AllFreeOnline〜才能は凡人な最強プレイヤーが、VRMMOで偽善者を自称します
偽善者と星の海 その07
更新できていませんでしたので、複数話更新です(03/03)
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第二惑星
そこは青一色の世界だった。
ただしそれは、海のような青ではなく空のような青色だ。
そして先ほど同様、光でできた階段が生まれている……ここまでが、異世界の常識的な部分であろうか。
「なんで……横向きなんだ?」
「さっぱりじゃのう……」
「軸が傾いているとか、そういう理由か……ん? たしか、そんな惑星があるって話を聞いたことがあるな」
そもそも、迷宮は第二惑星と言う名前なわけだし……先ほどの第一が俺の知っている第一と違っていたので放棄した記憶を、再び取りだして考察を行う。
「……ああ、分かった。ソウ、ここは天王星という惑星を模した迷宮だ」
「天王星……とは?」
「細かいことは俺たちの世界じゃ不明だが、何かしらの理由があって星の軸が傾いた惑星なんだ。さっきのは海王星って言って、暑くて寒い場所だな」
「天に海か……主様の世界では、壮大な名を星々の一つ一つに与えるのじゃな」
そういえば、AFO世界だとあんまり他の星の名前を聞いたことが無かったな。
星に関するスキルも少ないし、せいぜい太陽と月に神の名前があるぐらいだ。
「こっちの世界と同じだよ。海王星は海の神の名を、天王星は空の神の名を使っている。ただ、そのまんまなのは俺の国と別の言語で星の名前を決めたからだな。それを翻訳すると海王星と天王星になるんだ」
「なるほどのう」
「まあ、特に意味は無い。とりあえずさっさと攻略しよう──元に戻れ」
「命令口調にゾクッとするのう……そのような目をされても、ご褒美にしかならぬぞ」
うわーと思って見ていたが、それすらもご褒美にされてしまってはどうしようもない。
だが別にやることに支障はないので、そのまま実行する。
龍の姿となったソウに、再び鞍を付けてそこに乗るだけ。
あとは勝手にソウが動くので、俺は魔法という便利な力でその補助を行う。
「うーん、全部同じクジラなのか……もったいないし、触媒に使えることも分かっているから回収はしたいなぁ」
「では、すべてを殲滅したうえで目的地まで向かおう。主様、頼めるじゃろうか?」
「回収もついでにやっておくか……それじゃあ、二つ目の迷宮を踏破しようか」
「うむ、心得た」
巨大な翼をはためかせ、ソウは空の道を外れて飛んでいく。
すると迷宮の法則に逆らった俺たちを排除するため、大量のクジラが出現する。
しかし、それらは障害にもならない。
ソウとすれ違った瞬間、それらはすべて生命活動を停止して落下していく。
そしてそれらは、すべて見えないナニカによって回収され、この世界から隔離される。
そんな工程が何度も繰り返され、クジラも少しずつ数が減っていく。
「レベルアップもできるし、実は効率のいい稼ぎ場なのかな? 道を外すだけでこれなんだから、すぐに始められるわけだし」
「じゃが主様、レベル250の個体じゃ。普通の者では逃げることしかできぬ死神のような存在ではないかのう?」
「うーん……それもそうだな。死霊系の魔法で操ればレベルダウンするか? けどまあ、どうせなら徒党を組んで倒させてみるのもいいかのしれないな」
なんてことを話しつつ、<千思万考>によって意識を分けて捜索も同時に行う。
暇潰しで思いついたのだが……魔手で指を鳴らして反響させた音を、<八感知覚>で掴めば地形を脳内でマップ化させていく。
これを何度も繰り返せば、自動的に目的の場所を割り出せるわけで……距離的に辛いモノではあるが、だいぶ奥まで把握できた。
「ソウ、今度は下じゃなくて今回は奥に行くみたいだ。ひたすら北に飛んでくれ」
「うむ、では飛ばすぞ」
「これで防げるかな──“真空化”」
目の前に真空の壁を生みだし、ソウの光速機動に耐えられるようにしておく。
実際、それ以外の場所にはソニックウェーブ的なモノが発生しているので、やって正解だっただろう。
ちなみに光の道だが、進めば進むほど分岐しているためそこから推測できることはできなかった……ズルはできないわけだな。
「主様よ、目的地が見えたぞ」
「やっぱり球状だったのか……第一惑星よりも、いっぱいクジラが居るみたいだな」
「だがそれでも、押し徹る」
「頑張れよっと──“飛翔”」
ソウに“飛翔”を付与し、速度を上げる。
いっさい連絡なく行ったことだが、それでもすぐにソウは対応して物凄い勢いで辺りのクジラを片付けていった。
「主様、よろしく頼む」
「はいはい……よし、これで踏破っと」
ソウがさらに速い速度でクジラを殲滅している間に、迷宮核に触れて停止させる。
先ほど同様、解除するまでにクジラはソウに絶滅していたよ。
「俺の仮説が正しいなら、次は土星だな。目立つ輪っかが就いているのが特徴だが……それはまあ、行けば分かるか」
「うむ、たしか残りの星の数は六つ。主様とであればすぐに終わる数じゃのう」
「……だと、良いんだが」
用意された数は八つ。
だが、惑星の数は…………やっぱり、一筋縄じゃいかなさそうなんだよな。
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第二惑星
そこは青一色の世界だった。
ただしそれは、海のような青ではなく空のような青色だ。
そして先ほど同様、光でできた階段が生まれている……ここまでが、異世界の常識的な部分であろうか。
「なんで……横向きなんだ?」
「さっぱりじゃのう……」
「軸が傾いているとか、そういう理由か……ん? たしか、そんな惑星があるって話を聞いたことがあるな」
そもそも、迷宮は第二惑星と言う名前なわけだし……先ほどの第一が俺の知っている第一と違っていたので放棄した記憶を、再び取りだして考察を行う。
「……ああ、分かった。ソウ、ここは天王星という惑星を模した迷宮だ」
「天王星……とは?」
「細かいことは俺たちの世界じゃ不明だが、何かしらの理由があって星の軸が傾いた惑星なんだ。さっきのは海王星って言って、暑くて寒い場所だな」
「天に海か……主様の世界では、壮大な名を星々の一つ一つに与えるのじゃな」
そういえば、AFO世界だとあんまり他の星の名前を聞いたことが無かったな。
星に関するスキルも少ないし、せいぜい太陽と月に神の名前があるぐらいだ。
「こっちの世界と同じだよ。海王星は海の神の名を、天王星は空の神の名を使っている。ただ、そのまんまなのは俺の国と別の言語で星の名前を決めたからだな。それを翻訳すると海王星と天王星になるんだ」
「なるほどのう」
「まあ、特に意味は無い。とりあえずさっさと攻略しよう──元に戻れ」
「命令口調にゾクッとするのう……そのような目をされても、ご褒美にしかならぬぞ」
うわーと思って見ていたが、それすらもご褒美にされてしまってはどうしようもない。
だが別にやることに支障はないので、そのまま実行する。
龍の姿となったソウに、再び鞍を付けてそこに乗るだけ。
あとは勝手にソウが動くので、俺は魔法という便利な力でその補助を行う。
「うーん、全部同じクジラなのか……もったいないし、触媒に使えることも分かっているから回収はしたいなぁ」
「では、すべてを殲滅したうえで目的地まで向かおう。主様、頼めるじゃろうか?」
「回収もついでにやっておくか……それじゃあ、二つ目の迷宮を踏破しようか」
「うむ、心得た」
巨大な翼をはためかせ、ソウは空の道を外れて飛んでいく。
すると迷宮の法則に逆らった俺たちを排除するため、大量のクジラが出現する。
しかし、それらは障害にもならない。
ソウとすれ違った瞬間、それらはすべて生命活動を停止して落下していく。
そしてそれらは、すべて見えないナニカによって回収され、この世界から隔離される。
そんな工程が何度も繰り返され、クジラも少しずつ数が減っていく。
「レベルアップもできるし、実は効率のいい稼ぎ場なのかな? 道を外すだけでこれなんだから、すぐに始められるわけだし」
「じゃが主様、レベル250の個体じゃ。普通の者では逃げることしかできぬ死神のような存在ではないかのう?」
「うーん……それもそうだな。死霊系の魔法で操ればレベルダウンするか? けどまあ、どうせなら徒党を組んで倒させてみるのもいいかのしれないな」
なんてことを話しつつ、<千思万考>によって意識を分けて捜索も同時に行う。
暇潰しで思いついたのだが……魔手で指を鳴らして反響させた音を、<八感知覚>で掴めば地形を脳内でマップ化させていく。
これを何度も繰り返せば、自動的に目的の場所を割り出せるわけで……距離的に辛いモノではあるが、だいぶ奥まで把握できた。
「ソウ、今度は下じゃなくて今回は奥に行くみたいだ。ひたすら北に飛んでくれ」
「うむ、では飛ばすぞ」
「これで防げるかな──“真空化”」
目の前に真空の壁を生みだし、ソウの光速機動に耐えられるようにしておく。
実際、それ以外の場所にはソニックウェーブ的なモノが発生しているので、やって正解だっただろう。
ちなみに光の道だが、進めば進むほど分岐しているためそこから推測できることはできなかった……ズルはできないわけだな。
「主様よ、目的地が見えたぞ」
「やっぱり球状だったのか……第一惑星よりも、いっぱいクジラが居るみたいだな」
「だがそれでも、押し徹る」
「頑張れよっと──“飛翔”」
ソウに“飛翔”を付与し、速度を上げる。
いっさい連絡なく行ったことだが、それでもすぐにソウは対応して物凄い勢いで辺りのクジラを片付けていった。
「主様、よろしく頼む」
「はいはい……よし、これで踏破っと」
ソウがさらに速い速度でクジラを殲滅している間に、迷宮核に触れて停止させる。
先ほど同様、解除するまでにクジラはソウに絶滅していたよ。
「俺の仮説が正しいなら、次は土星だな。目立つ輪っかが就いているのが特徴だが……それはまあ、行けば分かるか」
「うむ、たしか残りの星の数は六つ。主様とであればすぐに終わる数じゃのう」
「……だと、良いんだが」
用意された数は八つ。
だが、惑星の数は…………やっぱり、一筋縄じゃいかなさそうなんだよな。
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