覇王サタンの聖誕祭〜鉄道王への道〜

鉄道王

第11話「星となった勇者に捧げる慟哭の鎮魂歌」

俺が目を覚ましたのは見覚えのある駅だった。

「?なんだ?サタン…どこだ?」

目の前にあるのは萩村の姿と、俺を囲んで珍しい物でも見るかのようにはしゃいでいる連中、そして化け物たち。

「うわあああっ!?なんだお前ら!!」
「ん?なんだじゃないだろ君っ」
「君がここでブツブツ言って様子がおかしいって通報があったから来たんだ」

目の前にいる化け物どもは酷く濁った、淀んだ声で言った。

(なんだって?俺はいたって正常だぜ?
何を言ってるんだこの化け物どもは…くそっレヴィやモモコさんもいない…)

「おいサタン!出て来てくれよ!助けてくれ!」
「なにを言っとるんだこのガキは…」
「とりあえず、ついて来てくれるか」

(!?どこに連れて行くつもりだよ!?)

「おい!放せ!放せぇぇえ!萩村!助けてくれ!」
「ん?君、友達か?」
「いや…初めてみました」

(!?萩村…)
萩村がこちらを見る目は本当に他人を見るような目であった。
そこで俺はようやくサタンの姿を発見した。

「サタン!サタンか!!助けてくれよ!お前の力を貸してくれ!」

しかしサタンは怯えきった様子で俺から離れてゆく。

「サタン?サタン!?おいっどこ行くんだよおぉ!!助けてくれよぉお!!」

「お嬢さん、離れていようね」
「サタァアン!!お前この化け物どもの仲間になったのかよォ!俺はどうなるんだよォオ!?」
「落ち着け!今警察を呼んだ」

(警察!?よかった…ようやく解放される…なんだこいつら…)

「あっすみません、もしかしてこの少年ですか?」

(!警察か?)

しかし、そこにいたのは化け物の仲間と思われる鬼のようなものだった。

「ええ、言ってる事もわからなくて、何か錯乱してるみたいで…」
「ん、君、ちょっとポケットとかバッグ見してもらえる?」

(!?なんだこいつら、俺の物に触るな!!)

「あー?これシャブじゃねーの?ニイちゃん、何だこれ、使ってたの?」
「返せぇえ!!」
「とりあえず連れて行きますんで」
「よろしくお願いします」
「やめろォォオオ!!助けてくれ!サタン!マモン、モモコさん!!レヴィィイイ!!」


その後俺は、牢獄に収容された。

(俺は捕虜になったのだろうか。こいつらピースフル学園の生物兵器か?それとも天使の仲間か?)

「!?うわぁああ!メタトロン!?それに…会長もォオ!?」
「やあ…また会ったね…戦おうか」
「瀬川さん、あなたを探していたんですよォオ…」
「やめろ…サタン助けてくれ!」

「瀬川…」
「サタン!助けに来てくれ…」
「貴様我を利用していたつもりか…人間ごときの分際でおこがましい…」
「え…サタン?どうしたんだよサタン?」
「サタン様に気安く近づいてきて…」
マモン!?
「貴様…私に楯突くというのか…上等だ…我がブラッディ・インフェルノの餌食となれ…」
レヴィ!?お前らどうしたんだよ!?

「やめろ、やめろォ!」
「瀬川…」
「うわぁぁあああッ!!!」



その日、日本のニュースでは、とあるニュースが報道された。

「今日、○○県の☆☆少年刑務所で1人の少年が死体で発見されました。少年の体には多数の打撲痕や切り傷、火傷跡があり、警察は虐待の疑いがあると見て捜査を進めていますが、☆☆少年刑務所は虐待を否定しており……」

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