FANTASY WAR ONLINE
第二十話
「……出来ない」
「それは、まだイメージの塊が弱いからじゃな。それは原子であって原子にあらず。万物創造の源であり、破壊の象徴でもあるのじゃな」
師匠、それは難しすぎて何を言っているのかわかりません。
「魔力に性質を与えられないんですけど」
「性質は与えるもんじゃないしの」
師匠の助言を聞きながら、俺は再び自分の魔力を操作する。まずは魔力を動かし手のひらへと集める。そこから魔力を体の中から外へと放出するのだが、これは一定時間がたつまで俺の意志で動かすことが出来る。しばらくしたら、霧散してしまうが。
今イメージするのは火。暖かな炎。魔力を消費して燃え続ける炎。しかし、うんともすんとも言わない。
……何かが違うんだろうな。その何かがわからないのだがな。どうしましょ。
いや、師匠の言葉を思い返せ。これにヒントは必ずある。というかヒントしか言っていないはずだ。信じるんだ師匠を。
《只今までの行動により【魔力操作】がレベルアップしました》
今も、考えながら魔力を動かしているからな。体を動かしながらだと、たまに魔力を動かすのを忘れたりするが、この程度ならば、同時にできる。
さっきの言葉は性質は与えるものではないということだ。つまり、火の性質をイメージによって与える必要はないということなのだろうか。そうなのかもしれない。魔力にもともとその性質が内包してあり、それを【魔力操作】によって導き出してやる必要があるのではないだろうか。ありえる。今なんとなく思いついたがあり得る。
ではやってみるとしよう。思いついたら実戦である。
《只今までの行動により【魔力操作】がレベルアップしました》
早い段階でもう一回レベルアップした。それだけ密度の濃いくんれんをしていたということなのだろうな。
「師匠、何とかできました」
「そのようじゃの」
今俺の手のひらには、小さな火の玉が浮かんでいる。
結論から言うとその考えは正解だった。だが、それを完ぺきにイメージすることは出来ず、今では魔力が枯渇寸前になるまでやってようやく、魔術を発現させることに成功したのだ。
そして、俺の目の前にある火の玉はゆっくりと生を終えるように消えていった。何とも哀愁漂う光景である。しかし、この光景は俺は一生忘れることはないだろう。それだけの達成感がある。
しかし、俺は魔術の発言だけで相当な疲労をしていたのか息が荒い。
「それは、魔力の欠乏状態による疲労じゃ。精神的なものじゃな」
「そうでしたか師匠」
しかし、この疲労をすぐに回復させるために、俺は体に気をみなぎらせる。
気というものは体内に存在するエネルギーである。どこぞのバトル漫画のように体外に放出するという使用方法はしない。これの主な使い方は、体内に充実させ体の頑強さを上げたり、免疫能力を向上させたり、回復能力を向上させたりという使い方が主な使い方である。
ああ、後は発勁に使われるというものもあるか。あれは半分嘘であり、半分本当である。俺たちは発勁の時に、気を使うというだけで、他のところがどうかは知らない。
これは、今までの組手が終わった後も呼吸を整える意味でよく使っている。緊張と脱力の組み合わせだな。
《今までの行動により【気功術】を習得しました》
このゲームって何でもあるんだな。これは、このゲームでも発勁はうてるという証明だな。少し試してみるか。
俺は近くの木に近寄る。
「何をするのじゃ?」
「見ててください」
俺は木を前にして構えをとる。呼吸を整える。その場には静寂が生まれる。大気すらも息を止める時間へと突入する。
「ふっ」
声が漏れた。まだまだ甘い。しかし、俺の拳は木へと真っ直ぐに飛んでいく。
発勁の基本は筋肉の動かし方。自分の拳の威力を外ではなく内へと通す筋肉の使い方が基本となる。俺たちはそこから、衝撃のその瞬間に気を使う。
気は体の頑強さを上げるために使うこともある。見たことはないだろうか。金的や拳に攻撃を食らっても平気な顔をしている人を。それも気を扱うことによる技である。しかし、あれには相当な集中状態がいる。そのため実戦では使えない。だが、俺たちはそれを戦闘で使えるように訓練を積んでいる。だからこそ、自分から動いている状態で気をみなぎらせることが可能である。
攻撃が当たる瞬間、俺の体は一瞬であるが鉄の高度に近くなる。一部では金剛法などといわれるような技術である。それで、俺たちの発勁は完成する。
俺の一撃を食らった木は悲鳴を上げながら倒れる。残った幹はひび割れて使い物にならないだろう。
「確認は終わりました、師匠」
「すごいのう」
師匠は、ただ顎を撫でるだけである。やはり、この世界ではこの程度のことは誰でもできるのだろうか? 魔族だし、出来そうな気はする。だからこそ、師匠のこと反応なのだろう。
「さて、魔力はすぐに回復せんし、帰るとするかの。もうすぐ昼になるであろうよ」
「わかりました、師匠」
俺たちは昼を食べるためにいったん戻ることにした。……ここに来る意味あったのかね?
「それは、まだイメージの塊が弱いからじゃな。それは原子であって原子にあらず。万物創造の源であり、破壊の象徴でもあるのじゃな」
師匠、それは難しすぎて何を言っているのかわかりません。
「魔力に性質を与えられないんですけど」
「性質は与えるもんじゃないしの」
師匠の助言を聞きながら、俺は再び自分の魔力を操作する。まずは魔力を動かし手のひらへと集める。そこから魔力を体の中から外へと放出するのだが、これは一定時間がたつまで俺の意志で動かすことが出来る。しばらくしたら、霧散してしまうが。
今イメージするのは火。暖かな炎。魔力を消費して燃え続ける炎。しかし、うんともすんとも言わない。
……何かが違うんだろうな。その何かがわからないのだがな。どうしましょ。
いや、師匠の言葉を思い返せ。これにヒントは必ずある。というかヒントしか言っていないはずだ。信じるんだ師匠を。
《只今までの行動により【魔力操作】がレベルアップしました》
今も、考えながら魔力を動かしているからな。体を動かしながらだと、たまに魔力を動かすのを忘れたりするが、この程度ならば、同時にできる。
さっきの言葉は性質は与えるものではないということだ。つまり、火の性質をイメージによって与える必要はないということなのだろうか。そうなのかもしれない。魔力にもともとその性質が内包してあり、それを【魔力操作】によって導き出してやる必要があるのではないだろうか。ありえる。今なんとなく思いついたがあり得る。
ではやってみるとしよう。思いついたら実戦である。
《只今までの行動により【魔力操作】がレベルアップしました》
早い段階でもう一回レベルアップした。それだけ密度の濃いくんれんをしていたということなのだろうな。
「師匠、何とかできました」
「そのようじゃの」
今俺の手のひらには、小さな火の玉が浮かんでいる。
結論から言うとその考えは正解だった。だが、それを完ぺきにイメージすることは出来ず、今では魔力が枯渇寸前になるまでやってようやく、魔術を発現させることに成功したのだ。
そして、俺の目の前にある火の玉はゆっくりと生を終えるように消えていった。何とも哀愁漂う光景である。しかし、この光景は俺は一生忘れることはないだろう。それだけの達成感がある。
しかし、俺は魔術の発言だけで相当な疲労をしていたのか息が荒い。
「それは、魔力の欠乏状態による疲労じゃ。精神的なものじゃな」
「そうでしたか師匠」
しかし、この疲労をすぐに回復させるために、俺は体に気をみなぎらせる。
気というものは体内に存在するエネルギーである。どこぞのバトル漫画のように体外に放出するという使用方法はしない。これの主な使い方は、体内に充実させ体の頑強さを上げたり、免疫能力を向上させたり、回復能力を向上させたりという使い方が主な使い方である。
ああ、後は発勁に使われるというものもあるか。あれは半分嘘であり、半分本当である。俺たちは発勁の時に、気を使うというだけで、他のところがどうかは知らない。
これは、今までの組手が終わった後も呼吸を整える意味でよく使っている。緊張と脱力の組み合わせだな。
《今までの行動により【気功術】を習得しました》
このゲームって何でもあるんだな。これは、このゲームでも発勁はうてるという証明だな。少し試してみるか。
俺は近くの木に近寄る。
「何をするのじゃ?」
「見ててください」
俺は木を前にして構えをとる。呼吸を整える。その場には静寂が生まれる。大気すらも息を止める時間へと突入する。
「ふっ」
声が漏れた。まだまだ甘い。しかし、俺の拳は木へと真っ直ぐに飛んでいく。
発勁の基本は筋肉の動かし方。自分の拳の威力を外ではなく内へと通す筋肉の使い方が基本となる。俺たちはそこから、衝撃のその瞬間に気を使う。
気は体の頑強さを上げるために使うこともある。見たことはないだろうか。金的や拳に攻撃を食らっても平気な顔をしている人を。それも気を扱うことによる技である。しかし、あれには相当な集中状態がいる。そのため実戦では使えない。だが、俺たちはそれを戦闘で使えるように訓練を積んでいる。だからこそ、自分から動いている状態で気をみなぎらせることが可能である。
攻撃が当たる瞬間、俺の体は一瞬であるが鉄の高度に近くなる。一部では金剛法などといわれるような技術である。それで、俺たちの発勁は完成する。
俺の一撃を食らった木は悲鳴を上げながら倒れる。残った幹はひび割れて使い物にならないだろう。
「確認は終わりました、師匠」
「すごいのう」
師匠は、ただ顎を撫でるだけである。やはり、この世界ではこの程度のことは誰でもできるのだろうか? 魔族だし、出来そうな気はする。だからこそ、師匠のこと反応なのだろう。
「さて、魔力はすぐに回復せんし、帰るとするかの。もうすぐ昼になるであろうよ」
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