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山田 武

偽善者と自己紹介 その11



夢現空間 居間


 夢現シリーズの力は半端ないな。
 Lvが最初から存在しないから、いきなりフルパワーでの使用が可能だった。
 ……まあ、そのせいでいろいろとあったんだけど。
 いや~、思い返すと本当に――


『ご主人様、そろそろいつものタイトルコールをした方が良いのでは?』

「おっと、うっかり忘れてたな。それじゃあさっそく――何度も何度も行います、第十一回、自己紹介ターイム!
 あ、教えてくれてありがとうな」

『い、いえ。当然のことです』


 言われるまで考察をしてたから、タイトルコールを忘れてたや。
 <千思万考>を使っていたとしても、思案が早く終わるだけであって完全に終わるわけではないしな。
 ちっぽけな脳みそしかない俺ならば、有ろうが無かろうが最終的には先程の会話をしていただろう。


「それじゃあ、早くやろうか。俺が待たせてたんだけどな」

『……フゥ。では、お願いします』


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「問01:あなたの名前は?」

『セイです』


「問02:性別、出身地、生年月日は?」

『女性、自我は闘技場、体は終焉の島、生年月日は不明です』


「問03:自分の身体特徴を描写してください」

『身長は136cm、髪は銀朱で目は紅鶸色です。他には……3対の翼が生えてます』

「後はその翼が天使版と孔雀版に切り替えられるんだよな。それに目がキリッとしてる」


「問04:あなたの職業は?」

『騎士ですね』


「問05:自分の性格をできるだけ客観的に描写してください」

『真面目……でしょうか』

「ああ、好い意味で真面目だぞ」


「問06:あなたの趣味、特技は?」

『物のバランスを見極めれることが、僕の特技ですね』

「何も使わないでか?」

『は、はい』

「そりゃ凄いな」


「問07:座右の銘は?」

『剣は折れても誓いは折れない、です』


「問08:自分の長所・短所は?」

『どちらも、真面目なことです』


「問09:好き・嫌いなもの/ことは?」

『好きなことはグラと一緒に話していることで、嫌いなものやことはありません』


「問10:ストレスの解消法は?」

『トランプタワーを作ります』


「問11:尊敬している人は?」

『ご主人様とグラです』

「一緒に居るからか?」

『まあ……はい、そうなります』


「問12:何かこだわりがあるもの/ことがあるならどうぞ」

『騎士らしく振る舞うことです』


「問13:この世で一番大切なものは?」

『ご主人様です……ですが、それと同じくらいグラが大切です』

「……そっか」


「問14:あなたの信念は?」

『騎士らしく行動することです』


「問15:癖があったら教えてください」

『癖ですか…分かりません』

「なら、グラの癖って分かるか? グラの時にセイの癖を訊けばちょうど良いしな」

『あ、グラのなら分かりますよ。グラはご主人様と一緒の時は、尻尾を振っています』


「問16:ボケですか? ツッコミですか?」

『ツッコミです』


「問17:一番嬉しかったことは?」

『……ご、ご主人様が撫でてくれた時です』


「問18:一番困ったことは?」

『そのときですね』


「問19:お酒、飲めますか? また、もし好きなお酒の銘柄があればそれもどうぞ」

『銘柄はともかく、甘いお酒が好きです』


「問20:自分を動物に例えると?」

『……天使か孔雀で良いですか?』


「問21:あだ名、もしくは『陰で自分はこう呼ばれてるらしい』というのがあればどうぞ」

『女騎士、と言われました』


「問22:自分の中で反省しなければならない行動があればどうぞ」

『たまに、ドジを踏んでしまうことです』

「(もしかしたら、女騎士(笑)なのかも知れないな)……」


「問23:あなたの野望、もしくは夢について一言」

『本当に、ご主人様の元で騎士として生きたいです』

「ああ、俺に勝ったなら騎士で良いぞ」


「問24:自分の人生、どう思いますか?」

『…………「おーい」ハッ! え、えっと、騎士としての人生だと思います!』


「問25:戻ってやり直したい過去があればどうぞ」

『いえ、ありません……できるなら、今さっきのシーンの撮り直しを――』


「問26:あと一週間で世界が無くなるとしたらどうしますか?」

『ご主人様、どうにかできますか?』


「問27:何か悩み事はありますか?」

『いえ、無くなりました』

「え、今?」


「問28:死にたいと思ったことはありますか?」

『ありません』


「問29:生まれ変わるなら何に(どんな人に)なりたい?」

『このままが良いです』


「問30:理想の死に方があればどうぞ」

『騎士らしく死にたいですね』


「問31:何でもいいし誰にでもいいので、何か言いたいことがあればどうぞ」

『さ、さっきの言葉は本当ですか?』

「ん? ああ、本当だぞ」


「問32:最後に何か一言」

『では、立派な騎士になってみせます!』


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「ハイ、カットで~す。セイ、俺に独りで勝てると思うか?」

『今は……まだ無理です。それでも、騎士になるため、必ずや勝ってみせますよ!』

「うんうん、一途な思いは良いことだ。早く俺を倒して、引退させてくれ」

『引退? ……わ、分かりました』


 ふふふ、誰かが俺に勝てば、俺は眷属全てに勝てないのと同等だ。
 それ即ち、眷属の安全がある程度保障されたようなものだ。
 ……うん、早く自由になりたいよ。



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