AllFreeOnline〜才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します
偽善者と第二回イベントアイデア 中篇
「──さて、たくさんアイデアが集まった。物欲のためとはいえ、ありがとう……というわけで、暇すぎて結局作ったゼロカロリーなドーナツを食べてくれ」
眷属たちが提案してくれたアイデアの数々が、会議室に用意したモニターへ映される。
俺たちはそれを見ながら、行うイベントを吟味していく。
「ここからは俺の独断で決めてもいいけど、さすがにな……というわけで、気になったヤツは質問していく──はい、まずカナタ」
「迷宮攻略って、めっちゃシンプルだろ」
「だからこそ、もう使い古されている。テンプレだろ、テンプレ。RTAも踏破数も、おまけに言えば宝箱の中身なんて勝負の企画もあったんだぞ?」
「そんなの知ったこっちゃねぇよ……」
カナタ、コアが決めた二人の特徴をもっとも生かした企画だ。
まんま『天獄の塔(カナタの迷宮)』を用意して、それに挑ませるという内容である。
しかしまあ、暇潰しに飽きる前にイベント例として迷宮が挙げられていたのを見た。
そこには先ほど挙げた内容などが、大量に載せられていたわけだ。
「もっとこう、オリジナル性が欲しいんだよねプロデューサー」
「……じゃあ、何をすればいいんだよ」
「そうだな、いっそのこと一定の階層ごとに別のイベントを織り込むんだ。アイドルの恰好をしたエルフが歌って踊るとか」
「…………はっ? はぁああああ!? いやだイヤだ嫌だ、絶対に厭だからな!」
全力否定のカナタ君、まあこれは俺もからかうためだけに言ったこと。
後ろでさすがにアウトだと、笑っていない目でコアさんが笑顔を浮かべている。
だがその視線を理解したうえで、アイコンタクトを取った。
コアさんもその意図を理解してくれた、ならば実行するだけ。
「……ここに、一枚の写真がある」
「……おい、それはまさか──」
「コアさんとの賭けに負けたとあるTS野郎が、かつて推しだと語ったアイドルのコスを纏った写真だ」
「や、やめろぉおおおおおお!」
しかし、時すでに遅し。
パッとモニターに投影されるのは、羞恥心に頬を染めながらも、何やらイケイケなポーズを取るアイドル姿のカナタの姿。
ちなみにアイドルの服は俺が作成、その取引で写真を得ていた。
カナタは渡さないよう約束していたが、勝手に俺が手に入れただけなのでセーフだ。
「──さて、それじゃあ次に行くぞ」
「おい、なんで何を言わないんだよ。というかそれよりも、さっさとアレを消せ!」
「次なんだが……」
「聞けよ!」
まあ、ここからはいつもの流れ。
コアさんとカナタによるキマシタワーなので、ここら辺は省いておこう。
「一気に行くぞ。バトル系は分かっているからいい、内容も部門ごとに分けたりして分散させておいた方が楽だしな。けど、賭博要素もやるのか……眷属が勝つって分かっている賭けに、うちの国民がやると思うか?」
「はいはい、八百長があります!」
「アリィ君……この場でそれを言うかい? 考案者の九割が、本気と書いてマジと読むバトルを求める戦闘狂だというのに」
「うーん……それもそっか。けどそれって、アリィたちが参加するときだけは賭けをやらなきゃいいんじゃないかな? もしくは、予め警告しておくとか」
最大投入額を調整するか、自己責任にしておけばいいってことか。
警告しても賭けるなら、ソイツが悪いという話で終わるわけだし。
「じゃあそれで。次、誰でも強者と戦えるというアイデア……チャル君、どうぞ」
「いや、そのまんまだろ」
「うんうん、そのまんまだ。内容も何も、見ての通りと書かれて分かるか! しいて言うなら『あとはよろしく』だけだな。分かるけど、分かるけど……もう少し書いてくれよ」
「ならそうだねぇ……勝てば勝つほど景品の質が高くなる、そういう何でもありなルールが欲しいな」
まあ、それぐらいなら簡単だろう。
眷属の参加は強制切り上げの時、それまでは祈念者同士を高め合わせる……コロシアムの結界を使えば死に戻りはしないし。
「その制度をやると、眷属が参加するたびにカウントがリセットされるからな……挑戦するかしないか選ばせて、勝てたら特殊報酬プラス大量ポイント、ぐらいの制度にしておけば一人ぐらいやるかな?」
「っしゃあ! ありがとう、メルス!」
「はいはい……それじゃあ次、いっそのこと魔物と戦わせた方がいい。スーのアイデアだが、これはどういう考えだ?」
「手っ取り早い?」
何もやらずとも、勝手にボスを倒すために努力してくれるわけだしな。
遥か昔、リア充撲滅イベントでも似たようなことをしていたのを覚えていたのか?
少々怠けるスーならではの、最初さえやれば後始末をしなくていい簡単な企画だ。
ちなみにスーのグループ、なぜか受肉している全武具っ娘が入っている……バランス。
「バトル関係は……まあ、これ以上はまた別の機会にしよう。他にもいろいろあるし、他の人にもどんどん聞いていくからな」
『はーい!』
そうしてアレコレと内容を固めていき、ある程度イベントを決められた。
……本当に開催の準備をする前に、もう一か所確認に向かっておこう。
眷属たちが提案してくれたアイデアの数々が、会議室に用意したモニターへ映される。
俺たちはそれを見ながら、行うイベントを吟味していく。
「ここからは俺の独断で決めてもいいけど、さすがにな……というわけで、気になったヤツは質問していく──はい、まずカナタ」
「迷宮攻略って、めっちゃシンプルだろ」
「だからこそ、もう使い古されている。テンプレだろ、テンプレ。RTAも踏破数も、おまけに言えば宝箱の中身なんて勝負の企画もあったんだぞ?」
「そんなの知ったこっちゃねぇよ……」
カナタ、コアが決めた二人の特徴をもっとも生かした企画だ。
まんま『天獄の塔(カナタの迷宮)』を用意して、それに挑ませるという内容である。
しかしまあ、暇潰しに飽きる前にイベント例として迷宮が挙げられていたのを見た。
そこには先ほど挙げた内容などが、大量に載せられていたわけだ。
「もっとこう、オリジナル性が欲しいんだよねプロデューサー」
「……じゃあ、何をすればいいんだよ」
「そうだな、いっそのこと一定の階層ごとに別のイベントを織り込むんだ。アイドルの恰好をしたエルフが歌って踊るとか」
「…………はっ? はぁああああ!? いやだイヤだ嫌だ、絶対に厭だからな!」
全力否定のカナタ君、まあこれは俺もからかうためだけに言ったこと。
後ろでさすがにアウトだと、笑っていない目でコアさんが笑顔を浮かべている。
だがその視線を理解したうえで、アイコンタクトを取った。
コアさんもその意図を理解してくれた、ならば実行するだけ。
「……ここに、一枚の写真がある」
「……おい、それはまさか──」
「コアさんとの賭けに負けたとあるTS野郎が、かつて推しだと語ったアイドルのコスを纏った写真だ」
「や、やめろぉおおおおおお!」
しかし、時すでに遅し。
パッとモニターに投影されるのは、羞恥心に頬を染めながらも、何やらイケイケなポーズを取るアイドル姿のカナタの姿。
ちなみにアイドルの服は俺が作成、その取引で写真を得ていた。
カナタは渡さないよう約束していたが、勝手に俺が手に入れただけなのでセーフだ。
「──さて、それじゃあ次に行くぞ」
「おい、なんで何を言わないんだよ。というかそれよりも、さっさとアレを消せ!」
「次なんだが……」
「聞けよ!」
まあ、ここからはいつもの流れ。
コアさんとカナタによるキマシタワーなので、ここら辺は省いておこう。
「一気に行くぞ。バトル系は分かっているからいい、内容も部門ごとに分けたりして分散させておいた方が楽だしな。けど、賭博要素もやるのか……眷属が勝つって分かっている賭けに、うちの国民がやると思うか?」
「はいはい、八百長があります!」
「アリィ君……この場でそれを言うかい? 考案者の九割が、本気と書いてマジと読むバトルを求める戦闘狂だというのに」
「うーん……それもそっか。けどそれって、アリィたちが参加するときだけは賭けをやらなきゃいいんじゃないかな? もしくは、予め警告しておくとか」
最大投入額を調整するか、自己責任にしておけばいいってことか。
警告しても賭けるなら、ソイツが悪いという話で終わるわけだし。
「じゃあそれで。次、誰でも強者と戦えるというアイデア……チャル君、どうぞ」
「いや、そのまんまだろ」
「うんうん、そのまんまだ。内容も何も、見ての通りと書かれて分かるか! しいて言うなら『あとはよろしく』だけだな。分かるけど、分かるけど……もう少し書いてくれよ」
「ならそうだねぇ……勝てば勝つほど景品の質が高くなる、そういう何でもありなルールが欲しいな」
まあ、それぐらいなら簡単だろう。
眷属の参加は強制切り上げの時、それまでは祈念者同士を高め合わせる……コロシアムの結界を使えば死に戻りはしないし。
「その制度をやると、眷属が参加するたびにカウントがリセットされるからな……挑戦するかしないか選ばせて、勝てたら特殊報酬プラス大量ポイント、ぐらいの制度にしておけば一人ぐらいやるかな?」
「っしゃあ! ありがとう、メルス!」
「はいはい……それじゃあ次、いっそのこと魔物と戦わせた方がいい。スーのアイデアだが、これはどういう考えだ?」
「手っ取り早い?」
何もやらずとも、勝手にボスを倒すために努力してくれるわけだしな。
遥か昔、リア充撲滅イベントでも似たようなことをしていたのを覚えていたのか?
少々怠けるスーならではの、最初さえやれば後始末をしなくていい簡単な企画だ。
ちなみにスーのグループ、なぜか受肉している全武具っ娘が入っている……バランス。
「バトル関係は……まあ、これ以上はまた別の機会にしよう。他にもいろいろあるし、他の人にもどんどん聞いていくからな」
『はーい!』
そうしてアレコレと内容を固めていき、ある程度イベントを決められた。
……本当に開催の準備をする前に、もう一か所確認に向かっておこう。
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