それはきっと、絵空事。

些稚絃羽

Prologue

どれほど言葉を重ねれば、想いは伝え切れるのだろう。
どんな言葉を重ねれば、本当の想いホンモノだと伝わるのだろう。




まさか恋するなんて思いもしなかった。
いつの間にか好きになっていた。
気が付くと目で追っていた。
笑顔を見ると嬉しくなった。
悲しい顔を見ると泣きたくなった。
この想いを伝えたいと思った。
どうか受け止めて欲しいと思った。
でも伝えられないとも思った。
膨れていく想いを自分でも持て余していた。
初めて愛しいという気持ちを知った。
初めて守りたいという気持ちを知った。
初めて嫉妬という醜さを抱えた。
真剣に、大切に育てた想いは
苦しくなる程、心を支配して。
上手く言葉に出来ないけれど、
きっと陳腐な言葉でしか表せないけれど、
それでもやっぱり伝えたい。




「私は、愛を知りません。」





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