ゲームの世界で天下統一を目指す俺

ハタケシロ

第八戦千人切りの迅

「……………ん?」

目を開けると見慣れた天井があった
ここは慶次さんに貰った前田城の一室だと分かる

ガラっ

ふすまがあく音が聞こえる。誰か来たみたいだ

「あっ起きた?」
「サクラか、今起きたとこ」

サクラはそうといいながら俺の隣へと座る

「戦はどうなった?後どれくらい寝てた?」

俺はまず今し方起きたところだが気になっていた事を聞く

「2日だよ。それと結果から言うと勝ったよ」
「結果から?どういうことだ?」
「んーとね、詳しく言うと迅のおかげでね、でも……………」
「もしかして俺は何かやったのか?その傷も……………」

俺はサクラが俺の隣に座った時から気付いていた腕の傷について聞いた
もしかしたら俺は俺自身の意識がない間にサクラを傷つけていたかもしれない恐怖で頭が一杯だった

「これ?これは違うよ。私が弱いだけだから」

そういうサクラの顔は悲しげだった
武田信玄に言われたことを気にしているのかもしれない

「武田信玄に言われた事なら気にすんなって、それよりやっぱその傷は俺が……………」
「ち、違うってだからこれは私が…」
「俺がだろ?」
「…………うん。で、でもこれはしょうがないの私が弱いだけだから、だから迅を止める事も出来なくて」
「やっぱ俺か。すまないサクラ。ほんとごめん」
「謝らなくていいって。状況が状況だったし」

俺は意識が無かったとはいえサクラを傷つけていたらしい。
何やってんだよ俺は。
あの後何があったのかが知りたい
今後こういう事をしない為にも

「サクラ。いろいろあの戦について聞かせて欲しい。俺あんま記憶なくて」
「だろうね、うん。いいよ」

そう言うとサクラは思い出すように語り出した

「迅はね武田信玄にいきなり飛びかかって深手をおわせて、武田信玄を本陣まで引かせたの」
「俺が?すごいな」
「どうやらそこから記憶が無いみたいだね。でももっと凄かったのはその後で残ってた武田軍の兵をどんどん倒しちゃてさ。もうすごいのなんのって」
「ちなみにな何人くらい?100くらいか?」

前に慶次さんから聞いたことがある。
強い武将は一回の戦で100人は蹴散らすと
ちなみに慶次さんの最高は500人だったような気がする
だから俺が100人も倒していたらかなり上出来といえる。

「ううん、1000人ちょい」

聞き間違えか?
なんか今桁が1つ多い気が……………

「ごめんサクラもう一回言って」
「1000人ちょい倒したよ迅は」

聞き間違いでは無かったらしい
俺は本当にあの武田騎馬隊を擁する武田軍から1000
人倒しちまったらしい
それにサクラが言うにはあの日の武田軍の総数は約3000人らしいから俺一人で3分の1も倒したらしい
しかし問題なのはここからだった俺の猛攻を受けた武田軍は撤退をしたらしいのだが完全に我を忘れていた俺は暴れて味方にまで攻撃をしようとしたらしい。
それをサクラが止めに入るが、止める事ができなかった。
ここまでを俺はサクラから聞いた

「サクラ、俺を止めたのがサクラじゃないんならだれだ?」
「……………当主」
「慶次さん!?」
「うん。自分達の戦が終わったあとすぐこっちに来てくれて、それで暴れてた慶次を止めたの」

まさか俺が暴れて、慶次さんに止められていたなんて。
せっかく慶次さんをサポートして慶次さんを天下人にしようとしたのに、俺が迷惑かけたら駄目じゃないか

「ところで迅」
「なんだ?」

俺が落ち込んでいるとサクラが声をかけてきた

「迅の噂が武田から結構広まってるみたいで」
「俺の噂が?なんで?」
「なんでって1000人も倒したんだよ?そりゃ広まるでしょ!」
「具体的にはどんな風にだ?」
「前田軍には" 千人切り"の若武者が居るって」

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