トロと優しいお姉ちゃん

北河原 黒観

ながいお休み

 いつも元気げんきなトロとやさしいおねえちゃんは、今日きょう仲良なかよし。

 町中まちじゅう新年しんねんをむかえる準備じゅんびであわただしいなか内気うちきだけどいつも優しいお姉ちゃんが一匹いっぴき老犬ろうけんひろってきました。
 ペットがしかったトロは大喜おおよろこび。
 二人ふたりは老犬にワン名前なまえをつけると、さっそく犬小屋作いぬごやづくりにりかかりました。

 トンカントンカン♪

 その出来できにワン太もごきげんなようで、なかはいるとグッスリとねむりました。
 それからというもの、二人は毎日まいにちワン太のお世話せわをしました。

 たのしいお散歩さんぽ
 ごはん用意ようい
 お風呂ふろれて、ブラッシングもしました。
 いつしかワンも、トロとお姉ちゃんが大好だいすきになりました。

 そんなある、トロはいつものように散歩さんぽこうと犬小屋いぬごやまえました。
 しかしワン太はかおけるだけで犬小屋からようとしません。

 あれれ~、どうしたのかな?
そとさむいからたくないのかなとかんがえたトロは、あたらしく毛布もうふってきてワン太にかぶせました。
ワン太はうれしそうに犬小屋いぬごやなかでゴソゴソとおとてます。
 しかしその結局けっきょくワン太は犬小屋から一歩いっぽませんでした。

 つぎあさ、トロが犬小屋いぬごやても、ワンは犬小屋からるどころか食事しょくじもとりません。
 ただあまえるようにクゥ~ンとくだけのワン太。
 なんだか心配しんぱいになったトロは、ワン太がさびしくないようにずっとからだあたまでました。
 するとワン太はよろこんだ表情ひょうじょうのままねむりにつき、そしてトロもいつのまにか犬小屋のなかねむりにつきました。

 夕方ゆうがたゆきがまるで綿わたのようにゆっくりとちてくるなか、お姉ちゃんがごはん用意ようい出来できことらせに、トロをびにました。
 トロはねむこすりながら、となりているワン太にけます。
しかしそこにいるワン太はつめたくなってうごかなくなっていました。
 その言葉ことばをうしないかたまったようにくすトロとお姉ちゃん。

 ゆきもりはじめるなかくらくなってもなかなかかえってない二人ふたりむかえに、いつもたよりになる大人おとなひとがむかえにました。

 トロはきながらいつも頼りになる大人の人にきました。
 ワンしあわせだったのかな?

 いつも頼りになる大人の人は、トロとお姉ちゃんのあたまでながらいました。
 ワン太は二人に出会であえて幸せでしたよ。

 お姉ちゃんも聞きました。
 ワン太はどこにったの?
 いつも頼りになる大人の人はいました。
 きっと天国てんごくに行って、これからもいままでとおなじようにしあわせにらしますよ、と。

 それから三人さんにんは、ゆきをかきつちるとそのあななかにワン太をかせるようにそっとおろし、ほりおこした土をもどしました。

そしてトロとお姉ちゃんは、ワン太にいままでありがとうとわせました。

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