触。
太陽があって、子供の声がして、花の匂いがした。
君は暖かいね、って言うから。君も暖かいよ、って言ったら。
君が温めてくれたのよ、って笑った。右の頬にえくぼが見えた。
握った手のひらから何かが伝わる気がした。
「またここにいたの?」
「あぁ。」
「本当に好きね。」
「だって君が最初に触れてくれた場所だから。」
いつまでも。
肌に、心に、優しく触れて。
「詩」の人気作品
書籍化作品
-
-
111
-
-
4405
-
-
89
-
-
381
-
-
59
-
-
439
-
-
93
-
-
107
-
-
2
コメント
ノベルバユーザー603477
雰囲気が好きです
優しい気持ちになります
読んでよかったです