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ブラックリストハンター ~異世界ルールで警察はじめました~

チョーカー

推理 加賀の場合 消えた凶器と時間差殺人 

 「さて、私はこの事件―――

 『時間差殺人』

 だと思います」


 加賀の言葉に「時間差殺人?」とリョウマは疑問符を浮かべた。

 「待ってくれ、その時間差殺人なんて言葉は初めて聞いたが、ミステリ用語か?」
 「いいえ、今、私が思いついた言葉です」

 加賀がそう言うと、「おっ…応」とリョウマは微妙な返事を返した。

 「なんです?その微妙は反応は……確かに私の思いついた言葉ですが、実際の事件にも使われている方法ですよ。例えば―――
 毒を利用した殺人事件。2種類の毒を利用して被害者の死亡時刻を速めたり、遅くしてアリバイを手に入れた犯人がいました。つまり―――
 犯人がユウトさんを襲ったのは、武道大会決勝よりも前なのです!」

 加賀の言葉にリョウマとスタンは唸った。
 ない話ではない。そう思ったのだ。

 「犯人は決勝よりも前に被害者を襲い。何らかの延命行為を行いアリバイを作った……そういう事だな?」

 リョウマの言葉に加賀は頷いた。

 「えぇ、最も怪我をしたユウト……被害者へ中途半端な治療をしようとした結果の事故の可能性もありますが……それらの精査は後でもいいでしょう。今は犯人の確保を優先させましょう。そして犯人は――――」


 加賀は、十分に溜めを作り、勿体ぶった態度で犯人の名前を述べた。

 「犯人はスコーンです!」

 堂々とした宣言にリョウマとスタンは、それぞれ―――

 「ん?」 「え?」

 と微妙な反応だった。

 「なっ、なんです?その反応は?いいですか? スコーン選手が使った方法は―――
 氷で作った刃物です!消える凶器です!
 従来なら氷の強度で刺殺が可能か?疑うべき箇所になるのでしょうが、その必要はありません。なんせ、本当に氷を武器に戦う姿を1万5000人が目撃しているのです!」

 「……いや、加賀よ」と止めようとするリョウマを加賀は無視して続ける。

 「事件はこうです!無防備に背中を晒している被害者にスコーンは氷のナイフで一突き!
 いいですか?ここからが重要なトリックですよ。刺された被害者はどう反応したでしょうか?刺された痛みに驚き振り向いた?しかし、被害者は気づかなかったのです!!
 通り魔事件で背名に刺さったナイフに気づかずに帰宅したサラリーマンやそのままバイクに乗って帰った格闘家。彼女に刺されて、自分で病院に向かったプロレスラーは……違いますね。
 とにかく、そのまま突き刺さった氷のナイフを変形させたのです! 

 つまり――――

 凶器を変形させて止血したです!

 さらに決勝戦。皆さんの記憶にある通りに背後を取ったスタンくんは炎を利用した攻撃を行いました。
 これによって背中の氷が溶け落ちて、背中から大量の血液が流れ落ちてしまったのです!」

 そのまま加賀は「これが今回の事件、消えた凶器と時間差殺人の真相です」とドヤ顔を見せた。
 しかし、その加賀はドヤ顔をすぐに崩された。

 「加賀さん。スコーンさんにはアリバイ……って言うのですか?その推理だとスコーンさんには不可能なんですよ」
 思ってもみなかったスタンから発言に「え?」と加賀は呆けた。

 「いいですか?思い出してください。準決勝の時、ユウトさんは鎧を破壊されて背中の素肌を晒しています。その時には、異物は?なかったはずです。あれば観客も気づく人もいたでしょう。
 つまり、被害者が背中を刺されたのは準決勝から決勝の間になります。しかし、スコーンさんは、準決勝終了と共に医務室ではなく病院に運ばれいきました」

 自身の間違いに気づいた加賀は「あっ!」と声を上げる。

 「犯行可能時間にスコーンは現場にいなかった……と?」

 「うむ」とリョウマ。「えぇ」とスタン。

 がっくりと頭を下げる加賀。
 その加賀に対して―――

 「でも、加賀さんの話は参考になりました」

 そう言ったのはスタンだった。


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